Google Workspaceを法人で使う手順|プランの選び方と独自ドメインのメール設定

・会議・情報共有・会社のはじめかた編集部(監修:田中 祐介)

会社をつくると、まず必要になるのが「@会社名.co.jp」のような独自ドメインのメールアドレスです。Google Workspaceは、そのメールとカレンダー、ファイル共有、ビデオ会議をまとめて用意できるサービスとして、法人の立ち上げ期によく選ばれています。この記事では、契約前に決めておくこと、プランを選ぶときの判断の順番、独自ドメインでメールを使えるようにするまでの手順を、実際に手を動かす流れに沿って整理します。

この記事の結論

  • 法人でGoogle Workspaceを使うときは、①独自ドメインを決める→②プランを選ぶ→③管理者アカウントを作る→④ドメイン所有権の確認とMXレコード設定→⑤ユーザー追加、の順で進めるとつまずきにくいです。
  • プラン選びは「ビデオ会議の録画や共有ドライブが要るか」「情報管理のルールをどこまで作り込むか」の2点で判断し、迷う場合はまず標準的なビジネス向けプランから始めて後で見直す方法があります。
  • 独自ドメインのメールを使うには、ドメインの所有権確認とDNSのMXレコード変更が必要で、切り替え直後は反映に時間がかかることがあるため、業務が落ち着いている時間帯に作業するのが安全です。

法人でGoogle Workspaceを導入する全体の流れ

最初に全体像をつかんでおくと、途中で手が止まりません。流れは大きく5段階です。①会社で使う独自ドメインを決めて取得する、②プランを選ぶ、③管理者となるアカウントで申し込む、④ドメインの所有権確認とメール用のDNS設定を行う、⑤社員やメンバーのアカウントを追加する、という順序になります。

このうち、あとから変更しにくいのはドメインです。プランは契約後に見直せることが多い一方、メールアドレスのドメイン(@のうしろ)を変えると名刺も請求書も取引先への連絡も全部やり直しになります。会社名や将来のサービス名との整合を、最初にしっかり考えておきましょう。

作業時間の目安としては、ドメインを既に持っていれば、申し込みからメール送受信の確認まで1〜2時間程度で一通り終えられます。ただしDNSの反映待ちが発生することがあるため、法人設立直後の忙しい日ではなく、半日余裕のある日に着手するのがおすすめです。

契約前に決めておく3つのこと(ドメイン・管理者・アドレスの付け方)

1つめはドメインです。法人であれば、日本で登記した会社が登録できる「.co.jp」を選ぶか、汎用的な「.com」「.jp」を選ぶかで迷う人が多いところです。取引先に法人であることが伝わりやすい点を重視するなら.co.jp、サービス名でブランドを作っていきたいなら.comや.jp、という分け方が実務的な判断基準になります。両方取得して片方を転送用にする会社もあります。

2つめは管理者を誰にするかです。Google Workspaceには「管理コンソール」を操作できる特権アカウントがあり、ここを押さえている人がユーザー追加やパスワードのリセットを行います。ひとり社長ならご自身が管理者になりますが、日常業務用のアカウントとは別に管理専用アカウントを用意しておくと、退職や引き継ぎのときに扱いやすくなります。

3つめはメールアドレスの付け方のルールです。「姓のみ」「姓.名」「名のみ」などを最初に決めておかないと、人が増えたときに統一が崩れます。あわせて、info@・support@・keiri@ のような部署・用途別のアドレスをどう扱うかも、この段階で方針を決めておくと後が楽です。

法人向けプランの選び方|どこを見て決めるか

Google Workspaceの法人向けプランは、名前のうえでは入門的なものから上位のものまで段階的に用意されています。料金や提供内容は変更されることがあるため、金額や容量は必ずGoogleの公式サイトで最新情報を確認してください。ここでは、金額以外のどこを見て決めるか、という判断の順番を示します。

まず見るのは「ビデオ会議をどう使うか」です。社内の打ち合わせだけで、録画を残す必要がないなら入門的なプランでも足ります。一方、商談や面接を録画して社内共有したい、参加人数の多いウェビナー的な使い方をしたい、という場合は、会議機能が強化された中位以上のプランが候補になります。

次に見るのが「ファイルの持ち方」です。個人のドライブではなく、部署やプロジェクト単位の共有ドライブでファイルを管理したい場合は、共有ドライブが使えるプランかどうかを確認します。退職者が出たときにファイルが個人アカウントに紐づいたまま残るのを避けたい会社は、ここを優先度高めに見てください。

最後に「情報管理をどこまで作り込むか」です。端末管理を細かく制御したい、メールの保存・検索ルールを厳格に運用したい、といった要件があるなら上位プランやエンタープライズ向けの検討になります。立ち上げ期で判断がつかないなら、標準的なビジネス向けプランで始め、人数や運用が固まった段階で見直す進め方が現実的です。

申し込みと独自ドメインのメール設定手順

申し込みは、Google Workspaceの公式サイトから行います。用意するのは、会社名・所在地・連絡先電話番号・担当者名・支払い用のクレジットカードなど、一般的な法人契約の情報です。途中で「ドメインを持っていますか」と聞かれるので、すでに取得済みならそのドメインを入力し、未取得なら申し込みの流れの中で取得することもできます。

