住信SBIネット銀行 法人の外貨預金と海外送金|受け取りの手順と注意点
海外のクライアントから「送金するので口座情報をください」と言われて、はじめて自社の銀行が外貨に対応しているか調べた——という人は少なくありません。住信SBIネット銀行の法人口座で外貨を扱いたい、海外送金を受け取りたいときに、何を確認し、どの順に手続きすればよいのかを、実務の流れに沿って整理します。サービスの対応範囲や料金は変わることがあるため、最終確認は必ず公式サイトで行ってください。
この記事の結論
- 住信SBIネット銀行の法人口座で外貨を扱えるかは、まず法人向けサービスの「外貨預金」「海外送金」の対応可否と対応通貨を公式サイトで確認するところから始めます。
- 海外送金を受け取るには、送金人に対して銀行名・SWIFTコード・支店名・口座番号・口座名義(英字)・銀行住所をまとめて英字で伝えるのが基本です。
- 着金しない場合は「送金人側の控え(MT103など)→中継銀行での滞留→口座情報の誤り」の順に確認すると、原因を切り分けやすくなります。
住信SBIネット銀行の法人口座で外貨は扱える?まず確認する3点
最初に押さえたいのは、個人向けサービスと法人向けサービスでは、対応している機能が異なる場合があるという点です。個人口座では外貨預金や海外送金が使えても、法人口座では取り扱い範囲や手続き方法が違うことがあります。「使えるはず」と思い込まず、法人向けページの記載を自分の目で確認してください。
確認すべきは次の3点です。第一に、法人口座で外貨預金口座を開設できるか、対応通貨は何か。第二に、海外からの入金(被仕向送金)を受け取れるか。第三に、海外への送金(仕向送金)ができるか。受取と送金は別の機能として案内されていることがあり、片方だけ対応というケースもあります。
手数料や為替スプレッドは変動しますし、キャンペーンや条件によっても変わります。本記事では金額には触れません。最新の料金体系は住信SBIネット銀行の公式サイトおよび法人口座の利用規定でご確認ください。不明点は法人向けの問い合わせ窓口に、自社の取引内容(通貨・想定金額・頻度・取引相手の国)を伝えて聞くのが早道です。
外貨預金と円貨受取、どちらを選ぶ?判断の順番
海外から外貨で送金を受ける場合、大きく二つのパターンがあります。ひとつは外貨のまま外貨預金口座で受け取る方法、もうひとつは着金時に円貨に換えて円口座で受け取る方法です。どちらが自社に合うかは、受け取った外貨をその後どう使うかで決まります。
判断の順番はシンプルです。まず「受け取った外貨で支払う予定があるか」を見ます。海外のクラウドサービス利用料や外注費を同じ通貨で支払う予定があるなら、外貨のまま保有して両替回数を減らす選択に合理性があります。次に「為替変動を抱えられるか」を見ます。売上のほとんどが外貨で、円での固定費支払いが先に来る小さな会社であれば、着金のつど円に換えて資金繰りを読みやすくする考え方もあります。
最後に「経理の手間」を見ます。外貨預金を持つと、期末の換算や為替差損益の処理が発生します。取引が年に数件なら円貨受取に寄せ、月次で継続的に外貨が入るなら外貨口座を持って一括管理する、という切り分けが現実的です。会計処理の方針は顧問税理士と事前にすり合わせておくと、後戻りが減ります。
ドコモSMTBネット銀行(旧・住信SBIネット銀行)の手数料
ドコモSMTBネット銀行(旧・住信SBIネット銀行)の手数料は次のとおりです。改定されることがあるため、申し込み前に公式サイトで最新の内容をご確認ください。
| 項目 | 内容 | 備考 |
|---|---|---|
| 口座維持手数料 | 月額基本料金0円 | — |
| 同行宛の振込手数料 | 0円 | — |
| 他行宛の振込手数料 | 振込金額にかかわらず145円(税込) | — |
| 振込優遇プログラム適用時 | 振込件数に応じて最安130円(税込) | 適用条件は公式の専用ページで要確認 |
海外送金を受け取る手順|いつ・何を用意して・誰に渡すか
受け取りの準備は、請求書を出すタイミングで始めます。送金人(海外の取引先)に渡す情報を、英字で一枚のテキストにまとめておきましょう。必要になるのは、受取銀行名(英字)、SWIFT/BICコード、支店名または支店コード、口座番号、口座名義(法人名の英字表記)、銀行の所在地住所、そして受取人である自社の住所です。国や銀行によってはIBANやABAナンバー相当の情報を求められますが、日本の口座宛ではSWIFTコードと口座番号の組み合わせが基本になります。
次に、その情報が正しいかを銀行の案内ページで照合します。SWIFTコードや支店名の英字表記は、ネットで拾った情報ではなく、住信SBIネット銀行の公式サイトに掲載されている「海外からの送金を受け取る場合」の案内に従ってください。口座名義の英字表記は、送金人が入力する文字列と一致していることが重要です。表記ゆれ(KABUSHIKI KAISHA と CO., LTD. の違いなど)で照合に時間がかかることがあります。
送金を依頼したら、送金人に「送金控え」を必ずもらってください。国際送金の電文番号(MT103の写しなど)があると、行方の追跡が格段に楽になります。あわせて、送金目的と金額、送金日を控えておきます。着金までの日数は経由する銀行や通貨によって幅があるため、請求時に「着金まで数営業日かかる可能性がある」と相手に伝えておくと、支払期日をめぐるすれ違いを防げます。
