SMBCクラウドサインと通常のクラウドサインの違い|選び方の目安
電子契約を調べていると「クラウドサイン」と「SMBCクラウドサイン」の2つが出てきて、どちらを申し込めばいいのか迷う方は少なくありません。名前が似ていて画面のイメージも近いため、違いが分かりにくいのが実情です。この記事では、両者の関係、比べるべきポイント、そして「自社ならどちらを検討するか」を決めるための順番を整理します。最新の料金やプラン内容は変わりますので、最終判断は必ず各社の公式サイトで確認してください。
この記事の結論
- SMBCクラウドサインは三井住友フィナンシャルグループと弁護士ドットコム(クラウドサイン)が共同で立ち上げた会社が提供するサービスで、クラウドサインの仕組みをベースにしています。
- 契約の締結方法そのものは大きく変わらないため、選ぶ際は「申し込み窓口・サポート体制・プラン内容・既存の取引関係」を比較するのが現実的です。
- どちらも公式サイトで最新の料金や機能、対応している契約書の種類を確認したうえで、無料トライアルや問い合わせで自社の運用に合うかを試すのが安全な進め方です。
SMBCクラウドサインとクラウドサインはどういう関係か
クラウドサインは弁護士ドットコム株式会社が提供する電子契約サービスです。一方のSMBCクラウドサインは、三井住友フィナンシャルグループと弁護士ドットコムが共同で設立した会社が提供しているサービスで、クラウドサインの仕組みを土台にしています。まったく別系統の競合サービスというより、同じ基盤を別の会社が別の窓口で提供している、という理解が実態に近いです。
そのため、「電子ファイルにメールで同意をもらい、合意の記録を残す」という契約締結の基本的な流れは、どちらを使っても大きくは変わりません。相手方はアカウントを作らずにメールのリンクから同意できる、という使い勝手の部分も共通しています。
つまり、違いが出るのは締結の仕組みそのものではなく、契約の窓口、サポート、プラン構成、周辺サービスとのつながり方といった「運用まわり」です。ここを比べるつもりで情報を見ると、迷いが減ります。
何を比べればいいのか:見るべき4つの観点
1つめは申し込み窓口とサポートです。どちらも問い合わせ窓口や導入支援の形が用意されていますが、対応の進め方や相談できるチャネルは同じとは限りません。社内に電子契約の担当者を置けない小さな会社ほど、「困ったときに誰にどう聞けるか」は効いてきます。
2つめはプランと機能の組み合わせです。送信できる件数の考え方、利用できるアカウント数、権限設定、テンプレート機能、外部サービス連携など、プランによって使えるものが変わります。料金と機能はどちらも変更されうるので、必ず両方の公式サイトで最新の内容を並べて確認してください。
3つめは既存の取引関係です。メインバンクや決済まわりで三井住友フィナンシャルグループのサービスをすでに使っている会社は、案内や契約手続きがまとまって進めやすい場合があります。4つめは取引先の状況で、相手方がすでにどちらかを使っているなら、同系統のほうが説明の手間は減りやすいです。
クラウドサインの料金プラン
クラウドサインの料金は次のとおりです。改定されることがあるため、申し込み前に公式サイトで最新の内容をご確認ください。
| プラン | 月額 | 1件あたりの送信料 | ユーザー数 | 備考 |
|---|---|---|---|---|
| Free | 0円 | 無料(月2件まで) | 1名 | 月の送信2件が上限。書類管理機能に制限 |
| Light | 11,000円(税抜)/12,100円(税込) | 220円(税抜)/242円(税込) | 無制限 | AI契約書管理(インポート時)非対応、キャビネット機能なし |
| Corporate | 28,000円(税抜)/30,800円(税込) | 220円(税抜)/242円(税込) | 無制限 | 専任CSM非対応、一部の内部統制機能に制限 |
| Business / Enterprise | 記載なし(個別) | 記載なし(ボリュームディスカウントあり) | 記載なし | 料金は問い合わせ |
どちらを検討するか、この順で判断する
まず、いまメインで取引している金融機関を確認します。三井住友銀行を中心に取引していて、銀行の担当者から電子契約の案内を受けられる状況なら、SMBCクラウドサインを一次候補に置いて話を聞いてみる価値があります。相談先が1本にまとまるのは、担当者が兼務だらけの小さな会社では実務的なメリットです。
次に、社内の使い方を確認します。契約書の種類が多い、部署や担当者ごとに権限を分けたい、人事や販売管理のシステムと連携させたい、といった要望があるなら、必要機能がどのプランに含まれるかを両者で突き合わせます。ここで差が出なければ、あとはサポートと申し込みのしやすさで決めて問題ない、という整理になります。
