SlackやLINE WORKSのAI議事録機能|普段のツールで足りるかの判断

・会議・情報共有・会社のはじめかた編集部(監修:田中 祐介)

「議事録のために専用ツールを入れるべきか、今のチャットツールのAI機能で足りるのか」。小さな会社ほど、ツールを増やすほど管理が重くなるので、この判断は早めにつけたいところです。この記事では、SlackやLINE WORKS、Lark、Webexといった普段使いのツールに付いているAI議事録・要約機能で足りるケースと、専用ツールを足したほうがよいケースを、会議の種類と記録の使い道から切り分けて説明します。

この記事の結論

  • 社内の定例や短い相談が中心で、記録を「あとで見返す」程度に使うなら、普段使っているチャットツールのAI要約機能でまかなえることが多いです。
  • 顧客との商談、取締役会や労使の話し合いなど、あとから正確な発言内容を確認する必要がある会議は、発言単位で残せる専用の文字起こしツールを検討する価値があります。
  • どのツールもAI機能の提供範囲は契約内容やプランによって変わるため、導入前に各社の公式サイトで対応状況と日本語への対応を確認してください。

まず判断するのは「その会議の記録を、誰が何に使うか」

AI議事録ツールを比べる前に、決めておくと迷わない軸が一つあります。それは「その記録を、誰が、何のために読むか」です。ここが曖昧なまま機能表を見比べると、使わない機能に引っ張られて選んでしまいます。

使い道は大きく三つに分かれます。(1)出席しなかった人へのキャッチアップ、(2)決まったことと担当・期限の共有、(3)あとから「誰が何と言ったか」を確認する証跡。このうち(1)と(2)が中心なら、要約とタスク抽出ができれば十分で、普段のツールの機能で足りることが多くなります。

一方(3)が必要な会議は、要約では届きません。要約は情報を落とすことが前提の仕組みなので、発言単位のログが残るか、録音・録画そのものを保管できるかが判断ポイントになります。自社の会議を一度、この三つに仕分けしてみてください。

SlackのAI議事録機能はどこにある?ハドルの要約でできること

Slackの場合、会議の記録に関わる機能は主に二つの場所にあります。一つはハドルミーティングに紐づくメモや文字起こし、要約の機能。もう一つはチャンネルのやり取りを要約する機能です。ハドル中の画面にメモやAIに関するボタンが出るかどうかは、ワークスペースの契約内容と管理者側の設定に左右されます。

「Slack AI 議事録 どこ」で探して見つからない場合、まず疑うのは機能が有効化されていないケースです。管理者設定でAI関連機能がオフになっている、あるいは契約している内容に含まれていないことがあります。ひとり社長や少人数の会社なら、自分が管理者であることが多いので、管理画面の該当項目を確認してみてください。

日本語への対応状況も確認したい点です。文字起こしや要約は言語ごとに対応時期が異なることがあり、英語では使えても日本語では挙動が違う、ということが起こり得ます。対応言語と提供範囲は変わっていくため、導入判断の直前に公式ヘルプで最新情報を見るのが安全です。

LINE WORKS・Lark・Webexそれぞれの考え方の違い

LINE WORKSは、社外の取引先と個人のLINEでつながれる点が特徴のツールです。そのため、会議もチャットの延長として短時間で行われることが多く、AI機能も「やり取りをまとめる」方向に寄りやすい設計になっています。社外の人と細かく連絡を取り合う業種で、会議の記録が要点共有で足りるなら相性がよいでしょう。

Larkは、チャット・ビデオ会議・ドキュメント・表計算が一つの中にまとまっているタイプです。会議の記録をそのままドキュメントに落として、続きの作業に使いたい場合に向きます。議事録を作ること自体より、議事録から生まれたタスクを同じ場所で回したい会社に合います。

Webexは会議そのものを主軸にしたツールで、自動での文字起こしや会議後の要点整理といった、会議機能側の作り込みが厚い傾向です。社外との長めの打ち合わせや、参加人数の多い会議が定期的にあるなら検討対象になります。いずれも提供内容は契約や地域で異なるので、機能名だけで判断せず、自社の契約で何が使えるかを確かめてください。

普段のツールで足りる会社、専用ツールを足したほうがよい会社

まず「普段のツールで足りる」側から。会議がほぼ社内メンバーだけ、時間は三十分前後、目的は進捗共有と次の担当決め。記録はチャンネルに残っていればよく、半年後に読み返すことはほとんどない。こうした会社は、専用ツールを増やすより、今あるAI要約を使い切るほうが運用が続きます。ツールが一つ増えるたびに、契約・権限・解約の管理も増えます。