着金しない・金額が減っている——確認する順番
予定日を過ぎても入金が見えないときは、あわてて銀行に電話する前に順番に切り分けます。第一に、送金人側に送金控えを依頼し、実際に送金が実行されているかを確認します。「送るつもり」で止まっていることは珍しくありません。第二に、控えに記載された受取口座情報を、自社が渡した情報と一文字ずつ照合します。名義の英字や支店情報のずれは、よくある滞留原因です。
第三に、中継銀行(コルレス銀行)での滞留を疑います。国際送金は複数の銀行を経由することがあり、途中でコンプライアンス確認が入ると数日止まることがあります。この段階では、送金人から送金銀行に照会をかけてもらうのが通常のルートです。受取側から追跡できる範囲は限られるため、送金人の協力が欠かせません。
金額が請求額より少ない場合は、経由した銀行での手数料が差し引かれている可能性があります。国際送金では、手数料の負担者を送金人・受取人・折半のいずれにするかを指定する仕組みがあり、指定内容によって着金額が変わります。継続取引になるなら、契約書や請求書に「銀行手数料は送金人負担」といった条件を明記しておくと、毎回の差額調整を減らせます。また、資金の出所や取引内容について銀行から確認を受けることがあります。契約書や請求書をすぐ提示できるよう手元に揃えておいてください。
外貨を受け取ったあとの経理|為替差損益とインボイスの考え方
外貨建ての売上は、原則として取引発生時の為替レートで円換算して記帳します。実際に入金された日のレートとの差額は、為替差損益として処理されるのが一般的です。外貨預金に残したままにすれば、期末時点での換算も論点になります。どのレートを使うか、社内でルールを固めて毎期同じ方法を続けることが大切です。処理方法は会社の状況によって異なるため、税理士にご確認ください。
海外の事業者への役務提供は、消費税の取り扱いが国内取引と異なる扱いになることがあります。輸出取引や国外取引に該当するかどうかで処理が変わるため、契約内容と提供場所を整理したうえで判断が必要です。インボイス制度との関係も含め、自己判断で処理する前に専門家に相談してください。
保存面では、送金控えや取引明細、契約書を取引ごとに紐づけて残しておくと後の確認が楽になります。ネット銀行の明細はデータで取得できるため、会計ソフトと連携して自動で取り込む運用にしておくと、月次の締めが軽くなります。電子データで受け取った書類の保存要件については、電子帳簿保存法に関する国税庁の資料を確認のうえ、社内の保存方法を決めてください。
複数の手段を比べるときの選び方
海外との資金のやりとりは、銀行の海外送金サービスのほかに、送金に特化した事業者のサービスを併用する会社もあります。比較する軸は、対応通貨、着金までの日数、必要書類の量、そしてコストです。コストは表示される手数料だけでなく、適用される為替レートの差も含めて見る必要があります。金額は変動するため、各社の公式サイトで最新の条件を確認してください。
選ぶ順番としては、まず「その通貨・その相手国に対応しているか」で候補を絞り、次に「自社の取引頻度と金額に対して手続きの手間が見合うか」を見ます。年に数回の受取なら、既に使っているメイン銀行で完結させたほうが管理は楽です。毎月継続して外貨が入るなら、外貨口座を持って両替タイミングを自社で選べる形にする価値が出てきます。
どの手段を使う場合でも、口座は取引記録が残る形で会社名義に統一し、代表者個人の口座で受け取らないようにしてください。法人と個人の資金が混ざると、後の説明が難しくなります。取引の規模が大きくなってきたら、為替の管理方針や契約条件について、顧問税理士や、契約内容にかかわる部分は弁護士に相談しておくと安心です。
よくある質問
住信SBIネット銀行の法人口座で、海外送金を受け取ることはできますか?
法人向けサービスの対応範囲は、個人向けと異なる場合があります。受取(被仕向送金)に対応しているか、対応通貨は何かを、住信SBIネット銀行の公式サイトの法人向けページで確認してください。判断がつかない場合は、取引通貨と想定金額を伝えて法人窓口に問い合わせるのが確実です。
海外の取引先に伝える口座情報には何が必要ですか?
一般的には、銀行名(英字)、SWIFT/BICコード、支店名、口座番号、法人名の英字表記、銀行住所、受取人住所が必要です。相手国によってはIBANなど追加情報を求められることもあります。表記は公式サイトの案内にそろえ、一枚のテキストにまとめて渡すと入力ミスを防げます。
外貨のまま持つのと、円に換えて受け取るのはどちらがよいですか?
受け取った外貨で支払う予定があるなら外貨のまま保有する選択に合理性があり、円での支出が中心なら着金時に円貨で受け取るほうが資金繰りを読みやすくなります。外貨預金を持つと期末換算や為替差損益の処理が発生するため、経理の手間も含めて判断してください。方針は税理士と事前にすり合わせておくと安心です。
請求額より少ない金額しか入金されませんでした。なぜですか?
国際送金では経由する銀行で手数料が差し引かれることがあり、手数料の負担者の指定によって着金額が変わります。まず送金人から送金控えを取り寄せ、差額の内訳を確認してください。継続取引なら、請求書や契約書に手数料の負担条件を明記しておくと、毎回の調整が減らせます。