最後に、取引先の状況です。相手方に電子契約を打診したときの説明しやすさ、押印廃止への納得感は運用に直結します。もし主要取引先がすでにクラウドサインで契約を受け取り慣れているなら、同じ系統を選ぶほうが立ち上がりは早い傾向があります。迷って決め切れない場合は、両方に問い合わせて同じ質問をぶつけ、回答の具体性で比べるのが確実な方法です。
導入前に確認しておきたい実務ポイント
電子契約は、締結して終わりではなく「保存」までが業務です。締結済みの契約書データをどこに、どのくらいの期間、どういう形で保存するのかを決めておきます。電子取引データの保存については電子帳簿保存法の考え方が関わるため、要件の詳細は国税庁の資料を確認し、判断に迷う部分は税理士にご確認ください。
次に、社内ルールです。誰が送信できるのか、金額や契約類型によって承認を挟むのか、押印との使い分けをどうするのかを、簡単な一枚の手順書にまとめておくと運用が安定します。ひとり社長の会社でも、将来人が増えたときのために最初に書いておくほうが手戻りが少なくて済みます。
また、すべての契約が電子で完結するとは限りません。書面での作成が求められる類型や、相手方の社内規程で電子契約を受け付けない場合もあります。契約類型ごとの可否については、弁護士に相談しながら自社の対応方針を決めておくと安心です。
乗り換えや併用はできるのか
すでにどちらかを使っていて、もう一方に切り替えたいという相談もあります。技術的な移行の可否や、過去に締結した契約データの扱いはサービスの条件によりますので、契約前に「解約したら過去データはどうなるか」「エクスポートできるか」を必ず問い合わせて確認してください。これは電子契約に限らず、バックオフィスのSaaSを選ぶときの共通のチェック項目です。
併用については、社内の混乱を招きやすいのであまりおすすめできる形ではありません。どちらに送ったか分からなくなる、保存先が二重になる、といった問題が起きます。特別な事情がなければ、社内で使うサービスは一本化したほうが管理は楽です。
なお、どちらを選んでも、相手方が自分でアカウントを用意する必要は基本的にありません。取引先への説明は「メールのリンクから内容を確認して同意していただく形です」と伝えられれば足りることが多く、この点は選択の決め手にはなりにくい部分です。
まとめ:迷ったら公式サイトと専門家に確認する
SMBCクラウドサインとクラウドサインは、同じ仕組みを別の会社が別の窓口で提供しているという関係にあります。締結の使い勝手で大きく差が出るというより、申し込み窓口、サポート、プラン内容、既存の取引関係で選び分けるのが現実的です。金融機関との取引がまとまるならSMBCクラウドサイン、機能やプランの選択肢を細かく比べたいならクラウドサイン、というのが最初の当たりの付け方になります。
料金やプランの内容は変更されることがありますので、比較表を自分で作るときも、数字は必ず各社の公式サイトで最新のものを確認してください。可能であれば、無料で試せる範囲で実際に1通送ってみると、社内の運用に合うかどうかが一番早く分かります。
電子契約の導入は、契約類型ごとの可否や社内規程の整備、締結データの保存方法まで含めて考える必要があります。契約の有効性や電子化してよい書類の範囲については弁護士に、保存方法や税務上の取り扱いについては税理士に、ご自身の状況を伝えたうえで相談されることをおすすめします。
よくある質問
SMBCクラウドサインとクラウドサインは、契約の効力に違いがありますか。
どちらも同じ仕組みを土台にした電子契約サービスで、締結の流れ自体は大きく変わりません。ただし個別の契約が有効に成立するかは契約の種類や内容によりますので、判断に迷うものは弁護士にご確認ください。
三井住友銀行と取引がなくてもSMBCクラウドサインは使えますか。
申し込み条件はサービス側が定めているため、取引の有無で利用可否が変わるかは公式サイトの案内や問い合わせで確認するのが確実です。気になる場合は、両方の窓口に同じ質問をして回答を比べてみてください。
取引先にアカウントを作ってもらう必要はありますか。
いずれの場合も、相手方はメールで届いたリンクから内容を確認して同意する形が基本で、アカウント登録を求められないことが一般的です。詳細な受信側の操作は、各社の公式サイトのガイドを取引先に案内すると説明が早く済みます。
締結した契約書はどう保存すればいいですか。
電子で締結した契約書は電子データのまま保存する考え方が基本となり、電子帳簿保存法の要件が関わります。要件の詳細は国税庁の資料を確認し、自社の保存方法が適切かどうかは税理士にご相談ください。