ドキュサインの転送機能|署名を他の担当者に回す設定と手順
「自分あてに署名依頼が届いたけれど、契約印を押す権限は社長にある」「担当が変わったので後任に回したい」。電子契約でよくあるこの場面で使うのが、ドキュサインの転送(署名者の変更/別の担当者に割り当て)です。この記事では、受信側が転送する手順、送信側で転送を許可・禁止する設定、転送ボタンが出てこないときの確認順を整理します。
この記事の結論
- ドキュサインで届いた署名依頼を別の人に回すには、署名画面の「その他の操作」から「別の担当者に割り当て」(署名者の変更)を選び、新しい署名者の氏名・メールアドレスと理由を入力します。
- 転送できるかどうかは送信者側のエンベロープ設定とアカウント設定で決まるため、ボタンが表示されない場合は受信側では対処できず、送信者に再送を依頼するのが早道です。
- 署名を他の担当者に回したときは、誰から誰に転送したかの記録が完了証明書に残るため、社内の契約権限と食い違いがないか事前に確認しておくと安心です。
ドキュサインの「転送」とは何を指すのか
ドキュサインで転送という言葉が使われる場面は、大きく2つあります。ひとつは、自分あての署名依頼を別の人に引き受けてもらう「署名者の変更(別の担当者に割り当て/Assign to Someone Else)」。もうひとつは、署名済みの書類をそのまま他の人にメールで共有する操作です。検索で「ドキュサイン 転送 署名」と調べている方の多くは、前者を探しています。
署名者の変更は、メール本文をそのまま別の人に転送するのとはまったく別の仕組みです。依頼メールを個人的に転送しても、リンクは最初の受信者に紐づいているため、受け取った人がそのまま署名すると「誰が署名したのか」の記録と実態がずれてしまうおそれがあります。署名の証跡を正しく残すという電子契約の目的からすると、避けたい進め方です。
そのため、担当を回す必要が出たら、まずはドキュサインの機能としての「別の担当者に割り当て」が使えるかを確認する、という順番で考えます。使えない場合の代替は、送信者にエンベロープを訂正(修正)してもらうか、いったん取り消して送り直してもらうことになります。
受信側の手順|届いた署名依頼を別の担当者に転送する
手順は、依頼メールを開くところから始まります。用意しておくものは、転送先の担当者の氏名と、社用メールアドレス、そして「なぜその人に回すのか」の一文です。理由は相手にも通知され記録にも残るため、「契約締結権限者のため」「担当変更のため」のように、後から見て分かる書き方にしておくと親切です。
メール内のボタンから書類を開いたら、画面上部または右上の「その他の操作」「その他」といったメニューを開き、「別の担当者に割り当て」(署名者の変更、Assign to Someone Else)を選びます。表示されたフォームに転送先の氏名・メールアドレス・理由を入力して送信すると、自分の署名タスクは転送先に移り、送信者にも通知が届きます。メニュー名や画面の配置は提供元の更新で変わることがあるので、最新の画面表示はドキュサインの公式ヘルプで確認してください。
転送が完了すると、自分はその書類の署名者ではなくなります。あとで内容を見返したい場合は、送信者に写しの送付を依頼するか、転送前に画面からダウンロードして手元に保存しておくと確実です。社内の稟議書や申請書に添付する必要があるなら、転送前の保存を習慣にしておくとやり直しが減ります。
Docusign(ドキュサイン)の料金プラン
Docusign(ドキュサイン)の料金は次のとおりです。改定されることがあるため、申し込み前に公式サイトで最新の内容をご確認ください。
| プラン | 月額 | 1件あたりの送信料 | ユーザー数 | 備考 |
|---|---|---|---|---|
| Personal | 1,333円/月(年間一括 16,000円/年) | 月5通まで | 1ユーザー | 別途税金が発生する場合あり |
| Standard | 3,300円/月・ユーザー(年間一括 39,600円/年) | 年間100通/ユーザー | 最大50ユーザー | 共同編集、ブランド設定 |
| Business Pro | 5,300円/月・ユーザー(年間一括 63,600円/年) | 年間100通/ユーザー | 最大50ユーザー | Webフォーム、支払い回収、一括送信 |
| 拡張プラン | 記載なし | カスタム | 51ユーザー以上 | 組織管理、24時間サポート |
送信側の設定|転送を許可する・させない
受信者が転送できるかどうかは、基本的に送信側の設定で決まります。エンベロープを作成するとき、受信者ごとの詳細設定に「受信者が署名者を変更することを許可する」といった項目があり、ここがオフだと受信者側に転送のメニューが出ません。さらにその前提として、アカウント全体の設定で署名者の変更機能が有効になっている必要があります。
