ドキュサインの退会と解約の手順|締結済み書類の扱いと注意点

・契約・電子署名・会社のはじめかた編集部(監修:田中 祐介)

電子契約を使ってみたものの、契約件数が想定より少なかった、他のサービスに一本化したい——そんな理由でドキュサイン(DocuSign)の解約・退会を考える会社は少なくありません。ただ、電子契約サービスの解約でいちばん怖いのは「料金が止まるかどうか」ではなく、「締結済みの契約書にアクセスできなくなること」です。この記事では、解約と退会の違い、手続きの進め方、そして解約前に必ず済ませておきたい書類の取り出しについて、順番に整理します。

この記事の結論

  • ドキュサインの解約は、まず締結済み書類をすべてダウンロードして自社側に保存し、そのうえで契約プランの停止手続きを行う順番で進めます。
  • 「解約」は課金の停止、「退会(アカウント削除)」はアカウント自体の消去を指し、退会するとサービス上に保管された書類は原則として参照できなくなります。
  • 年額プランなど期間契約の場合は自動更新の有無と更新日を先に確認し、更新日の前に手続きを済ませておくと想定外の課金を避けやすくなります。

ドキュサインの「解約」と「退会」は何が違う?

まず言葉を整理します。一般に「解約」は有料プランの契約を終了させて課金を止めることを指し、「退会」はアカウントそのものを削除して、ログインできない状態にすることを指します。多くのSaaSでは、有料プランを解約しても一定の範囲でアカウントが残る設計になっていることがあり、退会はその先のステップです。

この違いが重要なのは、締結済みの契約書の扱いが変わるからです。課金だけを止めた状態であれば、過去の書類を後から参照できる余地が残ることがありますが、アカウントを削除してしまうと、サービス上に保管されていたデータは原則として取り出せなくなります。

ですから、社内で「ドキュサインをやめる」と決まったときは、まず「課金を止めたいのか」「データごと消したいのか」を切り分けてください。当面は他社サービスに移るだけであれば、いきなり退会せず、解約とデータ退避を先に済ませるのが安全な順番です。

解約前にやること①:締結済み書類をすべて手元に保存する

解約手続きよりも先にやるべきなのが、締結済み書類の取り出しです。電子契約サービスでは、締結済みのPDFと、いつ誰がどの操作をしたかを記録した証跡(監査証跡・完了証明書などと呼ばれるもの)がセットで保管されています。後から契約内容や成立の経緯が問題になったとき、この証跡が手がかりになることがあります。

作業の順番としては、管理者権限を持つアカウントでログインし、締結済み・完了済みの一覧を表示して、期間で絞りながらダウンロードしていきます。件数が多い場合は一括ダウンロード機能が使えることがあるため、まずは管理画面のヘルプで一括出力の可否を確認してください。取引先ごと・年度ごとにフォルダを分けて保存しておくと、後から探しやすくなります。

保存先は、自社が今後も使い続ける場所を選びます。担当者の個人PCだけに置くと退職時に行方不明になりがちなので、会社共有のクラウドストレージやファイルサーバーに置き、ファイル名に「締結日_取引先名_契約名」のような規則をつけておくと管理しやすくなります。

Docusign(ドキュサイン)の料金プラン

Docusign(ドキュサイン)の料金は次のとおりです。改定されることがあるため、申し込み前に公式サイトで最新の内容をご確認ください。

プラン月額1件あたりの送信料ユーザー数備考
Personal1,333円/月(年間一括 16,000円/年)月5通まで1ユーザー別途税金が発生する場合あり
Standard3,300円/月・ユーザー(年間一括 39,600円/年)年間100通/ユーザー最大50ユーザー共同編集、ブランド設定
Business Pro5,300円/月・ユーザー(年間一括 63,600円/年)年間100通/ユーザー最大50ユーザーWebフォーム、支払い回収、一括送信
拡張プラン記載なしカスタム51ユーザー以上組織管理、24時間サポート
出典:Docusign(ドキュサイン) 公式料金ページ(https://ecom.docusign.com/ja-JP/plans-and-pricing/esignature)・2026-09-21確認

解約前にやること②:保存方法と社内の運用を確認する

電子で受け渡しした契約書などのデータは、電子帳簿保存法の「電子取引」に関するルールの対象として扱われることがあります。ファイルを手元に落としただけで終わりにせず、日付・取引先・金額などで検索できる状態にしておく、改ざん防止の取り扱いを決めておく、といった社内ルールの整備もあわせて確認しておきたいところです。要件の詳細は国税庁の資料を確認し、判断に迷う点は税理士にご相談ください。

あわせて、ドキュサインを使っていた業務の流れも棚卸ししておきます。たとえば、雛形(テンプレート)、承認フロー、取引先に案内しているマニュアル、社内規程に書いた「電子契約は◯◯を使用する」といった記載などです。解約後に残っていると、担当者が誤って古い案内を使ってしまうことがあります。

進行中の案件も忘れずに確認してください。送信済みで相手の署名待ちになっている書類がある状態で解約すると、そのまま止まってしまう可能性があります。未完了の依頼は取り下げるか、先に完了させるかを決めてから進めます。

