採用コンサルティングの費用相場|採用代行(RPO)との違いと依頼範囲の決め方

・採用・労務・会社のはじめかた編集部(監修:田中 祐介)

「採用がうまくいかないので、そろそろプロに頼みたい。でも、いくらかかるのか見当がつかない」——これは、はじめて社員を採る会社からよく聞く悩みです。採用コンサルティングの費用は、金額そのものより「どの料金体系で、どこまでやってもらうか」で決まります。この記事では、費用の考え方、採用代行(RPO)や採用ブランディングとの違い、そして見積りを取るときの順番を整理します。

この記事の結論

  • 採用コンサルティングの費用は、月額の顧問型・期間を区切ったプロジェクト型・採用決定時の成果報酬型のいずれかが基本で、同じ「採用支援」でも体系が違えば総額の見え方が大きく変わります。
  • 採用コンサルティングは「採用の設計と意思決定の支援」、採用代行(RPO)は「スカウト送信や日程調整などの実務の代行」が中心で、自社に足りないのが判断力か手数かで選び分けます。
  • 見積りを比べるときは金額の大小ではなく、契約期間・稼働量の目安・成果物・誰が担当するか・途中解約の条件の5点をそろえて比較します。

採用コンサルティングの費用相場は、なぜ一言で言えないのか

採用コンサルティングの費用を調べると、金額の幅が非常に広いことに気づくはずです。理由は単純で、「採用コンサルティング」という言葉が指す範囲が会社ごとにまったく違うからです。月1回の壁打ちミーティングだけの契約と、採用計画の策定から求人票の書き直し、面接官トレーニング、媒体運用までを含む契約が、同じ名前で売られています。

そのため、相場を先に知ろうとすると、かえって判断を誤ります。順番としては、①自社が困っているのはどの工程か、②それを外に出すとどの料金体系になるか、③その体系で複数社から見積りを取る、という流れが現実的です。金額は最後に比べるもの、と考えてください。

なお、具体的な料金は支援会社ごとに設定されていて、公開していないところも少なくありません。候補を絞ったうえで、各社の公式サイトや問い合わせで最新の料金と契約条件を確認してください。

料金体系は大きく3つ|顧問型・プロジェクト型・成果報酬型

1つめは月額顧問型です。毎月決まった額で、定例ミーティングやチャットでの相談、資料レビューなどを受けます。採用をこれから継続的に行う会社や、社内に採用担当が1人しかいない会社と相性がよい形です。ただし「相談はできるが手は動かない」契約も多いので、稼働に実務が含まれるかを最初に確認します。

2つめはプロジェクト型です。「採用計画の策定」「求人票と採用ページのリニューアル」「面接フローの設計」など、目的と期間を区切って契約します。成果物がはっきりするため、はじめて外注する会社にとっては予算が読みやすい形です。終わった後の運用を誰が担うかを、契約前に決めておくと後で困りません。

3つめは成果報酬型です。採用が決まったタイミングで費用が発生する形で、人材紹介に近い考え方です。入社しなければ費用が抑えられる一方、決まった人の想定年収に連動して総額が動くこと、返金や返戻の条件が契約ごとに違うことに注意します。3つを組み合わせたハイブリッドの提案も一般的です。

採用コンサルティングと採用代行(RPO)の違いは「判断」か「手数」か

採用コンサルティングは、どんな人を、いつまでに、どの経路で採るかという設計と、その意思決定の支援が中心です。求める人物像の言語化、求人票の訴求の見直し、選考基準のすり合わせ、面接官の目線合わせなど、社内では決めきれないことを外の視点で整理してもらうイメージです。

一方の採用代行(RPO)は、スカウトの送信、応募者への一次返信、日程調整、媒体の入稿や更新といった実務の巻き取りが中心です。やることは決まっているのに人手が足りない、という状態に向いています。実務を任せるぶん、月あたりの作業量や対応範囲が費用に直結します。

迷ったら、この順で見てください。まず「何を直せばよいか分かっているか」を自問します。分からないならコンサルティング寄り、分かっているが手が回らないならRPO寄りです。両方に当てはまるなら、最初の1〜2か月だけ設計を依頼し、その後は実務代行に切り替える、という段階的な組み方もできます。

採用ブランディングの費用は、どこまでを含めるかで変わる

採用ブランディングは、自社の魅力や働き方を整理して、候補者に伝わる形にする取り組みです。費用の幅が大きい理由は、コンセプト設計だけで終わるのか、採用サイトの制作、写真や動画の撮影、社員インタビュー記事、SNS運用まで含むのかで、関わる人数も期間も変わるからです。

