クラウドサインとは|仕組みとできることをわかりやすく整理

・契約・電子署名・会社のはじめかた編集部(監修:田中 祐介)

「取引先からクラウドサインで契約書が届いたけれど、これは何だろう」「自社でも紙の契約をやめたいが、どんな仕組みなのか分からない」。そんな段階の方に向けて、クラウドサインとはどんなサービスで、何ができて、導入時に何を決めておく必要があるのかを順番に整理します。料金やプランの詳細は変わるため、最終的な数字は公式サイトでご確認ください。

この記事の結論

  • クラウドサインとは、契約書をインターネット上で送信・確認・締結できる電子契約サービスで、紙の印刷・押印・郵送をせずに契約を完了できます。
  • 相手方は原則としてアカウント登録をせず、届いたメールのリンクから内容を確認して同意(合意)する形で締結でき、締結後のファイルはクラウド上に保管されます。
  • 導入時は「どの契約書から電子化するか」「誰が送信権限を持つか」「締結後の書類をどう保存・検索するか」の3点を先に決めると、運用が崩れにくくなります。

クラウドサインとは何か:紙の契約をオンラインで完結させるサービス

クラウドサインとは、弁護士ドットコム株式会社が提供している電子契約サービスです。これまで紙に印刷して押印し、郵送して返送してもらっていた契約手続きを、ブラウザ上のやり取りだけで完結させることを目的としています。契約書のPDFをアップロードし、相手のメールアドレス宛に送信し、相手が内容を確認して同意すると締結が完了する、という流れが基本です。

「電子契約サービス」と呼ばれるジャンルには他社のサービスもいくつもあり、クラウドサインはその中でも国内で広く名前を知られているもののひとつです。取引先から送られてきて初めて名前を知った、というケースも少なくありません。まずは「紙とハンコの代わりに、メールとクリックで契約を成立させる仕組み」と捉えておけば大きくは外れません。

なお、電子契約は紙の契約を置き換えるものであって、契約そのものの内容や責任が軽くなるわけではありません。押す前に読む、という基本は紙のときと変わらない点は押さえておきたいところです。

クラウドサインの仕組み:メール送信から締結までの流れ

仕組みを送信者側から見ると、まず契約書のPDFを用意してアップロードし、相手方の氏名とメールアドレスを入力します。次に、書類のどこに相手のサイン欄や入力欄を置くかを指定し、内容を確認して送信します。送信されると相手にメールが届き、そのメールに記載されたリンクから書類を開く形になります。

受信者側は、原則としてアカウント作成をしなくても内容を確認できます。書類を読み、問題がなければ同意のボタンを押すことで締結となり、双方に締結完了の通知とPDFが届きます。修正が必要な場合は、その場で書き換えるのではなく、いったん差し戻して送信者が新しい版を送り直す運用が一般的です。

締結された書類には、誰がいつ同意したかという記録が残り、後から内容が書き換えられていないことを確認できるような処理が行われます。この「本人の合意の記録」と「改ざんされていないことの確認」が、電子契約の信頼性を支える中心的な考え方です。技術的な要件や法的な位置づけの詳細は、サービスの公式資料や所管官庁の説明を確認してください。

クラウドサインの料金プラン

クラウドサインの料金は次のとおりです。改定されることがあるため、申し込み前に公式サイトで最新の内容をご確認ください。

プラン月額1件あたりの送信料ユーザー数備考
Free0円無料(月2件まで)1名月の送信2件が上限。書類管理機能に制限
Light11,000円(税抜)/12,100円(税込)220円(税抜)/242円(税込)無制限AI契約書管理(インポート時)非対応、キャビネット機能なし
Corporate28,000円(税抜)/30,800円(税込)220円(税抜)/242円(税込)無制限専任CSM非対応、一部の内部統制機能に制限
Business / Enterprise記載なし(個別)記載なし(ボリュームディスカウントあり)記載なし料金は問い合わせ
出典:クラウドサイン 公式料金ページ(https://www.cloudsign.jp/price)・2026-09-21確認

クラウドサインで何ができる?主な機能を用途別に整理

できることは大きく3つに分かれます。1つ目は締結です。業務委託契約書、秘密保持契約書、注文書・請書、雇用契約書など、当事者の合意で成立する書類を送信して締結できます。2つ目は管理です。締結済みの書類がクラウド上に一覧で残るため、どの取引先と何を結んだかを後から探しやすくなります。

3つ目は運用の補助です。よく使う契約書をひな形として登録しておく、社内の承認者を経由してから送信する、期限が近い契約を把握する、といった機能が用意されています。複数人が関わる契約では、社内の誰が確認済みかを画面上で追えることが、紙より扱いやすい点になります。

