freeeサインの連携|freee会計・kintone・SalesforceとAPIのつなぎ方
電子契約を入れたあと、多くの会社がぶつかるのが「締結した契約書の情報を、会計や顧客管理にどうやって引き継ぐか」という壁です。freeeサインはfreee会計をはじめとした各種サービスとの連携や、APIを使った自社システムとの接続が想定されています。この記事では、連携で何ができるのか、どの順番で検討すればよいのか、実際に設定するときの流れと、社内で先に決めておくべきルールを整理します。
この記事の結論
- freeeサインは、freee会計などのfreeeサービスとの連携のほか、kintoneやSalesforceといった業務システム、APIを使った自社システムとの接続が想定されており、対応範囲や利用条件は契約内容によって異なるため公式サイトでの確認が必要です。
- 連携を検討するときは「契約書をどこに保管したいか」「締結後にどの部署が何を入力しているか」を先に洗い出し、手作業が多い工程から順につなぐと効果が分かりやすくなります。
- API連携は、管理画面でAPIキーやアプリケーションの登録を行い、テスト環境で送信と締結の流れを確認してから本番に切り替える、という順序で進めるのが安全です。
freeeサインの連携でできることは何か
freeeサインの連携は、大きく3つの方向に分けて考えると整理しやすくなります。1つ目は、freee会計など同じfreee内のサービスとつなぐ方向。2つ目は、kintoneやSalesforceといった他社の業務システムとつなぐ方向。3つ目は、APIを使って自社で作ったシステムや基幹システムとつなぐ方向です。
どの方向でも、やろうとしていることは似ています。契約書の送信に必要な情報(相手先名、メールアドレス、金額、期間など)を別のシステムから持ってくるか、逆に、締結が完了したという結果と締結済みファイルを別のシステムに書き戻すか、そのどちらかです。この「行き」と「帰り」のどちらを自動化したいのかを最初にはっきりさせると、必要な連携方式が絞れます。
なお、連携できる範囲や利用に必要な契約内容はサービス側の仕様変更で変わることがあります。検討段階では、freeeサインの公式サイトとヘルプページで、現在提供されている連携機能と条件を必ず確認してください。
freee会計との連携は何から見るか
freeeサインとfreee会計を組み合わせて使う会社が多い理由は、契約と請求・計上が地続きだからです。契約が締結された時点で、いつから売上が立つのか、毎月いくら請求するのか、という情報が確定します。ここが手入力のままだと、契約書を見ながら会計側に打ち込む作業が毎月発生します。
まず見るべきは、締結済み契約書のファイルをどこに保管するかです。会計側で取引の証憑としてファイルを参照したいのか、契約書は契約管理側に置いたまま番号だけひも付ければよいのか。前者なら、締結後にファイルを会計側へ添付する運用またはその自動化を検討します。後者なら、契約番号や取引先コードの付け方を先に統一するほうが効果があります。
電子帳簿保存法との関係で、電子で受け取った契約書の保存方法に気を配る必要がある場面もあります。保存要件の詳細は運用によって判断が分かれるため、国税庁の資料を確認したうえで、自社の運用が要件に沿っているかを税理士にご確認ください。
freeeサインの料金プラン
freeeサインの料金は次のとおりです。改定されることがあるため、申し込み前に公式サイトで最新の内容をご確認ください。
| プラン | 月額 | 1件あたりの送信料 | ユーザー数 | 備考 |
|---|---|---|---|---|
| 無料 | 0円(税抜) | 電子サイン無料枠 1通/月 | 3名 | 送信・締結とタイムスタンプのみ |
| Starter | 年払い 5,980円/月(年額71,760円)、月払い 7,180円/月(税抜) | 電子サイン100円/SMS100円/電子署名200円(税抜)。無料枠50通/月 | 無制限 | フォルダ管理、テンプレート、API/Webhook |
| Standard | 年払い 29,800円/月(年額357,600円)、月払い 35,760円/月(税抜) | 同上。無料枠100通/月 | 無制限 | 契約チェック機能、Wordテンプレート、グループ管理 |
| Advance / Enterprise | 記載なし(問い合わせ) | 無料枠1,000通/月〜 | 記載なし | IP制限、SSO、ワークフロー、権限管理 |
kintoneやSalesforceとつなぐときの考え方
kintoneを使っている会社では、案件管理アプリや顧客アプリにすでに契約情報が入っていることが多いはずです。この場合、kintone側のレコードから契約書を送信し、締結結果をそのレコードに戻す、という流れが自然です。「freeeサイン for kintone」といった検索語で調べている方は、この形の連携を探していることがほとんどでしょう。提供形態や必要な設定は公式の案内で確認してください。
Salesforceの場合は、商談(オポチュニティ)が受注になったタイミングで契約書を送りたい、というニーズが中心になります。商談レコードの項目を契約書の差し込み項目にマッピングし、締結完了で商談ステータスを更新する、という設計です。ここで重要なのは、どの項目をどの項目に対応させるかの一覧を、表にして先に作っておくことです。
