Notionで社内wikiを作る手順|構成の決め方とテンプレートの使い方
「あの手続き、どこに書いてあったっけ」を毎回誰かに聞いている状態は、人数が増えるほど時間を食います。Notionで社内wikiを作ると、その「聞く」を「探す」に変えられます。この記事では、最初のページをどう切るか、テンプレートをどう使うか、作った後にどう運用するかを、手を動かす順番どおりに説明します。
この記事の結論
- Notionで社内wikiを作るときは、いきなり全部作らず「入社した人が最初の1週間で困ること」から3〜5ページだけ作り、使いながら増やすのが続けやすい進め方です。
- 構成は「会社のこと/働き方のルール/業務マニュアル/議事録・決定事項」の4本柱を親ページにし、その下にデータベースをぶら下げる形が、少人数の会社では扱いやすい形です。
- 個人利用や小規模での利用であれば無料の範囲で始められる場合がありますが、メンバー数や権限管理、履歴保持などで条件が変わるため、最新の内容はNotionの公式サイトで確認してください。
そもそもNotionで社内wikiを作ると何が変わるのか
社内wikiは、会社の中で繰り返し聞かれることを、聞かなくても分かる場所に置いておく仕組みです。経費精算の出し方、有給の申請先、取引先ごとの請求のクセ、そういった「毎回誰かに確認していること」を文字にしておくと、確認のための往復が減ります。ひとり社長のうちは自分の記憶で回りますが、その記憶は人を採用した瞬間にボトルネックになります。
Notionが向いているのは、ページの中に表(データベース)を置けて、ページ同士をリンクでつなげられるところです。マニュアルの本文の中に「議事録のデータベース」を埋め込んだり、業務手順から関連する規程ページへ飛ばしたりできるので、情報が散らばりにくくなります。
一方で、何でも書ける自由度の高さは、そのまま「どこに何を書けばいいか分からない」という迷いにもなります。だからこそ、最初に構成のルールを決めてから作りはじめるのが、遠回りに見えて近道です。
作る前に決める3つのこと(構成の決め方)
最初に決めるのは、①誰が読むか、②どこまで書くか、③誰が直せるか、の3つです。読み手が社員だけなのか、業務委託の方も見るのかで、載せられる情報の範囲が変わります。業務委託や外部パートナーが見る前提なら、給与や個人情報に関わるページは別の場所に分けておくと、後から権限を整理する手間が減ります。
次に「どこまで書くか」です。おすすめの考え方は、二度以上聞かれたことだけ書く、というルールです。まだ一度しか発生していない業務を先回りしてマニュアル化すると、更新されないまま古い情報になりがちです。逆に、二度聞かれたことは三度目が来るので、その場でページにしてしまいます。
最後に更新の責任者です。小さな会社では「全員が編集できる」で構いませんが、代わりに「直したら直しっぱなしにせず、更新日と更新者を残す」ルールを置きます。Notionは編集履歴が残りますが、履歴の保持条件はプランによって異なるため、重要な規程類は別途PDFなどで保存しておくと安心です。
Notion社内wikiの基本構成:最初に作る4つの親ページ
少人数の会社で扱いやすいのは、親ページを4つだけに絞る形です。1つ目は「会社のこと」。事業内容、連絡先、取引先一覧、名刺やロゴなどのデータ置き場をまとめます。2つ目は「働き方のルール」。勤怠の付け方、経費精算の流れ、休暇の申請先、備品の買い方など、人事労務まわりの実務です。就業規則そのものの内容は社会保険労務士に確認したうえで、wikiには「どこに何を出すか」という運用面を書くと使いやすくなります。
3つ目は「業務マニュアル」。請求書の作成から送付まで、月次で何をするか、ツールのログイン手順といった、手を動かす手順書を置きます。ここはページが増えるので、最初からデータベース(テーブル)にして、「業務カテゴリ」「担当」「最終更新日」のプロパティを付けておくと後で探しやすくなります。
4つ目は「議事録・決定事項」。定例の議事録と、そこで決まったことを分けて置くのがコツです。議事録は時系列で積み上がりますが、決まったルールは最新版だけ見たいからです。議事録データベースの中に「決定事項」というチェックボックスや、決定事項だけを集めたビューを用意すると、後から探す時間が短くなります。
この4つ以外を作りたくなったら、まず4つのどれかに入らないかを考えます。入らないものだけ5つ目を作る、という順番にすると、階層が無闇に増えません。
実際の作成手順:最初の1週間でここまで作る
初日にやるのは、ワークスペースの作成と、親ページ4つを空のまま作ることだけです。中身がなくても、箱を先に作っておくと「どこに書くか」で迷わなくなります。親ページのタイトルは、迷ったら上の4つの名前をそのまま使ってしまって構いません。
2日目以降は、「入社した人が最初の1週間で困ること」を3〜5個書き出し、それだけをページにします。具体的には、使っているツールとログイン方法の一覧、経費精算の出し方、連絡の取り方(どのチャットで何を話すか)、定例の日時、困ったときの連絡先あたりです。ここまで作れば、社内wikiとして最低限機能します。
3日目以降は、議事録データベースを作ります。新規データベースを作り、プロパティに「日付」「参加者」「種類(定例・商談・臨時)」を用意し、テンプレート機能で議事録のひな形を登録します。ひな形には「決まったこと」「持ち帰り(担当・期限)」「次回までの宿題」の3見出しを入れておくと、会議のたびに書式を考えずに済みます。
1週間の最後に、トップページに「よく見るページ」へのリンクを並べます。検索で探せるからリンクは不要と思いがちですが、最初の1か月は入口が見えていることが定着を左右します。ここまでで一区切りとし、残りは運用しながら増やしていきます。