一方で、すべての書類が電子で完結できるわけではありません。書面での交付や作成が求められる手続き、相手方が紙でないと受け付けない場合などがあります。自社が扱う書類のうちどれを電子化できるかは、契約類型ごとに確認が必要で、判断に迷う書類は弁護士や司法書士に相談すると安心です。

紙の契約と何が違う?導入を検討するときの比較軸

まず時間です。紙は印刷・製本・押印・郵送・返送というステップがあり、完了まで数日かかることが珍しくありません。電子契約はメール送信後、相手が開いて同意すればその日のうちに完了することもあります。取引開始が契約締結待ちになりがちな会社ほど、この差は大きく効いてきます。

次にコストの考え方です。紙では郵送費や印刷費が発生し、契約書の種類によっては収入印紙が必要になります。電子契約ではこれらの扱いが紙と異なる場合がありますが、課税文書の判断は書類の内容によって変わるため、断定せずに税理士や税務署に確認してください。サービス自体の利用料は各社の公式サイトで最新の料金をご確認ください。

3つ目は保管です。紙はファイリングと保管場所が必要で、探すのにも時間がかかります。電子ならクラウド上で検索できますが、電子取引で受け渡しした書類の保存方法には法令上のルールがあり、電子帳簿保存法の考え方を踏まえた運用が求められます。要件の詳細は国税庁の資料を確認するか、顧問税理士に相談するのが確実です。

クラウドサインの導入手順:何から始めればいいか

導入は次の順に進めると迷いません。第1に、電子化する書類を決めます。いきなり全契約を切り替えるのではなく、業務委託契約書や秘密保持契約書など、社内で定型化しやすく件数の多いものから始めるとスムーズです。第2に、社内ルールを決めます。誰が送信できるか、送信前に誰の承認を取るか、宛先メールアドレスをどう確認するかを文書にしておきます。

第3に、アカウントを作成し、テスト送信を行います。自分の別アドレス宛に一度送って、受信者側にどう見えるかを確認しておくと、取引先に説明するときに困りません。第4に、取引先への案内を用意します。「当社では電子契約に切り替えます」「登録は不要で、届いたメールから確認いただけます」といった短い説明文があると、やり取りが早く進みます。

第5に、保存と検索のルールを決めます。締結済みの書類をサービス内だけに置くのか、社内の共有フォルダにも控えを残すのか、ファイル名の付け方をどうするかを最初に決めておくと、後から探す手間が減ります。担当者が一人しかいない会社ほど、この取り決めを文章で残しておく価値があります。

導入前に確認しておきたい注意点

まず、相手方が電子契約に対応するかどうかです。社内規程で紙の押印を求めている企業もあり、その場合は紙と電子を並行して運用することになります。どちらでも対応できる体制にしておくと、取引先を選ばずに済みます。

次に、宛先メールアドレスの正確さです。電子契約は「そのアドレスの持ち主が同意した」という形で記録が残るため、担当者個人のアドレスか部署共通のアドレスか、社内でどちらを使うかを決めておきます。送信前のダブルチェックを習慣にしておくと安全です。

最後に、権限管理です。誰でも自由に送信できる状態にしておくと、社内の承認を経ないまま契約が成立してしまうおそれがあります。人数が少ない会社でも、送信できる人を限定し、一定金額以上は代表者の確認を通す、といったルールを設けておくとよいでしょう。契約類型ごとの法的な扱いや、保存要件の判断で迷ったときは、弁護士や税理士など適切な専門家に相談してください。

よくある質問

クラウドサインを使うには、相手も登録が必要ですか?

受信して締結する側は、原則としてアカウント登録をせずにメールのリンクから内容を確認し、同意できる仕組みになっています。送信する側はアカウントが必要です。最新の仕様は公式サイトでご確認ください。

クラウドサインで締結した契約書に、印紙は必要ですか?

印紙税の扱いは書類の内容や交付の形態によって判断が分かれるため、ここで断定することはできません。電子的に授受した場合と紙で作成した場合で扱いが異なることがあるので、税理士や税務署にご確認ください。

どんな書類でも電子契約にできますか?

多くの契約書は電子で締結できますが、書面での作成や交付が求められる手続きもあります。自社が扱う書類のうちどれが電子化できるかは契約類型ごとに異なるため、判断に迷う場合は弁護士や司法書士に相談すると安心です。

締結した書類は、どのように保存すればよいですか?

サービス内に保管されますが、電子取引で授受した書類の保存には法令上のルールがあり、検索できる状態での保存などが求められることがあります。電子帳簿保存法の要件は国税庁の資料を確認し、具体的な運用は顧問税理士に相談してください。

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この記事は一般的な情報をまとめたものです。税務・法務・労務の個別の判断については、税理士・弁護士・社会保険労務士などの専門家にご相談ください。 料金や条件は変わることがあるため、お申し込み前に必ず各サービスの公式サイトで最新の内容をご確認ください。