どちらに寄せるかは、書類の性質で判断すると整理しやすくなります。取引先の誰が署名するかを相手社内で決めてほしい契約書、たとえば基本契約や秘密保持契約は、転送を許可しておくと差し戻しの往復が減ります。一方、本人確認の意味が強い書類、たとえば雇用契約書や個人あての同意書は、転送を許可しない設定のほうが趣旨に合うことが多いはずです。
管理者の立場では、アカウント設定を触る前に社内でルールを決めておくことをおすすめします。「契約書テンプレートでは転送可、人事関係のテンプレートでは転送不可」のように、テンプレート単位で既定値を揃えておくと、送信担当者が毎回迷わずに済みます。
転送ボタンが表示されないときの確認順
まず確認するのは、送信者側の設定です。エンベロープ単位で署名者の変更が許可されていない、またはアカウント設定で機能自体が無効になっている場合、受信者側でできることはありません。この場合は送信者に連絡し、設定を変えて再送してもらうか、エンベロープの訂正機能で署名者を差し替えてもらうのが早道です。
次に見るのが、書類の種類と認証の条件です。本人確認のための追加認証(SMSやアクセスコードなど)が設定されている依頼や、特定の署名方式を使っている依頼では、転送の扱いが通常と異なることがあります。判断に迷う場合は、送信者に「この書類は署名者を変えられますか」と一言聞いてしまうほうが早く解決します。
最後に、そもそも自分の役割が「署名者」でないケースもあります。受信者の役割が「受領者(写しの送付先)」や「閲覧のみ」の場合、署名タスクがないため転送のメニューも出ません。メール本文や画面で自分の役割表示を確認してから、送信者に相談してください。
転送を使う前に社内で決めておきたいこと
電子契約で転送機能を使いはじめると、「誰が署名していいのか」という社内ルールの曖昧さが表に出てきます。代表者名義の契約を担当者が署名してよいのか、金額や契約期間によって決裁者が変わるのか。この線引きがないまま転送を繰り返すと、後から契約書を見た人が権限関係をたどれなくなります。
おすすめの整理の仕方は、書類の種類ごとに「署名する人」と「転送してよい相手」をあらかじめ決めておくことです。たとえば、定型の取引基本契約は部門長まで、金額の大きい契約や保証を伴う契約は代表者のみ、といった形です。決めた内容は電子契約の運用マニュアルに一行で書いておくと、担当が替わっても運用が崩れにくくなります。
なお、代表者以外の人が署名した契約の効力や、社内規程との関係をどう整理するかは、会社の実情によって判断が分かれる部分です。取引金額が大きい契約や、継続的な取引の土台になる契約については、弁護士に社内規程と合わせて確認してもらうと安心です。また、締結した契約書の電子データの保存方法は、電子帳簿保存法の考え方に沿った運用が求められる場面があるため、詳細は国税庁の資料を確認するか、顧問の税理士にご相談ください。
転送した後の証跡と保存をどうするか
署名者を変更すると、誰から誰に、いつ、どんな理由で転送されたかが履歴として記録され、完了後に発行される証明書(完了証明書)にも反映されます。監査や取引先からの問い合わせに答えるときの根拠になるので、完了した書類をダウンロードする際は、本体のPDFだけでなく証明書も一緒に保存しておくと後で困りません。
保存場所は、担当者個人のメールボックスに置きっぱなしにしないことが大切です。契約書は会社の資産なので、共有ストレージの決まったフォルダに、取引先名・書類名・締結日といった命名ルールを決めて保存します。担当交代のたびに探せなくなる状態は、転送機能を使っているかどうかに関わらず避けたいところです。
料金プランによって使える機能や管理者設定の範囲が異なる場合があります。自社の契約で署名者の変更が使えるか、管理画面にどの設定があるかは、ドキュサインの公式サイトやヘルプで最新の情報を確認してください。
よくある質問
ドキュサインの署名依頼メールを、そのまま別の人にメール転送してもいいですか。
メール本文の転送は、署名リンクが最初の受信者に紐づいたままになるため、署名者の記録と実態がずれるおそれがあります。社内で担当を回すときも、画面の「別の担当者に割り当て」(署名者の変更)を使うか、送信者に再送を依頼する方法をおすすめします。
転送したら、自分は書類を見られなくなりますか。
署名者の役割が転送先に移るため、自分のタスク一覧からは外れます。内容を残しておきたい場合は、転送する前に画面からダウンロードして保存するか、送信者に写しの送付を依頼してください。
転送を許可したくない書類はどう設定すればいいですか。
送信時の受信者設定で、署名者の変更を許可する項目をオフにしておくと、受信者側に転送のメニューが表示されません。雇用契約や個人あての同意書など本人確認の意味が強い書類は、テンプレートの段階でオフにしておくと運用が安定します。設定項目の名称や場所は公式ヘルプで確認してください。
代表者以外が署名した契約でも効力はありますか。
社内の権限規程や取引の経緯によって扱いが変わるため、一律には言えません。金額の大きい契約や継続的な取引の土台になる契約については、社内規程と合わせて弁護士に確認しておくと安心です。