GMOサインとWAN-Signの違い|料金体系と選び方を比較
電子契約サービスを探すと、必ずと言っていいほど名前が挙がるのが「GMOサイン」と「WAN-Sign」です。どちらも当事者型・立会人型の両方の署名に対応していて、機能一覧を並べただけでは違いが分かりにくいのが正直なところです。この記事では、両者の成り立ちの違いから、料金体系のどこを見て比べればよいか、そして「この条件に当てはまるならこちら」という判断の順番までを整理します。
この記事の結論
- GMOサインとWAN-Signは、どちらも当事者型(電子証明書を使う実印タイプ)と立会人型(メール認証などの契約印タイプ)の両方に対応していますが、GMOサインは電子契約の運用機能、WAN-Signは紙の契約書の保管・管理との組み合わせに強みを置いたサービスです。
- 電子契約サービスの料金は「月額の基本料金」と「1件送信ごとの従量料金」、さらに当事者型で使う電子証明書の費用に分かれるのが一般的で、自社の月あたり契約件数と利用者数を先に数えてから各社の公式サイトで最新の料金を確認するのが確実です。
- 紙の原本が大量に社内に残っていて保管・検索に困っているならWAN-Sign、契約の送信件数が多く社内ワークフローや他システムとの連携を重視するならGMOサイン、という順で候補を絞ると判断が早くなります。
GMOサインとWAN-Signの違いは、そもそもどこから来ているのか
両サービスの違いを理解するには、提供している会社の出自を押さえるのが近道です。GMOサインは、電子認証・電子証明書の領域を手がけるGMOグローバルサイン・ホールディングスが提供しています。もともと証明書を発行する側の会社なので、電子署名そのものの仕組みと、それを業務に載せるためのオンライン機能の作り込みが軸になっています。
一方のWAN-Signは、文書・記録の保管や管理を長く手がけてきたワンビシアーカイブズ(NXワンビシアーカイブズ)が提供するサービスです。紙の契約書を預かり、必要なときに取り出し、電子化して管理するという業務の延長線上に電子契約が置かれています。つまり「紙と電子が混在した状態をどう管理するか」という発想が土台にあります。
この出自の差が、そのまま得意分野の差になっています。どちらが優れているという話ではなく、自社の契約業務のどこに悩みがあるかによって、噛み合う相手が変わる、と考えると選びやすくなります。
署名方式(当事者型・立会人型)に違いはある?
電子契約には大きく2つの方式があります。ひとつは、契約する本人が電子証明書を取得して署名する「当事者型(実印タイプと呼ばれることがあります)」。もうひとつは、サービス事業者の名義で署名し、メールアドレスなどで相手方を確認する「立会人型(契約印タイプ)」です。後者は相手方の準備負担が軽いため、取引先が多い場合に使われることが多い方式です。
GMOサインとWAN-Signは、どちらもこの2方式に対応しています。ここだけを見ると差がつきにくいので、比較するなら「自社がどちらを主に使うか」を先に決めるのが先決です。取引先に電子証明書の取得までお願いするのは現実的でないことが多く、日常の発注書・業務委託契約は立会人型、重要度の高い契約だけ当事者型、という使い分けをする会社が少なくありません。
なお、電子契約が有効に成立するかどうかは、電子署名法をはじめとする法令と、その契約の性質によって判断されます。不動産や一部の業法に関わる契約では書面が求められる場合もあるため、扱う契約の種類が特殊なときは、導入前に弁護士や所管官庁の資料で確認しておくと安心です。
電子印鑑GMOサインの料金プラン
電子印鑑GMOサインの料金は次のとおりです。改定されることがあるため、申し込み前に公式サイトで最新の内容をご確認ください。
| プラン | 月額 | 1件あたりの送信料 | ユーザー数 | 備考 |
|---|---|---|---|---|
| お試しフリー | 0円 | 契約印タイプ0円(月5件まで)/実印タイプは利用不可 | 1名 | — |
| ライト | 年間契約 8,800円/月(税込9,680円)、単月契約 9,500円/月(税込10,450円) | 契約印タイプ100円(税込110円)/実印タイプ300円(税込330円) | 記載なし | — |
| スタンダード | 年間契約 24,000円/月(税込26,400円)、単月契約 26,000円/月(税込28,600円) | 契約印タイプ100円(税込110円)/実印タイプ300円(税込330円) | 記載なし | — |
| ビジネス / エンタープライズ | 記載なし(利用規模に応じて個別案内) | 記載なし | 記載なし | — |
料金体系はどこを見て比べればいい?