テンプレートの使い方と、自作との使い分け
Notionには公式のテンプレートギャラリーがあり、社内wikiやナレッジベースの雛形も公開されています。使い方は、テンプレートのページを開いて自分のワークスペースに複製し、不要なページを削除してから中身を置き換える、という順番です。最初から全部自作するより速いのは確かですが、複製したまま埋めずに放置すると、空のページだらけのwikiになってしまいます。
使い分けの目安はこうです。議事録・日報・1on1メモのように「毎回同じ形で書くもの」はテンプレートが有効です。逆に、会社のルールや業務手順のように「自社にしかない内容」は、テンプレートの構成を参考にしつつ、中身は自分たちの言葉で書いたほうが早く仕上がります。
テンプレートを複製するときは、公開されているものに個人情報や社外秘を書き込む前に、共有範囲の設定を必ず確認してください。ページの共有設定がWeb公開のままになっていないか、招待されているメンバーは誰か、この2点だけは作成直後にチェックする癖をつけておくと安心です。
無料で使える範囲と、有料を検討するタイミング
Notionには無料で使えるプランがあり、個人や小規模での利用であれば、まず費用をかけずに試せる場合があります。ただし、メンバーを招待できる人数、ファイルのアップロード、編集履歴をどこまで遡れるか、細かい権限設定ができるかといった条件はプランによって異なり、内容も変わることがあります。料金やプランの詳細は、Notionの公式サイトで最新の情報を確認してください。
有料を検討する目安としては、①社員や業務委託が増えて、見せたい人と見せたくない人を分ける必要が出たとき、②誤って消されたページを遡って戻したい場面が出てきたとき、③社外の人と一部だけ共有する運用が常態化したとき、の3つです。逆に、ひとり社長で当面は自分だけが書くという段階なら、無料の範囲で始めて困ってから考える、で十分間に合うことが多いです。
なお、契約書や請求書などの国税関係書類をNotionに保存して原本の代わりにできるかは、電子帳簿保存法の保存要件との兼ね合いがあり、単にファイルを置いただけでは要件を満たさないと扱われることがあります。保存方法の判断は国税庁の資料を確認し、自社のやり方で問題ないかは税理士にご相談ください。
作った後に続けるための運用ルール
社内wikiが止まる原因のほとんどは、内容の質ではなく「更新のきっかけがないこと」です。そこで、更新のタイミングを既存の予定にくっつけます。たとえば、月次の締め作業の日に「今月変わったルールはないか」を5分だけ確認する、定例会議の最後に「今日決まったことをwikiに書くのは誰か」を決める、といった形です。
もうひとつ効くのが、口頭やチャットで質問されたときの返し方です。答えを直接返す前に、まずwikiにページを作って、そのリンクを返します。手間は増えますが、二回目からは検索で解決するようになり、結果的に説明の総量が減っていきます。
古くなった情報を消す判断も決めておきます。ページの先頭に「最終更新日」と「この内容の担当」を書いておき、1年以上更新がないものは内容を見直すか、アーカイブ用のページへ移動します。消すのが怖い場合は、削除せず「アーカイブ」に移すだけでも、現役の情報が見つけやすくなります。
就業規則や労務まわりを載せるときの注意点
社内wikiに書きやすいのは「運用の手順」で、書くときに慎重さが要るのは「制度そのものの内容」です。有給休暇の付与日数や残業の取り扱い、退職時の手続きなどは、法令や自社の就業規則に沿った記載である必要があり、wikiの記載と規程の内容がずれていると、後々のトラブルにつながることがあります。
実務的には、wikiには「申請はこのフォームから、締切は毎月◯日まで、承認者は◯◯」といった運用面を書き、制度の詳細は就業規則の該当条文へのリンクや所在を示すにとどめるのが扱いやすい形です。規程の原本はwikiとは別に、改訂履歴が分かる形で管理しておきます。
就業規則の作成・変更や、労働時間・休暇の取り扱いの判断は、社会保険労務士にご相談ください。あわせて、経費精算や書類の保存方法など税務に関わる部分は税理士に、契約書のひな形を社内wikiで共有する場合の記載内容は弁護士に確認しておくと、後から直す手間を減らせます。
よくある質問
Notionの社内wikiは無料で使えますか?
個人や小規模での利用であれば、無料の範囲で始められる場合があります。ただし、招待できるメンバー数や権限設定、編集履歴の保持などの条件はプランによって異なり、変更されることもあるため、最新の内容はNotionの公式サイトで確認してください。
社内wikiは何ページくらいから作ればいいですか?
最初は3〜5ページで十分です。入社した人が最初の1週間で困ること(ツールのログイン、経費精算の出し方、連絡手段、定例の日時、困ったときの連絡先)から作り、質問が二度出たテーマを足していくと、使われないページが増えにくくなります。
テンプレートを複製して使っても大丈夫ですか?
公式のテンプレートギャラリーから複製して使うのは一般的な進め方です。複製後は不要なページを削除し、共有設定がWeb公開のままになっていないか、招待メンバーは誰かを作成直後に確認しておくと安心です。
契約書や請求書をNotionに保存して原本の代わりにできますか?
国税関係書類の電子保存には電子帳簿保存法上の保存要件があり、ファイルを置いただけでは要件を満たさないと扱われることがあります。保存方法については国税庁の資料を確認のうえ、自社の運用で問題ないか税理士にご確認ください。