高卒・新卒求人の出し方|学校への求人票の流れとスケジュール
「学校に求人を出したい」と思ったとき、最初につまずくのが「どこに、いつ、何を出すのか」です。高校への求人と大学への求人ではルートも時期もまったく違い、高卒求人にいたっては学校に直接連絡する前にハローワークを通す流れが基本になっています。この記事では、学校種別ごとの求人の出し方を、順番と時期がわかる形で整理します。
この記事の結論
- 高校生向けの求人(高卒求人)は、まずハローワークに求人を申し込み、確認を受けた高卒用求人票を高校へ送るのが基本の流れです。
- 大学・大学院・専門学校は、各校のキャリアセンター(就職課)に求人票を提出するのが中心で、学校ごとに書式や受付方法が異なります。
- 高卒求人は例年6月にハローワークの受付が始まり、7月に学校への求人票公開、9月に応募・選考という年間スケジュールで動きます。
まず確認:高校・大学・専門学校で求人の出し方はどう違う?
学校への求人と一口に言っても、ルートは大きく二つに分かれます。ひとつは高校生向けの求人で、ハローワーク(公共職業安定所)の確認を経てから学校に届けるという、決められた流れがあります。もうひとつは大学・大学院・専門学校向けで、原則として企業が各学校のキャリアセンターに直接求人票を出します。
つまり、迷ったらこの順に判断してください。採用したい人が「高校3年生(今年度卒業予定の高校生)」ならハローワーク経由。「大学生・大学院生・専門学校生」なら学校に直接。「職業訓練の受講生」なら訓練施設またはハローワークに相談、という整理です。同じ年に高卒も大卒も採るなら、二つの流れを並行して動かすことになります。
この違いを知らずに高校へ直接電話をしてしまうと、「まずハローワークで求人票を作ってください」と案内されて振り出しに戻ります。最初の一歩を間違えないために、採用したい学校種を先に確定させておきましょう。
高卒求人の出し方|ハローワーク→高校への流れ
高卒求人は、①ハローワークに求人を申し込む→②高卒用求人票の確認を受ける→③高校へ求人票を届ける、という三段階です。①では、事業所所在地を管轄するハローワークに求人申込書(高卒用)を提出します。ハローワークインターネットサービスの求人者マイページから入力する方法も用意されているので、初めての場合は管轄のハローワークに「高卒求人を出したい」と電話し、手順と必要書類を確認するところから始めるのが確実です。会社の実在や事業内容の確認のため、登記事項証明書や事業所の概要がわかる資料を求められることがあります。
②の確認が済むと、高卒用の求人票が交付されます。③はここからで、採りたい高校が決まっているなら求人票を持参または郵送し、進路指導の先生に会社説明をします。特定の学校を決めていない場合は、高卒就職情報WEB提供サービス(厚生労働省が運営する、高校と企業向けの求人情報提供の仕組み)に公開する形で、広く高校側に見てもらう方法もあります。
高卒採用には、生徒が一度に一社しか応募できない「一人一社制」の運用が地域や時期によってとられている点も押さえておきたいところです。生徒は学校の推薦を受けて応募するため、企業と生徒が直接やりとりして選考を進めることは想定されていません。連絡は学校を通すのが原則、と覚えておくと間違いが減ります。運用の細部は都道府県によって異なるため、管轄ハローワークや各都道府県の高等学校就職問題検討会議の資料で最新の取り扱いを確認してください。
高卒求人の年間スケジュール|いつ動き始めればいい?
