freeeサインとは|できることとメリット・セキュリティの考え方

・契約・電子署名・会社のはじめかた編集部(監修:田中 祐介)

「紙で契約書を2部つくって、製本して、収入印紙を貼って、郵送して、返送を待つ」。この一連の流れに心当たりがあるなら、電子契約サービスの検討どきかもしれません。freeeサインは、その契約のやりとりをブラウザ上で完結させるためのクラウドサービスです。この記事では、freeeサインで何ができるのか、導入するとどこが変わるのか、セキュリティはどう見ればよいのか、そしてどんな会社に向くのかを、判断できる形で整理します。

この記事の結論

  • freeeサインは、契約書の作成・送信・署名・保管までをブラウザ上で行えるクラウド型の電子契約サービスで、freeeの会計・人事労務サービスと同じアカウント体系で利用できる点が特徴です。
  • 導入で変わるのは主に「締結までの日数」「印刷・郵送・保管の手間」「契約書がどこにあるか分からない状態の解消」の3点で、電子契約では印紙税の取り扱いが紙と異なる場合があるため、判断は税理士や所轄税務署にご確認ください。
  • セキュリティは「通信と保管の暗号化」「アクセス権限と操作ログ」「電子署名・タイムスタンプの方式」「第三者認証の取得状況」の4点を公式サイトで確認し、自社の契約の重さに合うかで選ぶのが現実的です。

freeeサインとは?どんなサービスかを一言で

freeeサインは、契約書のやりとりをオンラインで完結させるための電子契約サービスです。Wordなどで作った契約書をアップロードするか、サービス上のテンプレートから文書を作り、相手のメールアドレス宛に送信すると、相手はブラウザ上で内容を確認して署名(同意)できます。締結が終わった契約書は、そのままクラウド上に保管され、あとから検索して取り出せます。

もともとは別名で提供されていたサービスがfreeeグループに加わり、現在のfreeeサインという名称になった経緯があります。そのため、freeeの会計や人事労務をすでに使っている会社にとっては、アカウントまわりの管理がまとめやすいという性格を持っています。

「電子契約サービス」と聞くと大企業向けに感じるかもしれませんが、実際に効果が出やすいのは、契約書のやりとりが月に数件〜数十件あり、そのたびに社長や担当者が印刷と郵送に時間を取られている小さな会社です。件数の多さよりも、「毎回同じ作業が発生している」ことが導入の判断材料になります。

freeeサインでできること:契約書の作成から保管まで

できることは大きく4つに分けて考えると整理しやすくなります。1つ目が文書の作成です。よく使う契約書をテンプレートとして登録しておき、相手先名や金額などの差し込み項目だけ入れ替えて発行する、という使い方ができます。業務委託契約や秘密保持契約のように、書式がほぼ固定されている契約ほど効果が出ます。

2つ目が送信と締結です。相手のメールアドレスを指定して送ると、相手はアカウント登録なしでも署名できる方式に対応しているのが一般的です(対応範囲は公式サイトの最新情報をご確認ください)。3つ目が社内承認のワークフローで、担当者が作った契約書を上長が確認してから送る、という流れをサービス上で回せます。ひとり社長の会社では使わない機能ですが、人が増えたときに効いてきます。

4つ目が保管と検索です。締結済みの契約書が一覧になり、取引先名や契約期間で探せます。さらに、契約の更新日や終了日を登録しておき、期限が近づいたら通知を受け取るといった管理も想定されています。「自動更新の契約を止めそびれた」を防ぐという意味では、締結そのものより保管機能のほうが価値が大きいこともあります。

freeeサインの料金プラン

freeeサインの料金は次のとおりです。改定されることがあるため、申し込み前に公式サイトで最新の内容をご確認ください。

プラン月額1件あたりの送信料ユーザー数備考
無料0円(税抜)電子サイン無料枠 1通/月3名送信・締結とタイムスタンプのみ
Starter年払い 5,980円/月(年額71,760円)、月払い 7,180円/月(税抜)電子サイン100円/SMS100円/電子署名200円(税抜)。無料枠50通/月無制限フォルダ管理、テンプレート、API/Webhook
Standard年払い 29,800円/月(年額357,600円)、月払い 35,760円/月(税抜)同上。無料枠100通/月無制限契約チェック機能、Wordテンプレート、グループ管理
Advance / Enterprise記載なし(問い合わせ)無料枠1,000通/月〜記載なしIP制限、SSO、ワークフロー、権限管理
出典:freeeサイン 公式料金ページ(https://www.freee.co.jp/sign/pricing/)・2026-09-21確認

freeeサインのメリットは?紙の契約と比べて何が変わるか

まず変わるのが時間です。紙の契約では、印刷・製本・押印・郵送・返送待ちで1〜2週間かかることも珍しくありませんが、電子契約ではメールを送った日のうちに締結まで進むことがあります。取引開始が遅れて売上計上が翌月にずれる、といった事態を減らせるのは、資金繰りの読みやすさにもつながります。

次に手間とコストです。印刷代、郵送費、保管用のファイルや棚、そして探す時間がなくなります。あわせてよく挙がるのが収入印紙の話ですが、電子的に締結した契約書の印紙税の扱いは紙の文書と同じとは限らず、契約の種類や締結方法によって判断が分かれることがあります。自社のケースについては税理士か所轄税務署にご確認ください。

3つ目が、freeeの他サービスとあわせて使ったときの一体感です。会計や人事労務と同じ運営元のサービスであるため、アカウントや権限の管理を揃えやすく、バックオフィスのツールを増やしすぎたくない会社には検討しやすい選択肢になります。ただし他社サービスにも同様の強みがあるものはあるため、「freeeを使っているから」だけで決めず、次のセクションの比較軸も見てください。

