クラウドサインの取り下げ・再送・却下|送信後に間違えたときの対処
電子契約は送信ボタンを押した瞬間に相手へ通知が飛びます。だからこそ「宛先を間違えた」「金額が1桁違う」「先方の担当者が変わっていた」といったミスに、送った直後に気づくことがあります。この記事では、クラウドサインで送信後に誤りに気づいたときに、取り下げるのか、相手に却下してもらうのか、作り直して再送するのかを、判断の順番に沿って整理します。画面の名称や操作の細部はアップデートで変わることがあるため、最終的な手順は公式のヘルプページで確認してください。
この記事の結論
- クラウドサインで送信後に誤りに気づいたら、相手が同意(署名)を完了する前であれば、送信者側で書類を取り下げ(破棄)し、正しい内容で作り直して送り直すのが基本の流れです。
- 相手側で内容の誤りに気づいた場合は、受信者が「却下」を選ぶことで手続きが止まり、送信者に通知が届くため、送信者が修正して再送します。
- 締結が完了した書類は取り下げられないため、合意解除や覚書、訂正契約といった別の対応が必要になり、内容によっては弁護士や司法書士への確認が望ましい場面があります。
送信後に間違えた場合、まずどこを見て判断するか
やることは「誰がどこまで進んでいるか」で決まります。最初に見るのは、書類の状態(ステータス)です。まだ誰も同意していない「送信済み・確認中」なのか、一部の署名者だけが完了しているのか、全員の同意が終わって「締結済み」になっているのか。ここを確認しないまま操作すると、取り消せない段階で慌てることになります。
判断の順番はシンプルです。①締結が完了していないなら、送信者が取り下げ(破棄)して作り直す。②相手がすでに開いていても、同意前ならまだ取り下げの余地がある。③締結済みなら取り下げはできないため、相手と相談して訂正の合意書や覚書などで対応する。この3段階で考えると、迷う時間がぐっと減ります。
もう一つ確認したいのが、誤りの中身です。金額や契約期間など契約の中身に関わる誤りは、必ず作り直しが必要です。一方、宛先メールアドレスの打ち間違いのように「相手に届いていない」だけであれば、取り下げて正しい宛先で送り直せば済むことが多いでしょう。誤送信先に契約内容が見えてしまった可能性がある場合は、情報の取り扱いとして社内で報告ルールに沿った対応も検討してください。
取り下げ(破棄)の手順|いつ・誰が・どこから行うか
取り下げは、送信者(書類を送った側のアカウント)が行う操作です。タイミングとしては、締結が完了する前。全員の同意が済んでしまうと取り下げの操作はできなくなるため、気づいた時点ですぐ動くのが安全です。
手順の流れは、①クラウドサインにログインする、②対象の書類を書類一覧から探す(件名や相手先名で検索すると早いです)、③書類の詳細画面を開いて取り下げ(破棄)の操作を選ぶ、④理由などを入力して確定する、という順になります。取り下げると相手側にも通知が届き、その書類では署名できない状態になります。ボタンの名称や表示位置はプラン・画面の更新により異なる場合があるため、公式ヘルプの最新の案内を併せて確認してください。
取り下げの前に一つだけ準備しておくと後が楽です。それは「どこをどう直すか」をメモしておくこと。取り下げた書類は、そのままでは編集して再送できない仕様の部分があるため、正しい内容のPDFを用意してから取り下げる方が、相手を待たせずに済みます。相手の担当者には、取り下げ通知が届く前後に一報を入れておくと、余計な問い合わせが減ります。
クラウドサインの料金プラン
クラウドサインの料金は次のとおりです。改定されることがあるため、申し込み前に公式サイトで最新の内容をご確認ください。
| プラン | 月額 | 1件あたりの送信料 | ユーザー数 | 備考 |
|---|---|---|---|---|
| Free | 0円 | 無料(月2件まで) | 1名 | 月の送信2件が上限。書類管理機能に制限 |
| Light | 11,000円(税抜)/12,100円(税込) | 220円(税抜)/242円(税込) | 無制限 | AI契約書管理(インポート時)非対応、キャビネット機能なし |
| Corporate | 28,000円(税抜)/30,800円(税込) | 220円(税抜)/242円(税込) | 無制限 | 専任CSM非対応、一部の内部統制機能に制限 |
| Business / Enterprise | 記載なし(個別) | 記載なし(ボリュームディスカウントあり) | 記載なし | 料金は問い合わせ |
作り直して再送する流れ|同じ書類の「再送」と新規送信の違い
クラウドサインで「再送」と呼ばれる操作には、性質の違う二つがあります。一つは、内容はそのままで相手に通知メールをもう一度届ける再送(催促の意味合い)。もう一つは、内容を直して新しく送り直す、実質的な作り直しです。相手が「メールが見当たらない」と言っている場合は前者、内容に誤りがある場合は後者になります。
内容を直す場合の流れは、①正しい内容のPDFを用意する、②取り下げ済み(または破棄済み)の書類を確認する、③新規で書類を作成し、宛先・署名者・入力項目を設定する、④送信する、という順です。過去に送った書類をコピーして新しい書類として作成できる機能が用意されていることがあり、宛先や項目の設定を一から入力し直す手間を減らせます。使える機能はプランによって異なる場合があるため、自社の契約内容を確認してください。
再送のときにミスが起きやすいのが、旧版と新版の取り違えです。ファイル名に日付や「rev2」などを入れて区別し、相手にも「先ほどの書類は取り下げました。こちらの新しい書類にご対応ください」と一言添えると、相手が古い通知メールから署名してしまう事故を防げます。社内で承認フローを回している場合は、差し替えた版で再承認を取る運用にしておくと安心です。
