電話や通話を文字起こしする方法|録音のやり方と録音前の同意

・会議・情報共有・会社のはじめかた編集部(監修:田中 祐介)

「さっきの電話、条件はいくらって言ってたっけ」——電話は記録が残らないぶん、言った言わないが起きやすい連絡手段です。いまはAIの文字起こしで通話内容をテキスト化できますが、順番としては「録音する手段を決める」「録音することを相手に伝える」「文字起こしして議事録にする」の3ステップ。この記事では、スマホ・固定電話・IP電話それぞれの録音方法と、録音前の一言の伝え方、電話議事録の書き方をまとめます。

この記事の結論

  • 通話の文字起こしは「録音手段を決める→録音前に相手へ一言伝える→AIツールでテキスト化して要点を議事録に残す」の順に進めるのが基本です。
  • 自分が参加している通話を自分のために録音すること自体は一般に行われていますが、内容の外部共有や公開には別の配慮が必要なため、扱いに迷う場合は弁護士に確認してください。
  • スマホならクラウドPBXや通話録音アプリ、固定電話なら録音アダプタやIP電話への切り替え、コールセンターなら録音機能つきのシステムから選ぶと、環境に合った方法にたどり着きます。

通話を文字起こしするには、まず「録音できているか」から

AIの文字起こしは、音声データがあって初めて成立します。会議アプリと違い、電話は多くの場合そのままでは音声が残りません。ですから最初に考えるのは「どのツールを使うか」ではなく「この電話の音声を、どうやってファイルとして手元に残すか」です。

録音の経路は大きく3つあります。(1)通話アプリやクラウドPBXの録音機能を使う、(2)固定電話機に録音アダプタやICレコーダーをつなぐ、(3)スピーカー通話にして別の端末で外から録音する。精度は(1)が安定しやすく、(3)は周囲の音や反響を拾うため文字起こしの精度が落ちやすい傾向があります。

文字起こしの精度は、元の音質でほぼ決まります。同じAIでも、電話回線特有のこもった音や、相手の声が小さい録音では誤変換が増えます。重要な通話ほど、事前に録音テストを一度しておくと安心です。

スマホ・固定電話・コールセンター、環境別の録音のやり方

スマホの場合、機種やOSによって通話録音機能の有無が分かれます。業務で日常的に録音したいなら、スマホ本体の機能に頼るより、クラウドPBX(スマホを会社の電話番号で発着信できるサービス)の通話録音機能を使うほうが運用は安定します。端末を買い替えても設定が引き継げること、録音データが管理画面にまとまることが利点です。

固定電話をそのまま使い続けるなら、電話機と受話器の間に挟む通話録音アダプタや、録音機能つきのビジネスフォンが選択肢になります。一方、そろそろ電話環境ごと見直すなら、固定電話番号をIP電話・クラウドPBXに移し、録音と文字起こしをまとめて扱えるようにする方向もあります。「今ある機器に足す」か「電話環境ごと替える」か、この分かれ道をまず決めてください。

コールセンターや問い合わせ窓口のように通話本数が多い場合は、通話ごとに録音・文字起こし・要約が自動で残るコンタクトセンター向けのシステムが前提になります。留守番電話をテキスト化したい場合も、クラウド電話サービス側に留守電の文字起こし・メール転送機能があるかを確認すると早いです。機能の有無と料金は変わるため、各社の公式サイトで最新の内容を確認してください。

録音前に相手へ伝える一言と、同意の考え方

自分が当事者として参加している通話を、自分のために録音すること自体は、実務上よく行われています。ただし、録音した内容を第三者に共有する、社外に公開する、採用や取引の判断材料として保存し続ける、といった場面では、個人情報の取り扱いとして別の配慮が必要になることがあります。判断に迷うケースは、弁護士に確認したうえで社内ルールを決めるのが安全です。

実務的におすすめしたいのは、法律論以前に「録音していることを伝える」運用です。用件に入る前に、「内容の記録のため、この通話を録音させていただいてもよろしいでしょうか」と一言添える。断られたらその場でメモに切り替える。これだけで、後から関係がこじれるリスクをかなり下げられます。

社内ルールとして決めておきたいのは、次の4点です。①どの通話を録音するか(全件か、契約・クレーム対応のみか)、②録音していることをどう伝えるか(冒頭の一言か、自動アナウンスか)、③データをどこに保存し、誰が見られるか、④いつ削除するか。録音データには個人情報が含まれることが多いため、保管場所と閲覧権限は特にあいまいにしないでください。

AI文字起こしツールの選び方は、この順に見る

まず「電話の音声を取り込めるか」。会議用の文字起こしツールは、オンライン会議の音声には強くても、電話の録音ファイルを後からアップロードして処理できるかは製品によります。手元にあるのが録音ファイルなら、対応する音声形式とアップロード方法を最初に確認します。

