ドキュサインのワークフローと権限管理|承認フローとユーザー追加の設定

・契約・電子署名・会社のはじめかた編集部(監修:田中 祐介)

電子契約を入れたあとに必ずぶつかるのが、「社内の誰がどの順番で確認して、誰が送信ボタンを押すのか」という問題です。DocuSign(ドキュサイン)には、受信者の役割と順序を指定して回覧・承認の流れをつくる機能と、ユーザーごとに操作範囲を決める権限の仕組みがあります。この記事では、社内承認フローの組み方、ユーザー追加と権限管理、封筒の共有アクセスまでを、設定する順番に沿って整理します。

この記事の結論

  • DocuSignの承認フローは、封筒に受信者を追加する際に「署名者」「承認者」「写し(CC)」などの役割と、ルーティング順序(順番)を指定することで組み立てます。
  • 社内の承認だけを先に通したい場合は、承認者を先の順序に置き、その承認が完了してから相手方の署名者にメールが届くように順序番号を分けて設定します。
  • ユーザー追加は管理者が管理画面から行い、送信・テンプレート編集・管理者機能などの操作範囲は権限セット(権限プロファイル)とグループで管理するのが基本です。

ドキュサインのワークフローとは何か|受信者の役割と順序で決まる

DocuSignで言う「ワークフロー」は、専用の別画面で作るフローチャートではなく、封筒(送信する文書のひとまとまり)に受信者をどう並べるかで表現されるのが基本です。受信者を追加するとき、その人が「署名する人」なのか「内容を確認して承認する人」なのか「写しを受け取るだけの人」なのかを役割として選びます。さらに、それぞれに順序(ルーティング順)の番号を振ることで、誰から誰へメールが回るかが決まります。

同じ順序番号を付けた受信者には同時にメールが届き、異なる番号を付けると前の番号の人の作業が終わってから次の人へ進みます。つまり「上司2人は同時に確認、そのあと社長、最後に相手方」といった流れは、番号の振り方だけで表現できます。ここを理解しておくと、社内回覧と対外署名を1つの封筒で完結させられます。

役割の名称や選べる種類、利用できる機能の範囲は契約内容や設定によって異なります。自社の画面に表示される選択肢がこの記事の説明と一致しない場合は、DocuSignの公式ヘルプや管理画面の表示を確認してください。

ドキュサインの承認フローの作り方|承認ボタンで社内回覧を先に通す

社内承認を先に通してから相手方に送りたい場合は、まず封筒に上げる文書を1つにまとめ、受信者を「社内の承認者」→「相手方の署名者」→「経理などの写し」の順に並べます。承認の役割で追加された人には、署名欄ではなく承認(同意)を示すボタンが表示され、押すと次の順序の人へ処理が進みます。差し戻したい場合は、受信者側の操作で送信者に戻す動きになるため、社内ルールとして「差し戻し理由はコメント欄に書く」と決めておくと後追いが楽になります。

承認者を置く位置は、何を守りたいかで決めます。金額や条項のチェックを社内で終えてから外に出したいなら承認者を先に。逆に、相手方の署名が入った最終版を社内で確認・記録したいだけなら、承認者や写しを最後に置きます。両方必要な契約(たとえば一定金額を超える取引)は、前後に置いて挟む形にすると抜けにくくなります。

毎回同じ流れになる契約は、テンプレートとして保存しておくのが効率的です。テンプレートには受信者の役割・順序・署名欄の位置まで保存できるため、担当者は宛先の名前とメールアドレスを入れるだけで送信できます。NDAや業務委託契約など、書式が固まっているものから順にテンプレート化していくとよいでしょう。

Docusign(ドキュサイン)の料金プラン

Docusign(ドキュサイン)の料金は次のとおりです。改定されることがあるため、申し込み前に公式サイトで最新の内容をご確認ください。

プラン月額1件あたりの送信料ユーザー数備考
Personal1,333円/月(年間一括 16,000円/年)月5通まで1ユーザー別途税金が発生する場合あり
Standard3,300円/月・ユーザー(年間一括 39,600円/年)年間100通/ユーザー最大50ユーザー共同編集、ブランド設定
Business Pro5,300円/月・ユーザー(年間一括 63,600円/年)年間100通/ユーザー最大50ユーザーWebフォーム、支払い回収、一括送信
拡張プラン記載なしカスタム51ユーザー以上組織管理、24時間サポート
出典:Docusign(ドキュサイン) 公式料金ページ(https://ecom.docusign.com/ja-JP/plans-and-pricing/esignature)・2026-09-21確認

ドキュサインのユーザー追加とユーザー数の考え方

ユーザー追加は、管理権限を持つ人が管理(Admin)画面のユーザー一覧から行います。用意するのは、追加する人の氏名と会社のメールアドレス、そして所属させるグループと権限の方針です。追加すると本人に招待メールが届き、パスワード設定などを済ませてから利用開始という流れになります。

ユーザー数は「送信する人の数」で考えるのが出発点です。署名する相手や社内の署名者、写しを受け取るだけの人はユーザー登録が不要なケースが多く、封筒を作って送る人だけをユーザーにすれば足りることがあります。一方で、自分名義で送信したい人、テンプレートを編集したい人、封筒の一覧を自分で検索したい人は、ユーザーとして追加しておく必要があります。

追加できるユーザー数や利用できる機能は契約内容によって変わります。人数を増やすときの取り扱いや費用は各社・公式サイトの最新情報を確認してください。なお、退職者のアカウントを放置すると誰が送った封筒か分からなくなるため、入退社のたびに見直す運用をあらかじめ決めておくことをおすすめします。