相手から「却下」された・相手に却下してもらいたいとき
却下は、受信者(署名を求められた側)が行う操作です。内容に誤りがある、押印権限が自分にない、そもそも契約する予定がない、といった理由で手続きを止めたいときに使います。却下されると送信者に通知が届き、その書類は成立しない状態になります。
自分が受信者で、内容に誤りを見つけた場合の動き方はこうです。①署名せずに書類を閉じる、②却下の操作を選び、理由欄に「第3条の金額が見積と相違」のように具体的に書く、③念のため担当者へメールやチャットでも連絡する。理由を具体的に書いておくと、送信者が直すべき箇所を探す手間が省け、やり取りが1往復で済みます。
自分が送信者で、相手から却下の通知が届いたときは、まず理由を読み、社内の担当者(営業・法務など)と修正内容をすり合わせます。そのうえで、正しい内容の書類を新規に作成して送り直します。却下された書類の履歴は残るため、なぜ差し替えたのかを社内の記録として残しておくと、後から経緯を追いやすくなります。
なお、送信者側が「取り下げ」で止めるのか、受信者側に「却下」してもらうのかで迷ったら、送信者が自分で取り下げる方が確実です。相手の操作を待つと、その間に誤った内容のまま署名されてしまう可能性があります。
署名者を変更したい・有効期限を延ばしたい・期限切れになったとき
署名者の変更には二つのパターンがあります。一つは、受信者側が「この書類は自分ではなく別の担当者が対応すべき」と判断して、社内の別の人に転送・引き継ぐパターン。もう一つは、送信者が宛先そのものを間違えていたパターンです。後者は、取り下げてから正しい宛先で送り直すのが基本の流れになります。転送に関する機能の有無や範囲は設定やプランで異なることがあるため、公式ヘルプで確認してください。
有効期限を設定して送った書類は、期限を過ぎると署名できない状態になります。相手から「期限が切れてしまった」と連絡が来たら、送信者側で期限を延長できるかを確認し、延長できない場合は同じ内容で新規に作成して送り直します。期限切れは相手の手元で起きるトラブルなので、責めるより先に「すぐ送り直します」と伝えた方が話が早く進みます。
期限切れを繰り返している場合は、運用を見直すサインです。決裁に時間がかかる相手には期限を長めに設定する、送信前に「◯日までにご対応をお願いします」と口頭やメールで伝えておく、期限が近づいたら社内でリマインドする担当を決めておく。この3つだけでも、差し戻しの回数は減っていきます。
締結済みの書類を間違えていた場合と、社内ルールの整え方
全員の同意が完了して締結済みになった書類は、取り下げや破棄の操作では取り消せません。内容に誤りがあった場合は、相手方と協議のうえで、訂正のための覚書を新たに締結する、合意によって解除する、といった契約上の対応を取ることになります。どの方法が適切かは契約の種類や誤りの内容によって変わり、対応を誤ると後々の紛争につながることがあります。
締結済みの契約書の訂正や解除は、法的な効果に直結する場面です。自己判断で進める前に、弁護士に相談して進め方を確認することをおすすめします。登記や許認可に関わる書類であれば司法書士、取引金額や消費税の扱いに影響する場合は税理士にも確認しておくと安心です。また、電子契約の保存方法については電子帳簿保存法の考え方が関係するため、保存の要件は国税庁の資料や顧問税理士に確認してください。
ミスを減らす仕組みとしては、送信前チェックの型を作るのが効果的です。①宛先のメールアドレス、②署名者の氏名と権限、③金額・期間・日付、④添付ファイルが最新版か、⑤有効期限の設定、この5点を送信前に声に出して確認するだけでも、取り下げの回数は変わります。ひとり社長の会社でも、テンプレートのチェックリストを1枚作っておくと、忙しい時期の事故を防げます。
電子契約の運用ルール、契約書の内容、保存方法のいずれも、会社の状況によって適切な形が変わります。判断に迷う場面が出てきたら、契約内容は弁護士、保存や税務の扱いは税理士へ、早めに相談してください。
よくある質問
クラウドサインで送信した書類は、相手が開いた後でも取り下げられますか。
相手が閲覧しただけで、まだ同意(署名)を完了していない段階であれば、送信者側で取り下げ(破棄)の操作ができるのが一般的です。全員の同意が完了して締結済みになった書類は取り下げできないため、覚書などの別の対応が必要になります。操作可能な範囲は画面の更新で変わることがあるので、公式ヘルプで最新の案内を確認してください。
取り下げた書類を修正して、そのまま再送することはできますか。
取り下げた書類そのものを編集して送り直すのではなく、正しい内容のファイルで新しく書類を作成して送るのが基本の流れです。過去の書類をコピーして新規作成できる機能が用意されている場合があり、宛先や入力項目の設定をやり直す手間を減らせます。利用できる機能はプランによって異なることがあるため、自社の契約内容をご確認ください。
有効期限が切れてしまった書類は、延長できますか。
送信者側で期限の延長ができる場合と、同じ内容で新規に送り直す必要がある場合があります。まず書類の詳細画面で延長の操作ができるかを確認し、できなければ作り直して再送するのが早い対応です。期限切れが続くようなら、期限の設定を長めにする、送信前に対応期日を口頭でも伝えるなど、運用を見直してみてください。
相手の担当者が変わっていた場合、署名者だけ差し替えられますか。
受信者側から社内の別担当者へ引き継ぐ運用が用意されていることがありますが、送信者が宛先そのものを間違えていた場合は、取り下げて正しい宛先で送り直す方が確実です。署名する人に契約締結の権限があるかどうかも併せて確認しておくと、後のトラブルを避けやすくなります。権限の判断に迷う場合は弁護士に相談してください。