電子契約サービスの料金は、多くの場合「月額の基本料金」+「1件送信するごとの従量料金」で構成されます。これに加えて、当事者型で使う電子証明書の発行費用、利用者(送信できるアカウント)の数による加算、オプション機能の料金がかかることがあります。具体的な金額は改定されるため、必ず各社の公式サイトで最新の料金を確認してください。
比較の前にやっておきたいのが、自社の数字の棚卸しです。①1か月に何件くらい契約を送るか、②送信する側の人数は何人か、③当事者型が必要な契約はそのうち何件か、④過去の契約書を何件くらい保管しているか。この4つをメモしてから料金表を見ると、同じ表がまったく違って見えます。
件数が少ないうちは、月額を抑えて従量課金中心にしたほうが総額が読みやすくなります。逆に件数が増えてきたら、送信が定額に近い形のプランのほうが有利になることもあります。どちらのサービスもプランが複数用意されていることが一般的なので、「今の件数」だけでなく「1年後の見込み件数」でも試算しておくと、乗り換えの手間を減らせます。
紙の契約書が社内に残っているなら、比較軸が変わる
電子契約を入れても、過去に交わした紙の契約書はゼロにはなりません。ここが、GMOサインとWAN-Signを比べるうえで最も実務的な分かれ目になります。WAN-Signは、文書保管を本業としてきた会社のサービスであるため、紙の原本を預ける、スキャンして電子データとして検索できるようにする、といった周辺サービスと組み合わせて使える点が特徴です。
契約書のキャビネットが社内を圧迫している、更新期限が誰にも把握されていない、必要な契約書を探すのに毎回時間がかかる——こうした状態なら、電子契約そのものよりも「既存の紙をどうするか」のほうが効果の大きい課題かもしれません。その場合はWAN-Signを軸に検討する価値があります。
反対に、創業して間もなく紙の蓄積がほとんどない会社なら、この軸はあまり効いてきません。その場合は、送信のしやすさ、社内の承認フロー(誰が承認してから送るか)の設定、他システムとの連携といった、日々の運用のしやすさで比べるほうが実感に近い判断ができます。
結局どちらを選ぶ?判断の順番と当てはめ方
迷ったら、次の順に見ていくと決めやすくなります。まず①紙の契約書の保管・検索に困っているか。困っているならWAN-Signを第一候補に。次に②取引先に電子証明書の取得を求められる関係か。求めにくいなら、両サービスとも立会人型が使えるので、この段階では横並びです。
続いて③月あたりの送信件数と送信者数を当てはめて、両社の料金体系のうちどちらが自社の使い方に合うかを試算します。最後に④社内の承認フローや、会計・営業管理など既存ツールとの連携が必要かを確認します。連携やワークフローの作り込みを重視するなら、電子契約の運用機能が厚いGMOサインが合いやすい傾向があります。
どちらも無料で試せる範囲が用意されていることが多いので、机上の比較で決め切らず、実際に1件、社内の誰かを相手方にして送ってみるのがおすすめの進め方です。受け取る側の画面まで確認すると、取引先に説明できるかどうかが分かります。取引先の負担が軽いほうが、結局は運用が定着します。
導入するときに、あわせて決めておきたいこと
サービスを選んだら、運用ルールを一緒に決めておくと後が楽です。具体的には、誰が送信できるか(アカウントを持つ人)、いくらまでの契約なら誰の承認で送ってよいか、締結後のファイルをどこに保存するか、の3点です。ひとり社長でも、将来人が増えたときに困らないよう、最初にメモにしておく価値があります。
締結した電子契約の保存については、電子帳簿保存法の電子取引データの保存に関する考え方が関係してきます。検索できる状態で保存することなどが求められる場合があるため、要件の詳細は国税庁の資料を確認し、判断に迷う点は税理士にご相談ください。サービス側で保存要件に対応した機能を用意していることもあるので、契約前に確認しておくとよいでしょう。
また、取引先によっては電子契約に社内規程上の制約があることもあります。導入の連絡をするときは、使う方式(立会人型か当事者型か)と、相手方に何をしてもらうかを1枚にまとめて送ると、やり取りが減ります。
よくある質問
GMOサインとWAN-Signは、どちらが安いですか?
料金は契約件数・利用者数・選ぶプラン・当事者型を使うかどうかで変わるため、一律にどちらが安いとは言えません。まず自社の月あたり送信件数と送信者数を数えたうえで、各社の公式サイトで最新の料金を確認し、同じ条件で試算して比べてください。
取引先がGMOサインやWAN-Signを使っていなくても契約できますか?
立会人型(契約印タイプ)であれば、相手方はメールで届いたリンクから確認・署名する形が一般的で、同じサービスに契約している必要はないのが通常です。ただし相手方の社内規程で電子契約が使えない場合もあるため、初回は事前に確認しておくとスムーズです。
紙で結んだ既存の契約書も、電子契約サービスで管理できますか?
スキャンしてデータを取り込み、契約情報とあわせて管理する機能を備えるサービスがあります。特にWAN-Signは文書保管を手がける会社のサービスで、原本の預かりや電子化と組み合わせやすい点が特徴です。対応範囲は変わることがあるため、公式サイトで確認してください。
電子契約にすると印紙は不要になりますか?
電子的に作成・授受された文書については印紙税の取扱いが紙と異なると整理されることがありますが、契約の内容や交付の仕方によって判断が分かれる場合があります。金額の大きい契約を扱う場合は、導入前に税理士や所轄の税務署にご確認ください。