解約・退会手続きの進め方と、自動更新の確認

手続きの入り口は、契約の申し込み方法によって変わります。公式サイトからオンラインで申し込んだ場合は、管理者アカウントの設定画面にある請求・プラン関連のメニューから手続きできることが一般的です。一方、代理店や営業担当を通じて年間契約を結んでいる場合は、窓口への連絡や申請書の提出が必要になることがあります。まず自社がどちらの契約形態かを、申込時のメールや契約書で確認してください。

次に見るのが自動更新の有無と更新日です。期間契約は、解約の申し出がない限り自動的に更新される形になっていることがあり、更新日を過ぎると次の期間分の請求が発生する場合があります。申し出の期限が更新日の何日前までと定められていることもあるため、利用規約や契約書の該当箇所を読み、余裕をもって動くことをおすすめします。

手続きを終えたら、完了メールやサポートからの返信を保存しておきます。プランの表示が変わったか、次回更新の予定が消えているかを管理画面でも見ておき、翌月以降の支払い明細でも停止を確認しておくと安心です。料金や解約条件の詳細は変更されることがあるため、最新の内容は公式サイトやサポート窓口でご確認ください。

他の電子契約サービスに乗り換えるなら、どの順番で動く?

乗り換えが決まっている場合は、「新サービスの準備 → 書類の退避 → 旧サービスの解約」の順で進めると、業務が止まりにくくなります。逆に解約を先に済ませてしまうと、締結が必要な案件が出たときに手が止まります。二重に費用が発生する期間が数週間できても、移行期間として割り切ったほうが安全です。

新しいサービスを選ぶときの見方は、会社の状況によって変わります。取引先から送られてくる契約に署名するだけで自社からの送信が少ないなら、無料枠や軽いプランで足りることがあります。自社から定期的に大量送信する、稟議と連動させたい、契約書の保管と検索を一元化したいといった要望があるなら、ワークフローや保管機能の充実度を優先して比べます。

また、不動産や一部の取引のように、書面や特定の方式が求められる場面があります。電子でよいかどうかの判断は取引の種類によって異なるため、迷う場合は弁護士や司法書士に確認したうえでサービスを選ぶと安心です。料金やプラン内容は各社の公式サイトで最新の情報を確認してください。

解約後に困らないためのチェックリスト

最後に、解約ボタンを押す前に見直したい項目をまとめます。①締結済み書類(PDFと証跡)をすべてダウンロードして社内の保存先に置いたか、②進行中・署名待ちの案件を処理したか、③テンプレートや社内マニュアル、規程の記載を更新したか、④管理者以外のユーザーに周知したか、⑤自動更新日と申し出期限を確認したか、の5点です。

特に見落としやすいのが、管理者アカウントに紐づくメールアドレスです。退職者のアドレスが管理者になっていると、手続きの途中で認証ができなくなることがあります。解約作業に入る前に、現任の担当者へ管理者権限を移しておくとスムーズです。

電子契約をやめた後は、紙の契約書の保管と、電子でやり取りしたデータの保管が混在することになります。どの契約をどこに保管しているかの一覧を作っておくと、監査や税務調査の場面で慌てずに済みます。保存方法や年数の判断に不安がある場合は、顧問税理士に相談しながらルールを固めておくことをおすすめします。

よくある質問

ドキュサインを退会したら、締結済みの契約書はどうなりますか?

アカウントを削除すると、サービス上に保管されていた書類は原則として参照できなくなると考えておくのが安全です。退会の前に、締結済みのPDFと証跡をすべてダウンロードし、会社の共有ストレージなど自社で管理できる場所に保存してください。取引先側の控えとは別に、自社分を確保しておくことが大切です。

解約したのに請求が続いている場合はどうすればよいですか?

まず管理画面でプランの状態と次回更新予定を確認し、解約完了のメールなど手続きの記録を手元に用意してください。そのうえでサポート窓口に、解約手続きを行った日と受付内容を添えて問い合わせるとやり取りが早く進みます。翌月以降の請求明細でも停止を確認しておくと安心です。

年間契約の途中でも解約できますか?

契約形態によって扱いが異なり、期間途中の解約の可否や残期間の扱いは利用規約や個別契約の条件で定められています。まず申込時の契約書やメールを確認し、不明な場合はサポート窓口や代理店の担当者に問い合わせてください。条件や料金の最新情報は公式サイトでご確認ください。

解約後、保存した電子契約書はどう管理すればよいですか?

電子でやり取りした契約データは、電子帳簿保存法の電子取引に関するルールの対象として扱われることがあります。日付・取引先・金額などで探せるファイル名やフォルダ構成にし、保存場所と保存年数を社内ルールとして決めておくとよいでしょう。要件の詳細は国税庁の資料を確認し、判断に迷う点は税理士にご相談ください。

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この記事は一般的な情報をまとめたものです。税務・法務・労務の個別の判断については、税理士・弁護士・社会保険労務士などの専門家にご相談ください。 料金や条件は変わることがあるため、お申し込み前に必ず各サービスの公式サイトで最新の内容をご確認ください。