ビジネスチャットの比較|Slack・Teams・Chatworkの違いと選び方

・会議・情報共有・会社のはじめかた編集部(監修:田中 祐介)

創業したばかりの会社で、メールとLINEのやりとりが混ざって収拾がつかなくなる——よくある話です。ビジネスチャットは早めに1つに決めたほうが後が楽ですが、SlackもTeamsもChatworkも「できること」は一見よく似ています。この記事では、機能そのものより「自社の状況からどう選ぶか」という順番で、3つの違いと確認すべきポイントを整理します。

この記事の結論

  • ビジネスチャットの比較は、機能一覧を並べる前に「すでに使っているグループウェア」「社外とのやりとりの多さ」「管理機能が要る規模か」の3点から絞るのが早道です。
  • Microsoft 365をすでに契約しているならTeams、社外のツール連携やエンジニア中心の運用ならSlack、ITに不慣れなメンバーや取引先が多いならChatworkが検討しやすい、というのが大まかな目安です。
  • 無料プランは履歴の保存範囲やビデオ会議、管理機能に制限が設けられていることが多いため、料金と制限の最新条件は各社の公式サイトで確認してください。

ビジネスチャットの比較は、何から見ればいいですか

最初に機能比較表を眺めると、どれも「チャット」「ファイル共有」「ビデオ通話」「検索」が並んでいて、違いが分かりません。小さな会社が迷ったときは、次の順に見ると絞り込めます。第一に、すでに使っている(あるいはこれから使う)オフィスソフトやグループウェアは何か。第二に、やりとりの相手は社内が中心か、社外の取引先が多いか。第三に、将来的にメンバーが増えたとき、管理者がアカウントや権限を管理する必要があるか。

この3つが決まると、候補はたいてい1〜2つに絞れます。逆に、絵文字リアクションの種類やタスク機能の細かな作法は、後から慣れれば済む差です。最初の選定で悩みすぎるより、無料プランで2週間ほど実際に走らせてみるほうが、判断材料がはっきりします。

もう一点、見落としがちなのが「乗り換えのしやすさ」です。チャットの過去ログは会社の記録でもあります。後から別のツールに移す場合、履歴やファイルをどこまで書き出せるかはツールによって扱いが異なるため、導入前にエクスポートの可否を確認しておくと安心です。

Slack・Teams・Chatworkの違いを比較表の代わりに言葉で整理すると

Slackは、チャンネル(話題ごとの部屋)を細かく作って情報を流していく設計が中心です。外部サービスとの連携や通知の自動化に強く、開発ツールや顧客管理ツールからの通知をチャットに集約する使い方がよく見られます。カスタマイズの自由度が高い反面、ルールを決めずに使うとチャンネルが増えすぎて、どこに何があるか分からなくなることがあります。

Microsoft Teamsは、WordやExcel、Outlook、SharePointといったMicrosoft 365の世界と一体で使うことを前提にした作りです。チャットだけでなく、ファイルの共同編集やオンライン会議、社内ポータル的な使い方まで一つにまとまります。その分できることが多く、最初は画面の情報量に圧倒されるという声もあります。

Chatworkは、国内の中小企業での利用を想定した作りで、画面がシンプルです。グループチャットとタスク管理が素直に並び、ITに詳しくないメンバーでも迷いにくいのが特徴です。取引先もChatworkを使っているケースが国内では珍しくなく、社外とのやりとりをそのまま同じツールで完結させやすい点が評価されています。

3つとも、チャット・ファイル共有・検索・ビデオ通話といった基本機能は備えています。違いは「どこに重心があるか」です。連携と拡張ならSlack、オフィスソフトとの統合ならTeams、シンプルさと社外との接続しやすさならChatwork、と押さえておくと迷いにくくなります。

料金の比較はどう考えればいいですか(Teams・Slack・Chatwork)

料金は各社が改定するため、この記事では具体的な金額を書きません。比較するときは、次の観点で公式サイトの料金ページを並べて見てください。まず課金単位です。ビジネスチャットは「利用する人数×月額(または年額)」が基本で、ゲスト(社外ユーザー)を人数に数えるかどうかがツールによって異なります。

次に、上位プランで何が追加されるかです。一般的には、メッセージ履歴の保存範囲、ファイルの保存容量、ビデオ会議の参加人数や録画、管理者向けのセキュリティ設定、外部サービス連携の上限などが、プランの境目になります。自社にとって必要な機能がどのプランに含まれるかを先に確認し、その段階の料金同士で比べるのが正しい比べ方です。

Teamsについては、チャット単体の契約と、Microsoft 365のプランに含まれる形の両方があり得ます。すでにWordやExcelを業務で使うのであれば、オフィスソフトごと契約した場合の総額で比べたほうが実態に合います。SlackとChatworkを比べる場合も、ビデオ会議を別ツール(Google MeetやZoomなど)で賄う前提かどうかで、合計コストの見え方が変わります。

なお年払いで割安になる設定や、一定人数以上向けの条件が用意されていることもあります。いずれも変更されうるため、最終的な費用は各社の公式サイトで最新の料金と条件を確認してください。

セキュリティの比較では、どこをチェックすればいいですか

「どのツールが安全か」という比べ方より、「自社が必要とする管理機能がそのプランに含まれているか」という見方のほうが実務的です。まず確認したいのは、多要素認証(ログイン時の二段階認証)に対応しているか、管理者がメンバーのアカウントを一括で停止・削除できるか、退職者のアカウント処理の手順が用意されているかです。ひとり社長の段階でも、業務委託先に一時的に参加してもらう場面は出てきます。