ドキュサインの権限管理|権限セットとグループで操作範囲を分ける

DocuSignの権限は、ユーザー1人ずつに細かく設定するのではなく、権限セット(権限プロファイル)という「まとまり」を作り、それをユーザーに割り当てる形で管理します。たとえば「送信はできるがテンプレートは編集できない」「管理画面に入れる」「封筒の削除はできない」といった区分を作っておき、役割に応じて当てはめます。人が増えても、既存の権限セットに割り当てるだけで済むのが利点です。

あわせて使うのがグループです。部署や拠点でグループを分けておくと、テンプレートの共有範囲をグループ単位で指定でき、「人事のテンプレートは人事グループだけが使える」といった切り分けができます。最初は「管理者」「送信担当」「閲覧のみ」の3区分程度から始め、運用が固まってから細かくするのが現実的です。

権限設計で迷ったら、次の順に決めると整理しやすくなります。まず管理者を誰にするか(最低2人にして、1人が不在でも詰まらないようにします)。次に自社名義で送信できる人を絞るか(金額の大きい契約は上長のみにするなど)。最後にテンプレートを編集できる人を限定するか、です。この3点が決まれば、あとは既存の権限セットへの割り当て作業になります。

共有アクセスと回覧の使い分け|送った封筒を他の人が見られるようにする

共有アクセスは、あるユーザーの封筒(送信済み・下書きなど)を、別のユーザーが見たり操作したりできるようにする設定です。担当者が休んでいる間に進捗を確認したい、退職者が送った契約の状況を引き継ぎたい、という場面で使います。管理画面で「誰の封筒を、誰に、どこまで(閲覧のみか操作まで)」を指定するのが基本の流れです。

一方で、契約の内容を社内の関係者に見せたいだけなら、共有アクセスではなく封筒の受信者に「写し(CC)」として加える方が簡単です。写しの人は署名や承認の操作をせず、完了した文書を受け取れます。「作業をしてほしい人は承認者、知っておいてほしい人は写し、他人の封筒を管理する必要がある人は共有アクセス」と覚えておくと選び分けに迷いません。

小さな会社では、送信者が1人に集中しがちです。その人のアカウントに封筒が溜まると、退職や交代のときに履歴を追いにくくなります。契約書は完了後に自社の保管フォルダへ保存する、または共有アクセスを設定しておく、といった二重の備えを最初に決めておくと安心です。

最初に決めておきたい運用ルールと、専門家に確認したいこと

設定より先に決めるべきは、社内ルールです。具体的には、どの契約をどの順で誰が承認するか(金額や契約種別で線を引く)、誰が送信者になるか、完了した文書をどこに保管するか、の3点です。この3点が曖昧なままフローだけ作ると、結局メールでの根回しに戻ってしまいます。

電子契約で締結した書類の保存方法は、電子帳簿保存法などの制度の考え方に沿って整える必要があります。保存の要件や対象範囲は所管官庁の資料で最新の内容を確認し、自社の保存方法が要件を満たすかどうかは早めに確認しておきましょう。契約の有効性や、電子署名で対応しにくい書類があるかどうかも、扱う契約の種類によって判断が分かれることがあります。

契約書の内容そのものや、電子契約で進めてよいかの判断に不安がある場合は弁護士に、保存方法や税務書類との関係については税理士に相談するのが近道です。登記や商業登記に関わる書類の扱いは司法書士に確認するとよいでしょう。設定は後から変えられますが、締結済みの契約はやり直しが難しいため、判断に迷う論点は先に専門家へ確認することをおすすめします。

よくある質問

ドキュサインで社内承認を先に通してから取引先に送れますか。

受信者の順序番号を分け、社内の承認者を先の番号、取引先の署名者を後の番号に設定すると、社内承認が完了してから取引先にメールが届く流れになります。承認の役割で追加された人には、署名ではなく承認を示すボタンが表示されます。利用できる役割の種類は契約内容や設定により異なるため、管理画面の表示を確認してください。

署名する相手や社内の閲覧者もユーザー追加が必要ですか。

署名する相手や、写し(CC)で完了文書を受け取るだけの人は、ユーザー登録が不要なケースが多いです。自分名義で封筒を送信したい人、テンプレートを編集したい人、封筒を検索・管理したい人はユーザーとして追加する必要があります。追加できる人数や機能の範囲は契約内容によって変わるので、公式サイトの最新情報をご確認ください。

共有アクセスと写し(CC)はどう使い分けますか。

完了した契約書を関係者に届けたいだけなら写しで足りることが多く、他のユーザーが送った封筒の進捗を確認・操作する必要があるときは共有アクセスを設定します。担当者の休暇や引き継ぎに備えるなら、共有アクセスを先に用意しておくと業務が止まりにくくなります。

電子契約で締結した契約書は、どのように保存すればよいですか。

電子で受け取った契約書は電子データのまま保存する考え方が基本とされており、電子帳簿保存法などの制度に沿った整理が必要になります。要件の詳細や対象範囲は所管官庁の資料で最新のものを確認し、自社の保存方法が要件を満たすかは税理士にご確認ください。サービス内の保管に加えて、自社側の保管ルールも決めておくと安心です。

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この記事は一般的な情報をまとめたものです。税務・法務・労務の個別の判断については、税理士・弁護士・社会保険労務士などの専門家にご相談ください。 料金や条件は変わることがあるため、お申し込み前に必ず各サービスの公式サイトで最新の内容をご確認ください。