次に「話者の区別が必要か」。電話は基本的に2人の会話なので、自分と相手の発言が分かれて表示されると議事録化が一気に楽になります。ただし、スピーカー通話を外から録音した音声では話者分離がうまく働かないことがあります。ここでも録音経路の設計が効いてきます。

最後に「データの置き場所」。顧客名や契約条件が含まれる通話を扱うなら、データの保存先、学習利用の有無、削除方法が公開されているかを見てください。あわせて、通話記録を会計や契約の証憑に関連づけて保存する場合は、電子帳簿保存法など保存に関するルールの対象になるかを整理し、詳細は国税庁など所管官庁の資料や税理士に確認することをおすすめします。料金や機能は改定されるため、必ず各社の公式サイトで最新情報をご確認ください。

文字起こしから「電話議事録」に仕上げる書き方

AIが出したテキストは、そのままでは議事録になりません。電話は話が行ったり来たりするので、全文を読ませると誰も読みません。文字起こしは原文の保管用と割り切り、別途200〜400字程度の要約を作るのが現実的です。

電話議事録に入れる項目は、①日時と通話時間、②相手(会社名・部署・氏名)、③自社の対応者、④用件、⑤決まったこと、⑥決まらなかったこと・持ち帰り事項、⑦次のアクションと期限、の7つで足ります。特に⑤と⑥を分けて書くのがコツで、「合意済み」と「まだ検討中」が混ざると後で揉めます。

作業の流れは、通話直後に文字起こしを走らせ、その日のうちに要約を確認・修正し、案件フォルダや顧客管理ツールに紐づけて保存する、という順番です。AIの要約機能を使う場合も、金額・日付・数量・固有名詞は必ず自分の目で原文と突き合わせてください。ここを飛ばすと、誤変換がそのまま社内の「事実」になってしまいます。

よくあるつまずきと、その対処

「録音はできているのに文字起こしが読めない」場合、原因の多くは音量差です。自分の声だけ大きく相手が小さい録音は、AIが相手の発言を拾いきれません。通話録音機能つきのサービスに切り替えるか、ヘッドセットを使って口元との距離を安定させると改善することがあります。

「社名や専門用語がいつも間違って変換される」場合は、ツールに単語登録(辞書機能)があるか確認してください。取引先名・商品名・略語を登録しておくと、修正の手間が目に見えて減ります。

「録音していることを伝えると身構えられる」という声もよく聞きます。その場合は、「記録のため」ではなく「聞き漏らしがないように」と目的を添えると受け入れられやすい印象です。それでも難しい相手には録音せず、通話後すぐに要点をメールで送って「認識に相違があればご指摘ください」と確認する方法で代替できます。

なお、通話記録の保存期間や社外共有の可否、従業員の通話を録音する場合の社内周知の方法は、法務・労務の両面がからみます。社内ルールを文書化する段階では、弁護士や社会保険労務士に一度確認しておくと、後々の運用が安定します。

よくある質問

相手に黙って通話を録音してもよいのでしょうか。

自分が参加している通話を自分のために録音することは実務上よく行われていますが、録音データを第三者に共有したり公開したりする場面では、個人情報の取り扱いとして別の配慮が必要になることがあります。トラブルを避けるには、通話の冒頭で録音することを伝える運用が無難です。判断に迷うケースは弁護士にご確認ください。

固定電話の通話をAIで文字起こしするにはどうすればいいですか。

固定電話はそのままでは音声が残らないため、通話録音アダプタや録音機能つきのビジネスフォンで音声ファイルを作り、それをAI文字起こしツールに取り込む流れになります。録音機器を増やしたくない場合は、番号をクラウドPBXやIP電話に移して録音・文字起こしをまとめて扱う方法もあります。

留守番電話を自動でテキスト化できますか。

クラウド電話サービスの中には、留守電メッセージを文字起こししてメールやチャットに転送する機能を備えたものがあります。対応の有無や精度はサービスによって異なるため、各社の公式サイトで最新の仕様を確認し、実際の音声でテストしてから本番運用に移すことをおすすめします。

電話の議事録はどこまで書けばよいですか。

日時・相手・対応者・用件・決まったこと・持ち帰り事項・次のアクションと期限の7項目があれば実務上は十分です。文字起こしの全文は原文保管用として残し、読む用には200〜400字程度の要約を別に作ると運用が続きます。金額や日付は必ず原文と突き合わせて確認してください。

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この記事は一般的な情報をまとめたものです。税務・法務・労務の個別の判断については、税理士・弁護士・社会保険労務士などの専門家にご相談ください。 料金や条件は変わることがあるため、お申し込み前に必ず各サービスの公式サイトで最新の内容をご確認ください。