Zoomの議事録を自動作成する手順|AI要約の設定と保存先

・会議・情報共有・会社のはじめかた編集部(監修:田中 祐介)

「会議のたびに議事録を手打ちしている」「録画は残っているけれど、誰も見返していない」。小さな会社ほど、議事録は後回しになりがちです。ZoomにはAIアシスタント機能(AI Companion)による要約や、録画の文字起こしといった仕組みがあり、設定さえ済ませておけば会議のたびに手を動かす量を大きく減らせます。この記事では、設定の場所、会議中の操作、できあがったものがどこに保存されるか、そしてホスト以外のメンバーがどう受け取るかを、実務の順番どおりに整理します。

この記事の結論

  • ZoomのAI要約(AI Companion)は、Webポータルの設定でオンにしたうえで、会議中にホストが開始する流れが基本です。
  • 作成された要約はホストのメールとZoomのWebポータル上に届き、共有相手の範囲はホスト側の設定で決まります。
  • AI要約と録画の文字起こしは別の機能で、契約プランや管理者のポリシーによって使える範囲が変わるため、まず自社の管理画面で利用可否を確認してください。

Zoomの議事録自動作成には2つの経路がある

Zoomで議事録らしきものを自動で作る方法は、大きく2つに分かれます。ひとつはAIアシスタント機能による「会議の要約」で、会議が終わると議題や決まったことが箇条書き風にまとめられたテキストが生成されます。もうひとつは「文字起こし(トランスクリプト)」で、発言をそのままテキスト化したものです。

この2つは目的が違います。要約は、会議に出ていない人へ共有したり、社内の記録として残したりするのに向きます。文字起こしは、発言の正確なニュアンスを後から確認したいとき、たとえば取引条件のすり合わせや面談の記録に向きます。両方を残しておくと、要約で全体を追い、気になる箇所だけ文字起こしで確認する、という使い方ができます。

どちらが使えるかは契約しているプランと、組織の管理者が設定したポリシーで変わります。無料で使える範囲や機能名は変更されることがあるため、まずは自社のZoom Webポータルにログインし、設定画面に該当項目が表示されるかどうかを確認するところから始めてください。最新の対応状況はZoomの公式ヘルプで確認するのが確実です。

AI要約を使うための設定手順(ホスト側)

準備として必要なのは、Zoomアカウントへのログイン情報と、組織で使っている場合は管理者権限(または管理者への依頼)です。手順は、①ブラウザでZoomのWebポータルにサインインする、②「設定」内のAIアシスタント(AI Companion)に関する項目を開く、③会議の要約に関するスイッチをオンにする、④生成された要約を誰に自動送信するかの範囲を選ぶ、という流れになります。

組織アカウントの場合、個人の設定画面にスイッチが出てこないことがあります。これは管理者側のアカウント設定でロックされているケースが多く、その場合は管理者に「AI要約を有効にしてほしい」と依頼する必要があります。情報の取り扱い方針を決めてから開放する会社も多いので、依頼するときは用途もあわせて伝えるとスムーズです。

設定を変えたあとは、実際の会議の前にテスト会議を1本立てて、要約が生成されるか、どこに届くかを確認しておくと安心です。本番の商談や面談でいきなり試すと、生成されていなかったときに取り返しがつきません。

会議中の操作と、ホスト以外の参加者から見える動き

設定を済ませたら、会議中の操作はシンプルです。ホストが会議画面のツールバーからAIアシスタントの項目を開き、会議の要約を開始します。自動で開始する設定にしておけば、会議が始まった時点で要約が動き出すため、開始操作を忘れる心配が減ります。定例会議が多い会社は自動開始にしておくほうが運用が安定します。

要約が動いている間は、参加者の画面にその旨が表示されるのが一般的です。ホスト以外の参加者が自分で要約を開始・停止することは通常できず、ホスト、または共同ホストに権限が与えられている場合に操作できる、という形になります。「ホスト以外も議事録がほしい」という場合は、後述する共有設定で対応します。

社外の方が参加する会議で使うときは、開始前にひとこと「要約機能を使わせていただきます」と伝えるのが実務上の礼儀です。録音・録画やAIによる記録は相手の受け止め方が分かれる領域なので、黙って使わない運用にしておくと、後々のトラブルを避けやすくなります。契約や個人情報が絡む会議での取り扱いに不安がある場合は、弁護士に確認しておくと安心です。

作成された要約・文字起こしの保存先はどこか

AI要約は、会議終了後しばらくしてから生成され、ホストのメールアドレスに届くとともに、ZoomのWebポータル内の該当メニューから一覧で確認できるのが基本的な流れです。ポータル上では過去の会議分もまとめて見られるため、「あの件はいつ決まったか」を後から探すときはここを見ます。生成までに少し時間がかかることがあるので、会議直後に届かなくても慌てずに待ってください。