小さな会社が最初に手をつけるなら、大がかりな制作より先に「言葉」を整える順番をおすすめします。なぜこの会社で働くのか、入社後1年で何ができるようになるのか、他社と何が違うのか。この3つが書けていないと、サイトを作り直しても応募は増えにくいものです。

制作を伴う依頼をするときは、著作権や写真の使用範囲、公開後の修正が何回まで含まれるか、更新を自社でできる形で納品されるかを見積り時点で確認します。ここが曖昧だと、公開後に追加費用が積み上がりがちです。

見積りを比較するときに見る5つの項目

1つめは契約期間と最低利用期間です。月額型は半年や1年の縛りがあることがあります。2つめは稼働量の目安で、月何時間、定例は月何回、チャットの返信はどの時間帯か、まで書かれているかを見ます。3つめは成果物で、「支援します」ではなく、何のドキュメントが残るかを確認します。

4つめは担当者です。提案してくれた人がそのまま担当するのか、実務は別のメンバーが担うのかで、体験は大きく変わります。5つめは途中解約と追加費用の条件です。スカウト媒体や求人広告の費用が別途かかる場合、そのお金の流れ(自社契約か、支援会社経由か)も確認しておきます。

比較の順番としては、まず3社程度に同じ資料(直近の募集職種、応募数と選考の通過状況、困っていること)を渡して提案を受けます。同じ情報から出てきた提案を並べると、各社の得意分野と費用の考え方の違いが見えてきます。

外注する前に、社内で決めておきたいこと

外注の効果は、社内側の準備でかなり変わります。最低限、①募集する職種と人数、②入社してほしい時期、③採用にかけられる年間の上限予算、④社内の意思決定者と、面接に出られる人の稼働の4つは、依頼前に決めておきます。ここが決まっていないと、コンサルティングの時間の多くが社内調整の整理に使われてしまいます。

また、採用が決まった後の手続き——雇用契約書の用意、労働条件の明示、社会保険や雇用保険の加入手続きなど——は、採用支援の契約に含まれないことが一般的です。入社日が近づいてから慌てないよう、誰がいつ何をするかを先に割り振っておきましょう。制度の要件の詳細は、所管官庁の資料もあわせて確認してください。

はじめての採用で労働条件の設定や就業規則の整備に不安がある場合、採用支援とは別に社会保険労務士に相談すると、手続きと書式の面が整理しやすくなります。契約書の内容や業務委託との線引きで迷う場合は弁護士など、内容に応じた専門家への確認も検討してください。

よくある質問

採用コンサルティングの費用相場は、いくらぐらいですか。

料金体系(月額顧問型・プロジェクト型・成果報酬型)と依頼範囲によって大きく変わるため、一律の相場としてお伝えできる金額はありません。候補を2〜3社に絞り、同じ条件で見積りを取って比較するのが現実的です。金額は各社の公式サイトや問い合わせで最新の情報を確認してください。

採用代行(RPO)と採用コンサルティング、どちらを先に頼むべきですか。

何を直せばよいかが社内で分かっていない段階なら、設計を扱う採用コンサルティングから入るほうが無駄が少なくなります。逆に、やるべきことは明確なのに人手が足りないだけなら、実務を巻き取る採用代行が向いています。最初に設計を短期で依頼し、その後に実務代行へ移す組み方もあります。

社員数人の会社でも、採用ブランディングを外注する意味はありますか。

あります。ただし、いきなり採用サイトや動画の制作から始めるより、自社の魅力と働き方を言葉にする作業を先に置くほうが、費用対効果を見極めやすくなります。まずは小さな範囲のプロジェクト型で依頼し、成果物を見てから次の範囲を決める進め方が取り組みやすいでしょう。

採用支援を頼めば、入社後の手続きもやってもらえますか。

雇用契約書の作成や社会保険・雇用保険の手続きは、採用支援の契約範囲に含まれないことが一般的です。手続きや労働条件の設定に不安がある場合は、社会保険労務士に相談すると整理しやすくなります。要件の詳細は所管官庁の資料もあわせて確認してください。

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この記事は一般的な情報をまとめたものです。税務・法務・労務の個別の判断については、税理士・弁護士・社会保険労務士などの専門家にご相談ください。 料金や条件は変わることがあるため、お申し込み前に必ず各サービスの公式サイトで最新の内容をご確認ください。