高卒求人は、年間の日程が全国的にそろえられています。例年の流れは、6月にハローワークでの求人申込受付が始まり、7月に学校への求人票の提出・公開が解禁、9月上旬に生徒の応募書類の提出が始まり、9月中旬から選考・採用内定の開始、という順です。翌年4月入社を目指すなら、前年の春には社内で採用枠と労働条件を固めておく計算になります。
逆算すると、動き出しの目安はこうなります。4〜5月に採用人数・職種・賃金などの条件を決め、ハローワークに相談。6月に求人申込。7月に求人票を持って高校を訪問し、進路指導の先生に自社を説明。8月に職場見学の受け入れ準備。9月に応募受付と選考、という流れです。7月に求人票を出しただけで待っていると、生徒に届かないまま夏が終わることがあります。
高校生の応募先は、先生の推薦が大きく影響します。だからこそ、求人票を郵送して終わりにせず、学校訪問で「どんな仕事を、どんな環境で任せるのか」を伝える時間をつくることが効きます。なお、日程は年度ごとに確認が必要です。具体的な年月日は厚生労働省や各都道府県労働局の公表資料で、その年の日程をご確認ください。
大学・大学院への新卒求人の出し方
大学向けは、各大学のキャリアセンター(就職課・キャリア支援課)に求人票を提出するのが基本です。多くの大学が自校のウェブサイトに「企業の皆様へ」というページを設けており、求人票の書式、提出方法(大学独自の求人登録システム、メール、郵送)、受付時期が案内されています。まずは採用したい大学を数校に絞り、そのページを開いて書式をダウンロードするところから始めてください。
大学によっては、求人を登録するために事前の企業登録が必要だったり、学内説明会・学内合同企業セミナーへの参加申込が別途あったりします。学内説明会は募集枠に限りがあり、受付が早期に締め切られることもあるため、求人票提出と同時に説明会の有無も確認しておくと無駄がありません。研究室や学科とのつながりが強い理系分野では、学科の就職担当を通じたルートが機能することもあります。
時期については、政府が要請している就職・採用活動の日程(広報活動の開始、選考活動の開始、正式な内定の時期)が目安になります。大学の求人受付自体は通年で開いている学校が多いので、卒業年次の前年度のうちに求人票を出しておくと、学生の目に触れる期間が長くなります。就職情報サイトを併用するかどうかは、母集団をどれだけ広げたいかと、社内で対応できる応募数かどうかで判断してください。掲載条件や費用は各社の公式サイトで最新の情報を確認しましょう。
専門学校・職業訓練校への求人の出し方
専門学校は、大学と同じく各校の就職課へ直接求人票を出すのが一般的です。ただし専門学校は分野ごとに卒業・就職の時期や学びの内容がはっきり分かれているため、「どの学科の学生がほしいのか」を明確にして学校を選ぶことが重要です。医療・福祉、調理・製菓、IT、デザイン、自動車整備など、求める職種に対応する学科がある学校を探し、その学校の求人受付方法を確認します。
専門学校は在籍期間が1〜2年、または3〜4年と幅があり、就職活動の開始時期も学校・学科によって違います。「この時期に出せば全校に間に合う」という共通ルールはないと考え、候補校の就職課に電話して「次の卒業予定者向けの求人はいつから受け付けていますか」と聞くのが早道です。学内の企業説明会や学校主催の合同求人説明会に参加できる場合もあります。
職業訓練校(ポリテクセンターや都道府県の職業能力開発施設、求職者支援訓練の実施機関)で学ぶ人を採用したい場合は、施設の就職支援担当かハローワークに相談します。訓練生は在職者ではなく求職者として就職活動をするため、一般のハローワーク求人が訓練修了予定者にも届く形になることが多く、加えて施設ごとに修了前の説明会や求人紹介の機会が設けられていることがあります。修了時期に合わせて求人を出すと接点をつくりやすくなります。
求人票に書く内容と、出す前に社内で決めておくこと