誰に届くかは、設定画面で選んだ共有範囲に従います。ホストだけ、会議の参加者全員、同じ組織内のユーザーのみ、といった選択肢が用意されていることが多く、社外参加者がいる会議では共有範囲を絞る運用が無難です。参加者全員に自動送信する設定にしていると、社外の方にも社内の言い回しがそのまま届いてしまうことがあります。

録画の文字起こしは、クラウド録画のデータと一緒に保管され、録画の再生画面からテキストを表示したりダウンロードしたりできる形が一般的です。ローカル録画(自分のPCに保存する方式)の場合は、クラウド側の文字起こしが作られないことがあるため、テキストを残したいならクラウド録画を選ぶ、という判断になります。

後から文字起こししたい、無料枠で使いたいときの考え方

「録画は残っているが、そのときは文字起こしをオンにしていなかった」というケースはよくあります。まずはクラウド録画の管理画面を開き、該当の録画にトランスクリプトの生成や表示のメニューがないかを確認してください。見当たらない場合は、録画ファイル(音声)をダウンロードし、別の文字起こしツールに読み込ませる方法に切り替えます。外部ツールを使うときは、会議内容が社外のサーバーに渡ることになるため、機密性の高い会議では利用可否を社内で決めてから使ってください。

無料で使える範囲については、プランや提供状況によって変わります。有料プランのみの機能、期間限定で開放されている機能、管理者設定で制限されている機能が混在するため、「無料で使えるかどうか」は一般論では判断できません。自社アカウントの設定画面に項目が表示されるか、表示されてもグレーアウトしていないかを見るのが、いちばん早い確認方法です。料金や提供条件は各社の公式サイトで最新の情報を確認してください。

なお、AIが作った要約や文字起こしは、固有名詞や数字を取り違えることがあります。社内の記録として残す前に、決定事項・担当者・期限の3点だけは人の目で確認する、というルールを作っておくと実用に耐えます。特に金額や日付が絡む内容は、そのまま社内に流さないほうが安全です。

議事録を「残す」から「使える」にする社内ルール

自動生成が回り始めると、今度は「たくさん残っているが誰も見ない」という別の問題が出ます。おすすめは、会議の種類ごとに保存先をひとつに決めることです。たとえば、取締役会や重要な意思決定の会議は社内の文書管理フォルダへ、定例のミーティングはZoom側に置いたままにする、といった切り分けです。探す場所が2つ以上あると、結局どちらも見なくなります。

株主総会や取締役会のように、法律上の記録として議事録の作成・保存が求められる場面では、AI要約をそのまま正式な議事録として扱うのは避けたほうがよい場面があります。必要な記載事項や署名・押印の扱いには決まりがあるため、AI要約は下書きとして使い、正式な書面は別に整える、という二段構えが現実的です。取り扱いに迷う場合は司法書士や弁護士にご確認ください。

また、会議の記録には従業員や取引先の発言が含まれます。保存期間、アクセスできる人の範囲、退職時の扱いを社内で決めておくと、後から慌てずに済みます。個人情報や労務に関わる記録の保管ルールについては社会保険労務士、契約や機密保持に関わる部分については弁護士、経理上の証憑としての扱いについては税理士に相談し、自社の実情に合った運用を固めていくことをおすすめします。

よくある質問

Zoomの議事録は、ホスト以外の参加者も受け取れますか。

ホストが設定した共有範囲によります。参加者全員や同じ組織内のユーザーへ自動送信する設定を選べる場合があり、その場合はホスト以外にも届きます。社外の方が参加する会議では、共有範囲を絞る運用を検討してください。

録画したあとから文字起こしはできますか。

クラウド録画であれば、録画の管理画面から文字起こしを表示・生成できる場合があります。見当たらない場合は音声ファイルを書き出して別のツールで文字起こしする方法もありますが、機密性の高い内容は社内での利用可否を決めてから行ってください。

AIが作った要約を、そのまま取締役会の議事録として使えますか。

法律上の記録として求められる議事録には記載事項や保存の決まりがあるため、AI要約をそのまま正式な議事録とするのは避けたほうがよい場面があります。下書きとして活用し、正式な書面は別に整える形が現実的です。取り扱いは司法書士や弁護士にご確認ください。

設定画面にAI要約の項目が表示されません。

契約プランで提供されていないか、組織の管理者が設定をロックしている可能性があります。管理者に利用可否を確認し、必要であれば用途を伝えて有効化を依頼してください。提供条件は変更されることがあるため、公式ヘルプでも最新情報を確認しましょう。

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この記事は一般的な情報をまとめたものです。税務・法務・労務の個別の判断については、税理士・弁護士・社会保険労務士などの専門家にご相談ください。 料金や条件は変わることがあるため、お申し込み前に必ず各サービスの公式サイトで最新の内容をご確認ください。