次に、社外ユーザーの扱いです。ゲストとして招いた人がどの範囲まで見られるのか、招待できるのは管理者だけか一般メンバーもできるのか、はツールと設定によって変わります。取引先を招く運用をするなら、ここは導入前に確認しておきたい部分です。

上位プランでは、ファイルのダウンロード制限、ログの取得、シングルサインオン(SSO)、データの保存期間の設定といった管理機能が用意されていることがあります。取引先から情報セキュリティに関する確認を求められる会社では、こうした機能の有無が実務上の要件になることもあります。

データの保存場所や国内法との関係、電子帳簿保存法との関わりなど、制度に踏み込む部分は各社の公開資料と所管官庁の資料を確認してください。チャット上でやりとりした請求書や領収書のファイルをどう保存するかは、会計処理と関わることがあるため、判断に迷う場合は税理士に確認すると安心です。

無料プランで比較するときの進め方

3つともチャットの基本機能を無料で試せる形が用意されていますが、無料プランには制限が設けられているのが一般的です。よくあるのは、過去のメッセージをさかのぼれる範囲、ファイルの保存容量、ビデオ会議の人数や時間、外部サービス連携の数、管理者機能の一部が使えないといった点です。試す前に、その制限が「試用には十分だが本番運用には足りない」ものかを見ておきましょう。

試し方としては、候補を2つに絞ってから、実際の業務を2週間ほど流してみるのがおすすめの進め方です。全員に両方使わせると混乱するので、「今週はA、来週はB」と期間を区切るか、少人数の先行チームで試すとよいでしょう。評価の軸は、通知が適切に届くか、スマホで使いやすいか、検索で過去のやりとりを見つけられるか、の3点で十分です。

無料のまま運用を続ける判断もあり得ますが、メンバーが増えて過去ログをさかのぼれないと困る場面が出てきたときが、有料プランへの切り替えどきです。移行時に履歴がどう扱われるかは事前に公式のヘルプで確認しておきましょう。

状況別・選び方の目安と、導入後に決めておくルール

判断の目安を整理します。Microsoft 365をすでに契約している、またはWord・Excel・Outlookが業務の中心なら、まずTeamsを検討します。別途チャットを契約せずに済む可能性があり、ファイルの共同編集まで一つにまとまります。エンジニアやデザイナーが中心で、GitHubや各種SaaSからの通知をまとめたい、自動化を組みたいという場合はSlackが向きやすいでしょう。

取引先や協力会社とのやりとりが多く、相手のITリテラシーがまちまちな場合はChatworkが候補になります。画面がシンプルで、招待された側が迷いにくいことは、社外コミュニケーションでは実利のある特徴です。逆に、複雑な連携や細かい権限設計をしたいなら物足りなく感じるかもしれません。

どれを選んでも、導入時に最低限のルールは決めておきましょう。(1)どの話題をチャットで扱い、何をメールで残すか、(2)グループ(チャンネル)の作り方と命名、(3)退職・契約終了時のアカウント停止の担当者、(4)機密情報や個人情報を含むファイルの扱い。この4つを社内文書として1ページにまとめておくだけで、後から入るメンバーの混乱がかなり減ります。

従業員を雇う段階になると、チャットでの業務指示と労働時間の関係(時間外の連絡をどう扱うか)が論点になることがあります。就業規則やコミュニケーションのルールを整える際は社会保険労務士に、契約書や機密情報の取り扱いを定める際は弁護士に、チャットでやりとりする証憑の保存方法は税理士に、それぞれ確認しておくと安心です。自社の状況に合わせた判断が必要な部分は、早めに専門家へ相談してください。

よくある質問

ビジネスチャットは無料プランのままでも運用できますか

少人数で、過去のやりとりをさかのぼる必要が少ないうちは無料プランで運用している会社もあります。ただし履歴の保存範囲や管理者機能に制限が設けられていることが多く、メンバーが増えると不足を感じやすくなります。制限の内容は変更されることがあるため、各社の公式サイトで最新の条件を確認してください。

TeamsとSlackはどちらが安く済みますか

人数や必要な機能、Microsoft 365を契約するかどうかで総額が変わるため、一概には比べられません。オフィスソフトごと契約するならTeamsを含む形の総額で、チャット単体ならプラン同士で比較するのが実態に合います。金額は改定されるので、公式の料金ページで確認してください。

複数のビジネスチャットを併用しても大丈夫ですか

取引先の都合で社外用と社内用を分けている会社はあります。ただし情報が分散して探しにくくなるため、社内のやりとりは1つに集約し、社外は相手に合わせる、という切り分けにしておくと管理しやすくなります。アカウント管理の手間が増える点にも注意してください。

チャットでやりとりした請求書や領収書はどう保存すればいいですか

チャットに添付されたまま置いておくと、後から探しにくく、保存要件の面でも不安が残ります。会計ソフトや所定の保存先に移す運用にしておくのが一般的です。電子帳簿保存法に関わる具体的な要件は所管官庁の資料を確認のうえ、自社の処理方法については税理士にご相談ください。

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この記事は一般的な情報をまとめたものです。税務・法務・労務の個別の判断については、税理士・弁護士・社会保険労務士などの専門家にご相談ください。 料金や条件は変わることがあるため、お申し込み前に必ず各サービスの公式サイトで最新の内容をご確認ください。