Docusignとクラウドサインの違い|料金体系と選び方を比較
電子契約サービスを検討すると、ほぼ必ず名前が挙がるのがDocusign(ドキュサイン)とクラウドサインです。どちらも電子署名法にもとづく仕組みで契約締結を電子化できますが、料金の考え方と想定している使われ方が違います。この記事では、具体的な金額には触れずに(金額は下の表と各社公式サイトをご確認ください)、どういう会社にどちらが向くのかを条件ごとに整理します。
この記事の結論
- Docusignは「使う人(ユーザー)ごと」に課金し、一定の送信通数が各ユーザーに割り当てられる考え方のため、契約を送る担当者が限られている会社と相性が良い傾向があります。
- クラウドサインは基本料金に加えて送信1件ごとの従量課金という構成で、ユーザー数の上限を設けないプランがあるため、社内の関係者が多く、部署をまたいで使いたい会社に向きやすい設計です。
- 毎月の送信件数がおおよそ読めるなら両方を件数ベースで試算し、読めないなら「誰が何人使うか」を先に決めてから比べると判断しやすくなります。
Docusignとクラウドサインは、そもそも何が違うのか
両サービスとも、紙と印鑑による契約をオンラインで完結させるためのサービスで、電子署名法にもとづく仕組みを採っています。締結した契約の有効性そのものについては、どちらを選んでも一般的な電子契約として扱われる前提で設計されています。ただし、自社の契約類型や社内規程との関係で個別の判断が必要な場合は、弁護士など専門家に相談してください。
根本的な違いは、料金の数え方です。Docusignは、利用するユーザーごとに料金が発生し、そのユーザーに一定の送信通数が割り当てられるという考え方をとっています。つまり「何人が契約を送る立場にいるか」が費用を左右します。一方のクラウドサインは、基本料金と、送信1件ごとの従量料金を組み合わせる構成です。こちらは「月に何件送るか」が費用を左右します。この違いが、比較の出発点になります。
想定している使い方にも差があります。Docusignは海外を含む幅広い地域で利用されており、英語をはじめとした多言語での送受信や、海外の取引先とのやりとりを含む場面でも名前が挙がります。クラウドサインは国内の商習慣に沿った作りで、日本語のインターフェースや国内企業向けのサポート体制を前面に出しています。どちらが優れているという話ではなく、自社の取引相手がどこにいるかで使い勝手の感じ方が変わります。
プランごとの機能差もあります。Docusignは上位プランでWebフォームや一括送信といった機能が加わる構成、クラウドサインは上位プランで契約書管理や内部統制まわりの機能が広がる構成が示されています。ただし、ここに挙げていない細かな機能の有無は更新されることがあるため、実際の可否は各社の公式サイトで確認してください。
料金の比べ方
料金の考え方が違うため、月額だけを見ても比べられません。送信する件数を決めたうえで、月額と1件あたりの送信料を足した「月あたりの合計」で見ます。
| サービス | 無料プラン | いちばん安い有料プランの月額 | 1件あたりの送信料 | ユーザー数 |
|---|---|---|---|---|
| Docusign(ドキュサイン) | なし | 1,333円/月(年間一括 16,000円/年) | 月5通まで | 1ユーザー |
| クラウドサイン | あり(月2件まで) | 11,000円(税抜)/12,100円(税込) | 220円(税抜)/242円(税込) | 無制限 |
どの順番で比べると決まるか
最初に確認したいのは、月あたり(または年あたり)の送信件数です。過去1年分の契約書・注文書・業務委託契約などを数えて、電子化できるものが何件あるかを出します。件数がはっきりしていれば、ユーザー課金型と従量課金型のどちらが自社にとって合理的かは、下の表の数字を当てはめるだけでかなり見えてきます。件数が少なく、送る人も限られているなら小規模向けのプランで足りることもあります。
