求人媒体の比較|正社員・アルバイトで向く媒体と料金の考え方
「求人媒体はどれが安いのか」と調べ始めると、料金表がなかなか出てこないことに気づきます。求人広告の多くは、掲載枠やエリア、期間、オプションの組み合わせで見積もりが変わるため、一律の価格表になじまないからです。だからこそ、比べるべきは「金額そのもの」より先に「どういう仕組みでお金がかかるか(課金方式)」です。この記事では、課金方式の違い、正社員採用とアルバイト採用で向く媒体の考え方、大手媒体への出し方の流れ、自社用の比較表の作り方を、判断の順番に沿って整理します。
この記事の結論
- 求人媒体は掲載課金・応募課金・採用課金の3つの課金方式があり、採用人数と急ぎ度合いによって向く方式が変わります。
- アルバイト採用は応募数が勝負になりやすいため露出量とスマホでの見やすさ、正社員採用は母集団の質と長期の露出を重視して選ぶのが一般的です。
- タウンワーク・バイトル・リクルート系の求人媒体はいずれも公式サイトの掲載申込フォームや営業担当への問い合わせから始まり、料金は掲載枠と期間で見積もられるため各社の公式サイトで最新の条件を確認してください。
求人媒体の料金は、まず「課金方式」で比べる
求人媒体の料金比較でつまずく最大の理由は、金額を横並びにしようとしてしまうことです。求人広告の費用は、掲載する枠の大きさ、掲載期間、対象エリア、写真や動画などのオプションで変わります。同じ媒体でも条件が違えば見積もりは変わるので、「A社よりB社が安い」という比べ方はあまり機能しません。
そこで最初に見るのが課金方式です。大きく分けると、掲載した時点で費用が発生する「掲載課金型」、応募が発生するたびに費用がかかる「応募課金型」、採用が決まったときに費用が発生する「採用課金型(成功報酬型)」の3つがあります。求人検索エンジンでは、求職者のクリックごとに費用がかかるクリック課金型も使われます。
判断の順番はシンプルです。①何人採用したいか、②いつまでに必要か、③採用できなかったときに費用が残ってよいか。この3つに答えると、どの課金方式が自社のリスク許容度に合うかが見えてきます。実際の金額は媒体ごとに条件が異なるため、各社の公式サイトや営業担当に見積もりを取って確認してください。
掲載課金・応募課金・採用課金、どれを選べばいいか
掲載課金型は、期間中に何人応募が来ても費用が変わらないのが特徴です。応募が多く見込める職種や、複数名を同時に採用したいときは、1人あたりのコストが下がりやすい方式といえます。一方で、応募がゼロでも費用は発生するため、原稿の書き方や掲載枠の選び方で結果が大きく左右されます。
応募課金型・クリック課金型は、反応があった分だけ費用が動くため、少額から試しやすいのが利点です。ただし応募が集まりすぎると予算が読みにくくなるので、上限設定や停止のタイミングを運用する人が社内に必要になります。「まず求人を出してみたい」「反応を見ながら調整したい」ひとり社長や小さな会社には検討しやすい方式です。
採用課金型は、採用が決まるまで費用が出ないため、予算が限られていて失敗を避けたい場合に向きます。その代わり1件あたりの単価は他方式より高めに設定されていることが多く、採用人数が多いと総額が膨らみます。1〜2名の採用で、時間はかかってもよい、というケースから検討するとよいでしょう。
迷ったときの目安としては、「複数名・短期間で採用したい→掲載課金型」「まず反応を見たい・予算を細かく動かしたい→応募/クリック課金型」「1〜2名・空振りの費用を避けたい→採用課金型」という順に当てはめてみてください。
アルバイト採用と正社員採用で、向く媒体はどう違うか
アルバイト・パートの採用では、応募のハードルの低さと露出量がものを言います。求職者はスマートフォンで、勤務地・シフト・時給・雰囲気を短時間で見比べます。したがって、地域密着で求人数が多い媒体、スマホでの見やすさや動画・写真の掲載に強い媒体、簡単応募の仕組みがある媒体が候補になります。タウンワークやバイトルといったアルバイト系の大手媒体は、この領域で広く使われています。
正社員採用は、応募数よりも「合う人が来るか」が重要になります。仕事内容、任せる範囲、評価や働き方まで書き込める原稿スペースがあるか、長めの掲載期間を取れるか、スカウト機能があるかを見ます。リクルート系の総合転職媒体や、職種特化の媒体、人材紹介の併用が選択肢になります。
小さな会社でまず試しやすいのが、ハローワークへの求人申込みと、求人検索エンジンへの無料掲載枠の活用です。費用をかけずに募集の土台をつくり、そのうえで足りない層を有料媒体で補う、という順番にすると、いきなり大きな出稿をして空振りするリスクを抑えられます。