次に「足したほうがよい」側。社外との商談が多く、言った言わないを避けたい。会議が一時間を超え、参加者が複数部署にまたがる。あるいは、専門用語や固有名詞が多く、要約だけでは意味が通らない。こうした条件が二つ以上重なるなら、発言単位で残せるツールを別に検討する価値があります。

判断に迷ったら、まず一か月だけ今のツールのAI要約で運用してみて、「この要約では足りなかった会議」を数えてみてください。数えて片手に収まらないなら追加を検討し、数回にとどまるならその会議だけ手動で詳しく記録する、という切り分けが現実的です。

導入前に確認しておきたい、記録の保管と社外参加者への扱い

AI議事録を使うと、音声や文字起こしデータがサービス側に保存されます。どこに保存され、どれくらいの期間残り、誰がアクセスできるのかは、ツールごとに設計が異なります。顧客の名前や金額が出る会議を記録するなら、この点を先に確認しておくと後で困りません。管理者権限の範囲も、あわせて見ておきたいところです。

社外の人が参加する会議では、記録することを事前に伝えるのが基本的な作法です。会議の冒頭で「記録を取ります」と一言添える、招待メールに書いておく、といった運用を決めておくと、毎回迷わずに済みます。相手によっては記録を控えたほうがよい場面もあるので、断られたときの進め方も決めておくと安心です。

会議の記録を経理や契約の根拠資料として保管する場合は、電子データの保存に関するルールが関わってくることがあります。取り扱いの詳細は所管官庁の資料や、顧問の税理士に確認してください。判断に不安が残る内容を含む記録の扱いについては、税理士や弁護士に相談したうえで社内ルールを決めることをおすすめします。

AI議事録を使いこなすための、小さな運用ルール

AIが作った要約は、そのまま完成品として扱わないほうがうまくいきます。会議の直後に一人が目を通して、決定事項と担当者、期限の三点だけ手で直す。この一手間を入れるだけで、記録の実用性が大きく変わります。所要時間は数分で済むことがほとんどです。

もう一つ効くのが、会議の最後に「では、決まったことを確認します」と口に出して繰り返すことです。AIは発言された内容から要約を作るので、明示的にまとめて話された部分は要約にも残りやすくなります。ツールを変えるより先に、この進行の癖をつけるほうが安上がりです。

保存場所も決めておきましょう。要約はチャンネルに流れるだけだと埋もれるので、案件ごとのドキュメントやフォルダに貼り直すルールにしておくと、あとから探せます。ひとり社長のうちは頭の中で済んでも、人が増えたときに効いてきます。

よくある質問

SlackのAI議事録機能が見つかりません。どこを見ればよいですか。

まずハドルの画面と、ワークスペースの管理者設定を確認してください。AI関連の機能は契約内容によって含まれない場合や、管理者側でオフになっている場合があります。提供範囲は変わっていくため、公式のヘルプページで最新の状況を確認するのが確実です。

AI議事録は日本語でもきちんと使えますか。

日本語に対応している機能は増えていますが、対応時期や精度はツールごと、機能ごとに異なります。専門用語や社名が多い会議では取りこぼしが出ることもあるため、まず自社の実際の会議で試してから本格導入を決めるとよいでしょう。

チャットツールのAI要約と、専用の文字起こしツールは併用すべきですか。

すべての会議で併用する必要はありません。社内の定例はチャットツールの要約で、社外との商談や重要な決定を伴う会議だけ専用ツールを使う、という使い分けが現実的です。まず一か月運用して、要約では足りなかった会議の数で判断してください。

会議の記録を保存するとき、気をつけることはありますか。

データの保存場所と保存期間、アクセスできる人の範囲を事前に確認しておきましょう。社外の方が参加する会議では、記録することを冒頭で伝える運用にしておくと安心です。経理や契約の根拠資料として保管する場合の扱いは、税理士に確認することをおすすめします。

あわせて読みたい

「会議・情報共有」の記事をすべて見る →

次に決めること

記事をすべて見る(1087本)→

この記事は一般的な情報をまとめたものです。税務・法務・労務の個別の判断については、税理士・弁護士・社会保険労務士などの専門家にご相談ください。 料金や条件は変わることがあるため、お申し込み前に必ず各サービスの公式サイトで最新の内容をご確認ください。