次に、社内で「送信する人」が何人必要かを考えます。契約の作成・送信を管理部門の数名に集約できるのか、それとも営業や人事など各部署の担当者がそれぞれ送る運用になるのかで、費用の形が変わります。ユーザー数に上限が設けられているプランもあるため、将来の増員まで含めて見ておくと安心です。なお、社内で契約内容を確認するだけの人(承認者や閲覧者)の扱いはサービスやプランによって異なるので、この点は必ず公式サイトや問い合わせで確かめてください。
三つめは、既存のツールとの連携です。会計ソフト、人事労務システム、CRM、ストレージなど、契約書が行き来する先とつながるかどうかで、運用の手間が大きく変わります。締結済みの書類を自動で保管先に振り分けたい、案件管理と紐づけたいといった要望がある場合は、対応している連携先を一覧で確認し、必要ならAPIの利用可否も含めて検討します。連携の対応状況は変更されることがあるため、最新情報は各社の公式サイトで確認してください。
四つめは、相手方の使いやすさです。電子契約は、自社が便利でも相手が戸惑うと止まります。受信側がアカウント登録なしで署名できるか、スマートフォンから完結できるか、操作画面の言語は何か、といった点は締結率に直結します。海外の取引先が多い会社と、国内企業中心の会社では、ここでの評価が分かれます。可能であれば無料トライアルや無料枠で、自分宛てに一度送ってみて受信側の画面を体験してみると判断しやすくなります。
最後に、印影表示や立会人型・当事者型といった認証方式、電子帳簿保存法への対応、監査ログや権限設定などの内部統制機能を確認します。上場準備中の会社や、社内規程で承認フローが厳格に決まっている会社は、この部分がプラン選択を左右することがあります。金額は下の表にまとめていますが、料金は改定されることがあるため、最終判断の前に公式サイトで最新の料金を確認してください。
Docusign(ドキュサイン)のプラン
Docusign(ドキュサイン)の料金は次のとおりです。最新の内容は公式サイトでご確認ください。
| プラン | 月額 | 1件あたりの送信料 | ユーザー数 | 備考 |
|---|---|---|---|---|
| Personal | 1,333円/月(年間一括 16,000円/年) | 月5通まで | 1ユーザー | 別途税金が発生する場合あり |
| Standard | 3,300円/月・ユーザー(年間一括 39,600円/年) | 年間100通/ユーザー | 最大50ユーザー | 共同編集、ブランド設定 |
| Business Pro | 5,300円/月・ユーザー(年間一括 63,600円/年) | 年間100通/ユーザー | 最大50ユーザー | Webフォーム、支払い回収、一括送信 |
| 拡張プラン | 記載なし | カスタム | 51ユーザー以上 | 組織管理、24時間サポート |
クラウドサインのプラン
クラウドサインの料金は次のとおりです。最新の内容は公式サイトでご確認ください。
| プラン | 月額 | 1件あたりの送信料 | ユーザー数 | 備考 |
|---|---|---|---|---|
| Free | 0円 | 無料(月2件まで) | 1名 | 月の送信2件が上限。書類管理機能に制限 |
| Light | 11,000円(税抜)/12,100円(税込) | 220円(税抜)/242円(税込) | 無制限 | AI契約書管理(インポート時)非対応、キャビネット機能なし |
| Corporate | 28,000円(税抜)/30,800円(税込) | 220円(税抜)/242円(税込) | 無制限 | 専任CSM非対応、一部の内部統制機能に制限 |
| Business / Enterprise | 記載なし(個別) | 記載なし(ボリュームディスカウントあり) | 記載なし | 料金は問い合わせ |
Docusignが向いている会社の条件
契約を送る担当者が少人数に固定されていて、その担当者がある程度まとまった通数を送る会社は、ユーザー単位で通数が割り当てられる考え方と噛み合いやすくなります。管理部門の数名で全社の契約締結を巻き取っている体制なら、人数が増えない限り費用が読みやすいという利点があります。
海外の取引先とのやりとりがある会社も候補に入れやすいサービスです。多言語での送信や、海外拠点を含めた運用を想定している場合、グローバルで広く使われている点が受け入れられやすさにつながることがあります。実際に対応している言語や地域の範囲は、公式サイトで確認してください。