申し込みが終わると、管理コンソールで「ドメインの所有権の確認」を求められます。これは、そのドメインが自分のものであることを示す作業で、ドメインを管理しているレジストラ(ドメインを取得した事業者)の設定画面に、指定されたTXTレコードなどを登録する形が一般的です。画面の案内どおりに貼り付ければ完了します。

所有権が確認できたら、メールを受け取るための「MXレコード」を設定します。MXレコードは、そのドメイン宛のメールをどのサーバーに届けるかを決める設定で、ここをGoogle側の値に書き換えることで、@会社名のメールがGmailの画面に届くようになります。既存のメールサービスを使っていた場合は、切り替えた瞬間から新しい側に届くようになるため、移行のタイミングに注意してください。

設定後は、外部のメールアドレスから自社ドメイン宛にテスト送信し、受信と返信の両方を確認します。あわせて、なりすまし対策に関わるSPFなどの設定についても、Googleのヘルプの案内に沿って確認しておくと、送ったメールが相手に届かない、といったトラブルを減らせます。

アカウント追加と、最初にやっておきたい管理設定

ドメインのメールが動いたら、管理コンソールからユーザーを追加します。1人ずつ追加するほか、人数が多い場合はCSVでまとめて登録する方法もあります。追加した本人には初回ログイン用の情報を渡し、最初のログイン時にパスワードを変更してもらう運用にしておくと安全です。

部署や用途ごとの窓口アドレスは、ユーザーを1つ増やすのではなく、グループ(メーリングリスト)として作る方法があります。info@ を複数人で受ける、経理宛のメールを担当者2名に届ける、といった使い方ができ、担当者が代わってもアドレスを変えずに済みます。

最初にやっておきたい設定としては、2段階認証の有効化、管理者アカウントの復旧用連絡先の登録、共有ドライブの作成と命名ルール、外部共有をどこまで許可するかの方針、の4つがあります。人数が少ないうちにルールを決めておくと、あとから全員に周知し直す手間が省けます。

なお、会計や請求関係の書類をドライブで保管する場合、電子帳簿保存法など保存方法に関する制度が関わることがあります。要件の詳細は所管官庁の資料を確認し、自社の保存方法が適切かどうかは税理士にご確認ください。

よくあるつまずきと、既存メールからの移行

つまずきやすいのは、ドメインを取得した事業者とDNSを管理している場所が違うケースです。レジストラの管理画面でいくらMXレコードを直しても、実際のDNSが別サービス(レンタルサーバーやCDNなど)を向いていると反映されません。まず「このドメインのネームサーバーはどこを向いているか」を確認してから、正しい管理画面で作業してください。

既存のメールからの移行では、過去のメールをどうするかを決めておきます。Google Workspaceにはデータ移行の機能が用意されていますが、移行元のサービスや設定によって使える方法が異なります。件数が多い場合は時間がかかるため、切り替え当日に全部終わらせようとせず、先に新旧両方で受信できる期間を設けると安全です。

もうひとつ多いのが、退職・交代時の扱いです。アカウントを即削除するとメールやファイルにアクセスできなくなるため、一定期間は停止状態にして、必要なデータを引き継いでから削除する、という順番を社内ルールにしておくとよいでしょう。

導入に伴う費用の会計処理や、従業員のアカウント運用に関する社内規程の作り方で迷う場合は、税理士や社会保険労務士に相談すると自社の実情に合った整理がしやすくなります。契約内容や個人情報の取り扱いに不安がある場合は、弁護士に確認する方法もあります。

よくある質問

法人でもGoogle Workspaceの無料版は使えますか?

独自ドメインのメールやユーザー管理を行うには、法人向けの有料プランの契約が前提になります。個人用の無料Gmailでも業務連絡自体はできますが、退職時のアカウント管理や共有ドライブの運用ができないため、会社として使うならWorkspaceの契約を検討する形が一般的です。提供内容は変わることがあるので、公式サイトで最新の内容を確認してください。

プランはあとから変更できますか?

契約の内容や時期によって条件は異なりますが、上位プランへの変更や人数の増減は管理コンソールから手続きできる場合が多いです。ただし年間契約か月ごとの契約かで扱いが変わることがあるため、申し込み時に契約形態を確認しておくと安心です。詳細な条件は各社・公式の案内で最新情報をご確認ください。

独自ドメインのメールが届かないときは何を見ればよいですか?

まずDNSのネームサーバーがどこを向いているかを確認し、そのDNS管理画面にGoogleの指定するMXレコードが正しく入っているかを見ます。設定直後は反映に時間がかかることがあるため、しばらく待ってから再テストしてください。それでも届かない場合は、古いメールサービス側のMX設定が残っていないかも確認するとよいでしょう。

会社設立前にドメインやアカウントを用意しても大丈夫ですか?

設立準備中にドメインを押さえておくこと自体はよく行われています。ただし「.co.jp」は日本で登記された法人が対象のため、登記完了後でないと取得できないことがあります。契約名義や費用の取り扱い(設立前の支出の処理)は判断が分かれる場合があるので、税理士にご確認ください。

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この記事は一般的な情報をまとめたものです。税務・法務・労務の個別の判断については、税理士・弁護士・社会保険労務士などの専門家にご相談ください。 料金や条件は変わることがあるため、お申し込み前に必ず各サービスの公式サイトで最新の内容をご確認ください。