どちらのシステムでも、連携の実装方法は複数あります。用意されている連携機能を使う方法、iPaaS(連携サービス)を経由する方法、APIで自前実装する方法です。社内に開発できる人がいない、または少人数で回している会社なら、まず用意されている連携機能で足りるかを確認し、足りない部分だけを別の方法で補うという順番が現実的です。
API連携の進め方|いつ・何を用意して・どこで設定するか
APIでつなぐ場合の流れは、おおむね次のようになります。第一に、社内で「何を自動化するか」を1〜2機能に絞って文章にします。たとえば「基幹システムで受注登録したら、契約書を自動送信する」「締結完了の通知を受けたら、契約管理台帳のステータスを更新する」といった粒度です。欲張って全部を一度に作ると、テストが終わりません。
第二に、freeeサインの管理画面で、API利用のための設定(アプリケーションの登録やキーの発行など)を行います。誰がこの設定権限を持つのかを先に決めておいてください。発行した認証情報は、社内の誰でも見られる場所には置かないようにします。第三に、テスト用の環境や自社内の宛先を使って、送信から締結までの流れを一通り試します。差し込み項目のずれ、宛先の間違い、通知が届かない、といった不具合はここで出し切ります。
第四に、本番に切り替えたあと、最初の1〜2週間は自動化された処理の結果を人が目視で確認する期間を設けます。完全に任せきりにするのは、この確認期間で問題が出なくなってからで構いません。APIの仕様やエンドポイントは更新されることがあるため、開発時は必ず最新の公式ドキュメントを参照してください。
連携する前に社内で決めておくこと
技術的につながっても、運用ルールが決まっていないと現場は混乱します。最低限、次の3つを決めておくと後が楽です。1つ目は、契約書を送信できる人の範囲。自動化すると「誰でも送れる」状態になりやすいため、承認を経たものだけが送信対象になる仕組みを残しておきます。
2つ目は、締結済みファイルの保管場所を一か所に決めることです。freeeサイン側、会計側、クラウドストレージ、と三か所に同じファイルがあると、どれが正なのか分からなくなります。「正本はここ、他はコピー」と決めて、社内の誰に聞いても同じ答えが返る状態にしてください。
3つ目は、電子契約にする書類と、紙で残す書類の線引きです。取引先の事情や書類の性質によっては、紙の押印を求められることもあります。相手方が電子契約に対応していない場合の代替手順も、あわせて決めておきましょう。
うまくいかないときのチェック順
連携が動かないときは、いきなりコードやAPIの設定を疑う前に、上流から順に見ていくと早く原因にたどり着きます。まず、元となるシステム側のデータが埋まっているか。取引先のメールアドレスが空欄、金額が未入力、といった単純な欠落が原因であることは少なくありません。
次に、項目のマッピングです。連携先の項目名が変わった、選択肢の値が追加された、といった変更で止まることがあります。運用中にシステム側の項目を編集するときは、連携に影響しないかを確認する習慣をつけてください。
それでも解決しない場合は、認証情報の有効期限や権限設定、APIの仕様変更を確認します。エラーメッセージが出ているなら、その内容をそのまま控えてサポートに問い合わせるのが近道です。自社だけで抱え込まず、提供元のサポート窓口を使ってください。
連携と契約書の中身は、別々に確認する
システム連携が整うと、契約書を送るまでの時間は短くなります。ただし、速く送れることと、契約内容が自社にとって妥当であることは別の話です。テンプレート化した契約書をそのまま自動送信する運用にするなら、そのテンプレート自体を一度きちんと見ておく価値があります。
電子契約の証拠力や、取引先との合意の取り方については、業種や取引の性質によって考え方が変わります。また、契約書の保存方法が税務上どう扱われるかについても、自社の状況によって判断が分かれることがあります。
契約書の内容や電子契約の運用については弁護士に、保存方法や税務上の取り扱いについては税理士に、それぞれ早めにご相談ください。従業員との雇用契約を電子化する場合は、労働条件の明示方法などに関わるため、社会保険労務士に確認しておくと安心です。
よくある質問
freeeサインとfreee会計は自動で連携しますか
同じfreeeのサービス同士で連携が想定されていますが、どの機能がどこまで自動化されるかは契約内容や設定によって異なります。締結済み契約書の扱いや会計側での参照方法については、freeeの公式サイトとヘルプページで最新の仕様を確認してください。
kintoneと連携するには開発が必要ですか
用意されている連携の仕組みを使う場合は、管理画面での設定とアプリ側の項目マッピングで進められることが多く、必ずしも開発が必要とは限りません。ただし、独自の条件分岐や他システムを挟む場合はAPIやiPaaSの利用を検討することになります。まずは公式の連携案内で、自社のやりたいことが標準機能の範囲に収まるかを確認しましょう。
API連携の設定は誰が担当すればよいですか
認証情報の発行と管理が発生するため、社内でシステム管理を担う人、または外部の開発パートナーが担当するのが一般的です。ひとり社長の会社で開発リソースがない場合は、標準の連携機能や既存のツールで代替できないかを先に検討してください。
連携すれば契約書の保存要件も満たせますか
連携はあくまでデータの受け渡しの仕組みであり、それだけで保存要件が満たされるとは限りません。電子帳簿保存法に関する要件は国税庁の資料で確認したうえで、自社の運用が沿っているかを税理士にご確認ください。