求人票をつくる段階で止まる会社は、たいてい労働条件が固まっていません。先に決めるべきは、①職種と仕事内容、②就業場所、③雇用形態と契約期間、④始業・終業時刻と休憩、休日、⑤賃金の内訳(基本給、手当、通勤費の扱い)、⑥加入する保険、⑦試用期間の有無と条件、の7点です。ここが曖昧なまま学校に出すと、先生からの質問に答えられず信頼を落とします。
賃金については、固定残業代(みなし残業代)を採用している場合、その金額と相当する時間数、超えた分を別途支払うことを明示する取り扱いが求められます。また、賃金額は地域ごとの最低賃金を下回らないよう、最新の額を確認したうえで設定してください。書き方に迷う項目があれば、求人票を出す前にハローワークの窓口や社会保険労務士に相談すると、後の訂正が減ります。
学校向けの求人票では、数字よりも「入社後の育成」が見られます。誰が教えるのか、最初の数か月で何ができるようになるのか、資格取得の支援はあるのか。こうした情報は先生が生徒に説明する材料になるため、求人票の自由記入欄や添付する会社案内に具体的に書いておくと効果があります。写真つきの一枚資料を添えるだけでも印象が変わります。
内定を出したあとにやること|入社までの実務
選考後は、採用内定の通知を学校経由で伝えるのが基本の流れです(高卒の場合は特に、生徒への直接連絡ではなく学校を通す運用が原則とされています)。内定通知書と、入社日・勤務条件を記した書面を用意し、労働条件の明示は書面(本人が希望する場合は電子的な方法)で行います。求人票の内容と実際の条件が違うと、内定後のトラブルにつながるので突き合わせて確認してください。
内定から入社までは数か月あります。この間に、入社日の受け入れ準備として、雇用契約書、扶養控除等申告書などの入社時書類、社会保険・雇用保険の加入手続き、給与計算の設定、備品や作業着の手配を進めます。新卒が初めての会社では、入社月の給与計算と保険加入の手続きが同時に来て慌てがちなので、少なくとも入社1か月前には手順を決めておきましょう。
また、内定者との接点を絶やさない工夫も実務のうちです。定期的な連絡、内定者向けの会社見学や懇談、入社前に読んでおいてほしい資料の送付など、負担にならない範囲で続けると入社前の不安が下がります。学校側にも、内定後の状況を共有しておくと翌年以降の関係づくりにつながります。
高卒求人の手続きやスケジュール、賃金・労働条件の記載、社会保険の加入時期などは、会社の状況によって判断が変わる部分があります。自社のケースで迷ったら、手続きや労務面は社会保険労務士に、賃金や採用にかかる費用の税務上の扱いは税理士に、早めに相談することをおすすめします。
よくある質問
高卒求人はハローワークを通さずに高校へ直接出せますか?
高校生向けの求人は、ハローワークに求人を申し込み、確認を受けた高卒用求人票を高校に提出する流れが基本とされています。学校に直接持ち込んでも、ハローワークの確認済み求人票がないと受け付けてもらえないことが一般的です。まずは事業所を管轄するハローワークにご相談ください。
新卒求人を出すのに費用はかかりますか?
ハローワークへの求人申込や、学校のキャリアセンターへの求人票提出は、一般に企業側の費用負担なく利用できる仕組みです。一方で、就職情報サイトへの掲載や合同説明会への出展は有料のものが多くあります。料金はサービスごとに異なるため、各社の公式サイトで最新の条件を確認してください。
社員数の少ない会社でも学校に求人を出せますか?
会社の規模による制限は設けられていないのが一般的で、小さな会社でも求人を出すことはできます。ただし学校側は、労働条件が明確か、育成の体制があるかを見ています。求人票に加えて、仕事内容と入社後の教育の流れがわかる資料を用意しておくと、先生に説明してもらいやすくなります。
大学と高校の両方に求人を出したいときはどう進めますか?
ルートが別なので、二本立てで進めます。高卒は前年6月のハローワーク受付開始から逆算して春のうちに条件を固め、大学は候補校のキャリアセンターの受付方法を確認して求人票を提出します。求人票の内容がずれないよう、労働条件は先に社内で一本化しておくと管理が楽になります。