なお、どの媒体でも、性別や年齢を理由に応募を制限するような表現は避ける必要があります。募集条件の書き方には法令上のルールがあるため、原稿を出す前に媒体の審査基準や厚生労働省の資料を確認し、判断に迷う場合は社会保険労務士に相談してください。
タウンワーク・バイトル・リクルートへの求人の出し方
大手求人媒体への出稿の流れは、おおむね共通しています。①公式サイトの「求人掲載をお考えの企業さま」向けページから問い合わせる、②営業担当または代理店と、募集職種・勤務地・採用人数・希望時期をすり合わせる、③掲載枠と期間を決めて見積もりを受け取る、④原稿を作成し、写真や仕事内容を確認する、⑤審査を経て掲載開始、という順です。
準備しておくとやり取りが早いのは、会社名・所在地・事業内容、募集職種と仕事内容、雇用形態、勤務地と勤務時間、給与(時給・月給)や手当、応募条件、選考の流れ、担当者の連絡先です。写真があると原稿の見え方が変わるので、職場やスタッフの写真を数点用意しておくと進めやすくなります。
タウンワークやバイトルはアルバイト・パート中心、リクルート系の転職媒体は正社員中心と、媒体ごとに主な利用者層が異なります。どの媒体も料金は掲載枠・エリア・期間で変わるため、複数社に同じ条件で見積もりを依頼し、条件をそろえて比べてください。掲載料金や申込方法の最新情報は、各社の公式サイトで確認することをおすすめします。
ハローワークに出す場合は、事業所登録を行ったうえで求人申込書を提出します。オンラインサービスからの申込みにも対応しているため、初めての採用では、ここを起点にすると社内の募集条件が整理しやすくなります。
自社用の求人媒体 比較表はどう作るか
比較表は、媒体名を縦に並べ、横軸に「課金方式」「想定利用者層(アルバイト/正社員)」「掲載期間」「原稿の情報量」「スカウト機能の有無」「運用に必要な手間」「見積金額」を置くと、判断しやすくなります。金額だけの表にしないことがポイントです。
そのうえで、採用1人あたりのコストを自社で計算します。見積総額を、想定できる採用人数で割るだけです。たとえば掲載課金で2名採れる見込みなら1人あたりは半分、1名しか採れなければ総額がそのまま1人分のコストになります。この計算をすると、単価の高い採用課金型が結果的に見合うケースも見えてきます。
出稿した後は、応募数・面接数・採用数を媒体ごとに記録しておいてください。次回の出稿判断がまったく変わります。記録は表計算ソフト1枚で十分です。採用にかかった広告費は、支出の内容に応じて経費として処理するのが一般的ですが、扱いに迷う場合は顧問の税理士に確認してください。
採用が決まった後に必要になる手続き
媒体選びと同じくらい大事なのが、採用後の事務です。採用が決まったら、労働条件通知書(または雇用契約書)を交付し、勤務時間や賃金、休日、契約期間などを書面等で明示します。ここが曖昧なままだと、後からトラブルになりやすい部分です。
従業員を雇うと、条件によって労働保険(労災・雇用保険)や社会保険の手続きが必要になります。アルバイトでも労働時間や契約期間によって加入対象になることがあり、判断は個別事情で変わります。加入要件の詳細は日本年金機構や厚生労働省の資料を確認し、自社のケースでどう扱われるかは社会保険労務士にご確認ください。
給与計算、源泉徴収、住民税の特別徴収なども、最初の1人を雇った段階から発生します。求人を出す前に、入社後の事務を誰がどう回すかを決めておくと、採用が決まってから慌てずに済みます。制度面・手続き面で判断に迷うところが出てきたら、労務は社会保険労務士、税務は税理士へ早めに相談することをおすすめします。
よくある質問
求人媒体の料金はどこで確認できますか。
多くの求人媒体は、掲載枠・エリア・期間・オプションの組み合わせで見積もりを出す仕組みのため、一律の価格表を公開していないことがあります。各社の公式サイトの掲載申込ページから問い合わせて、同じ条件で複数社の見積もりを取り、最新の料金を確認してください。
費用をかけずに求人を出す方法はありますか。
ハローワークへの求人申込みや、求人検索エンジンの無料掲載枠、自社サイトの採用ページ、SNSでの発信などが考えられます。まずこれらで募集の土台をつくり、応募が足りない層だけ有料媒体で補うと、無駄な出稿を抑えやすくなります。
アルバイト採用と正社員採用で媒体を分けるべきですか。
利用者層が異なるため、分けて考えるほうが結果につながりやすいとされています。アルバイトは地域密着で露出量の多い媒体、正社員は仕事内容を詳しく書ける媒体やスカウト機能のある媒体、という基準で候補を絞ってみてください。
採用が決まったら、まず何をすればいいですか。
労働条件を明示した書面(労働条件通知書や雇用契約書)を交付し、勤務時間・賃金・休日などを確認し合うところから始めます。あわせて労働保険や社会保険の加入要件に当てはまるかを確認する必要があり、判断が難しい場合は社会保険労務士に相談してください。