申込フォームから契約締結までをひとつの流れにしたい、同じ内容の書類を多数の相手にまとめて送りたい、といった使い方を想定している場合も検討対象になります。こうした機能は上位プランで提供される構成が示されているため、必要な機能がどのプランに含まれるかを確認したうえで選んでください。
まずは一人でスモールに試したい、個人事業や少人数の会社で件数もごく少ない、というケースに向けた小規模向けのプランも用意されています。将来の拡張を見据えつつ、小さく始めたい会社の入口としても検討できます。
クラウドサインが向いている会社の条件
社内の関係者が多く、部署をまたいで契約を扱いたい会社には、ユーザー数に上限を設けないプランがある構成が合いやすくなります。営業、人事、購買など複数の部門がそれぞれ契約を送る運用でも、人数が増えたことによる費用の跳ね上がりを気にしにくいのは実務上の安心材料です。
送信件数の増減が月によって大きい会社も検討しやすい形です。基本料金に件数分を積み上げる従量制のため、繁忙期と閑散期の差が大きい業種では、実際に使った分に応じた費用感になります。逆に、件数が恒常的に多い会社では従量分が積み上がるため、下の表の数字を自社の想定件数に当てはめて試算してください。大量に送る場合の条件は個別相談になるプランもあります。
取引相手が国内企業中心で、受信側に余計な負担をかけたくない会社にも向きます。国内で広く使われているサービスは、相手方が「以前も使ったことがある」状態になりやすく、締結までの問い合わせ対応が減ることがあります。日本語でのサポートを重視する場合も候補になります。
契約書の保管・検索や、承認フロー、権限管理といった締結後の管理まで社内で整えたい会社も検討対象です。こうした管理系・内部統制系の機能は上位プランで広がる構成が示されているため、自社に必要な機能がどこまで含まれるかを公式サイトで確認したうえで選んでください。
まずは無料枠で試せるプランもあるため、はじめて電子契約を導入する会社が社内の反応を見ながら進めたい場合の入口としても使えます。
よくある質問
Docusignとクラウドサイン、どちらのほうが安いですか。
送信件数と利用人数によって逆転するため、一概には言えません。ユーザー課金型と従量課金型では損得が分かれるポイントが異なるので、自社の月間送信件数と送信担当者の人数を出したうえで、下の表の数字を当てはめて試算してください。料金は改定されることがあるため、最終判断の前に各社の公式サイトで最新の料金を確認することをおすすめします。
どちらも法的に有効な契約を結べますか。
どちらのサービスも電子署名法にもとづく仕組みを採っており、一般的な契約の電子化を前提に設計されています。ただし、書面が必要とされる契約類型や、自社の社内規程・業界慣行との関係では個別の検討が必要になる場合があります。判断に迷う契約がある場合は、弁護士など専門家に相談してください。
契約の相手方にも費用や登録が必要になりますか。
一般的な電子契約サービスでは、送信する側が費用を負担し、受信側は届いたリンクから署名する形が基本です。ただし、受信側にアカウント登録が求められるかどうか、スマートフォンだけで完結できるかどうかといった細かい挙動はサービスやプラン、設定によって異なります。実際の受信画面は無料トライアルや無料枠で自分宛てに送って確認するのが確実です。
会計ソフトや人事労務システムと連携できますか。
どちらも外部サービスとの連携やAPIの提供が想定されていますが、対応している連携先や連携できるプランは更新されることがあります。すでに使っているツールとつなげたい場合は、具体的なサービス名を挙げて各社の公式サイトで対応状況を確認するか、問い合わせ窓口で直接確かめてください。
途中でサービスを乗り換えることはできますか。
締結済みの契約書をダウンロードして保管し直すことは一般的に可能ですが、管理画面上の検索性やフォルダ構成、監査ログまでそのまま移せるとは限りません。乗り換えを視野に入れる場合は、エクスポートの形式や範囲、電子帳簿保存法への対応がどうなるかを事前に確認しておくと安心です。