セキュリティはどう見ればいい?確認すべき4つの視点

電子契約サービスのセキュリティは、感覚ではなく項目で確認します。1つ目は通信と保管の暗号化、2つ目はアクセス権限と操作ログ(誰がいつ何を見たか・送ったかが残るか)、3つ目は電子署名とタイムスタンプの方式、4つ目は第三者認証や外部監査の取得状況です。これらはいずれも各社の公式サイトやセキュリティページに記載されていますので、導入前に目を通しておくことをおすすめします。

3つ目の署名方式は、少し説明が要ります。電子契約には、サービス事業者名義の電子署名を用いる方式(立会人型・事業者署名型と呼ばれます)と、契約当事者自身の電子証明書を使う方式(当事者型)があります。前者は相手方の準備負担が軽く、後者は本人性の証明がより厚いとされます。どちらが適切かは契約の重要度によって変わり、法的な有効性の評価は個別事情によりますので、重要な契約については弁護士にご確認ください。

そのうえで、実務で事故が起きやすいのは技術面より運用面です。退職者のアカウントを止め忘れる、全員に管理者権限を渡してしまう、送信先メールアドレスを打ち間違える。この3つを防ぐルールを最初に決めておくほうが、機能の細かい比較より効果があります。

導入の進め方:いつ、何を用意して、どこから始めるか

最初にやることは、今ある契約書の棚卸しです。直近1年でやりとりした契約書を種類ごとに数え、「毎回ほぼ同じ書式か」「相手は法人か個人か」「相手が電子契約に応じそうか」をメモします。この時点で、業務委託契約や秘密保持契約のような定型の書類が上位に来るはずです。そこが最初の適用範囲になります。

次に、サービスの無料で試せる範囲を使って、社内の1件を電子で回してみます。いきなり取引先に送らず、自社の代表と担当者の間でテスト送信するのが安全です。ここで、承認の流れ、署名画面の見え方、保管後の検索のしやすさを確認します。料金体系や利用できる機能の範囲は変わることがあるため、契約前にfreeeの公式サイトで最新の内容をご確認ください。

本番に移す前に、利用規約とプライバシーポリシーにも目を通しておきます。契約書という重要な情報を預ける以上、データの保管場所、サービス終了時のデータの取り扱い、サポートの範囲は確認しておきたいところです。あわせて、社内では「どの契約は電子でよいか」「誰が送信できるか」「紙で残す必要がある契約はどれか」を一枚のルールにまとめておくと、後から入る人にも引き継げます。

相手先への案内も忘れずに。初回は「今回から電子契約でお送りします。メールのリンクから画面上でご署名いただけます」と一言添えるだけで、問い合わせがかなり減ります。相手が紙を希望する場合に紙で対応する運用も、当面は残しておくのが現実的です。

どんな会社に向く?選び方の判断順

迷ったら、この順に見てください。第一に、すでにfreeeの会計や人事労務を使っていて、バックオフィスのアカウント管理をまとめたいか。当てはまるなら、freeeサインは有力な検討候補になります。第二に、契約書の書式が定型で、テンプレート化の効果が大きいか。第三に、取引先が電子契約に応じやすい層か(IT系や都市部の法人は比較的スムーズ、慣習として紙を重んじる業界では段階導入が現実的です)。

逆に、契約のほとんどが官公庁向けや、相手方が紙の原本を求める業界中心である場合は、電子化の効果が出にくいことがあります。その場合でも、締結は紙のまま、スキャンした契約書の保管と期限管理だけを電子化する、という部分導入から始める手はあります。

電子的に受け取った契約書や取引書類の保存については、電子帳簿保存法の考え方が関係してきます。保存方法の要件は改正されることがあり、詳細は国税庁の資料や所管官庁の案内をご確認のうえ、自社の処理が要件を満たすかは顧問の税理士に相談すると安心です。契約条項そのものの有効性や、電子化に伴う社内規程の整備については、弁護士や司法書士に相談するとよいでしょう。

よくある質問

freeeサインは無料で使えますか?

提供形態や無料で試せる範囲は変更されることがあるため、この記事では金額や条件を記載していません。最新の料金と機能の範囲は、freeeの公式サイトでご確認ください。まずは試用の範囲で社内テストを行い、自社の契約件数に見合うかを判断するのが現実的です。

電子契約にすると収入印紙は不要になりますか?

電子的に締結した契約書の印紙税の取り扱いは、紙の文書とは異なる整理がされる場合があります。ただし契約の種類や締結の方法によって判断が分かれることがあるため、自社のケースについては税理士または所轄税務署にご確認ください。

取引先がfreeeサインを使っていなくても契約できますか?

電子契約サービスでは一般に、送信されたメールのリンクから相手方が画面上で署名できる方式が用意されています。相手方のアカウント登録が必要かどうかは方式や設定によって異なるため、導入前にテスト送信で確認しておくと安心です。

利用規約で特に確認しておくべき点はありますか?

契約書という重要データを預けるため、データの保管や取り扱い、サービス終了・解約時のデータの扱い、サポートの範囲、責任の範囲あたりは目を通しておきたい項目です。自社の情報管理規程と照らして判断に迷う場合は、弁護士に確認することをおすすめします。

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この記事は一般的な情報をまとめたものです。税務・法務・労務の個別の判断については、税理士・弁護士・社会保険労務士などの専門家にご相談ください。 料金や条件は変わることがあるため、お申し込み前に必ず各サービスの公式サイトで最新の内容をご確認ください。