パソコンで文字起こしする方法|WindowsとMacの標準機能とソフトの選び方

・会議・情報共有・会社のはじめかた編集部(監修:田中 祐介)

会議の録音を自分で聞き返して打ち込むのは、想像以上に時間を食う作業です。いまはパソコン1台あれば、OSの標準機能でもブラウザのサービスでも、音声をテキストにするところまでは進められます。この記事では、WindowsとMacそれぞれで何ができるか、どういう会社がどの方法を選べばよいかを、判断の順番に沿って整理します。

この記事の結論

  • パソコンでの文字起こしは「OS標準の音声入力」「ブラウザ型の文字起こしサービス」「インストール型の専用ソフト」の3系統に分かれ、まず自社の会議がオンラインか対面かで絞り込むと決めやすくなります。
  • Windowsには音声入力機能、MacにもDictation(音声入力)が用意されており、追加費用をかけずに試せますが、長時間の会議録を話者ごとに整理する用途には専用サービスのほうが向きます。
  • 文字起こしは「録音→テキスト化→要点整理→保存」の4工程で考え、どこまで自動化するかを決めてからツールを選ぶと、乗り換えの手戻りが減ります。

パソコンで文字起こしする方法は大きく3つ

パソコンで音声をテキストにする手段は、整理すると3系統です。1つめはOSに最初から入っている音声入力機能、2つめはブラウザで使う文字起こしサービス、3つめはパソコンにインストールして使う専用ソフトです。どれも「音声を文字にする」点は同じですが、得意な場面が違います。

OS標準の音声入力は、マイクに向かって話した内容をその場で文字にするのが本来の用途です。すでに録音済みのファイルを読み込ませる使い方には向いていないことが多く、リアルタイムのメモ取りに近い使い方になります。

ブラウザ型のサービスや専用ソフトは、録音ファイルのアップロードに対応しているものが多く、話者の切り替わりを推定したり、要点を自動でまとめたりする機能を持つものもあります。ただし対応する機能や利用条件は提供元によって異なるため、各社の公式サイトで最新の仕様と料金を確認してください。

WindowsとMacの標準機能でどこまでできるか

Windowsには音声入力の機能があり、文字を入力したい場所にカーソルを置いてショートカットで呼び出すと、話した内容がその欄に入力されていきます。メモ帳でもWordでも、文字が打てる場所なら基本的に使えます。会議中に要点だけ口頭でメモしたい、という使い方には手軽です。

Macにも音声入力(Dictation)が用意されていて、システム設定のキーボード関連の項目から有効にして使います。こちらも入力欄に対して話した内容を文字にする仕組みで、考え方はWindowsと大きく変わりません。日本語の扱いや使えるキー操作の細かな部分はOSのバージョンによって変わるため、お使いの環境のヘルプを確認するのが確実です。

どちらも共通する弱点は、話者の区別がつかないこと、句読点や改行が思ったように入らないこと、複数人が同時に話す会議では精度が落ちやすいことです。1人で話す内容を書き起こすなら十分実用になりますが、5人の会議を1時間分きれいに残したい、という目的には力不足になりがちです。

どれを選ぶか|会議の形式から逆算して決める

迷ったら、次の順に見てください。第一に、会議がオンライン中心か対面中心かです。オンライン会議が大半なら、Web会議ツール側の録音・文字起こし機能や、会議に同席させるタイプのサービスが候補になります。会議のたびに録音機を用意する手間が減るためです。

第二に、対面や電話が多い場合です。この場合は「まず録音する」工程が必要になるので、ICレコーダーやスマートフォンで録音したファイルを、パソコン側でアップロードして処理する流れになります。この使い方では、録音ファイルの読み込みに対応したブラウザ型サービスや専用ソフトが現実的です。

第三に、音声を外部に送れるかどうかです。人事の面談や取引先との条件交渉など、内容の持ち出しに慎重になるべき会議があるなら、パソコン内で処理が完結するインストール型のソフトが選択肢に入ります。社内規程や取引先との取り決めがある場合は、そちらの条件を先に確認してください。

最後に、必要な出力の形です。全文がそのまま欲しいのか、要点のまとめまで自動で作りたいのかで、必要な機能が変わります。全文だけでよければ選択肢は広く、要約や決定事項の抽出まで求めるなら、その機能を持つサービスに絞られます。

録音から議事録にするまでの手順

流れは4工程です。まず会議の前に、録音することを出席者に伝えて了解を得ます。オンライン会議ツールの録音機能を使う場合も、記録が残ることを冒頭で一言伝えておくと、後から揉めにくくなります。対面なら、マイクを話者の中央付近に置くだけで精度が変わります。

次に録音です。会議室のエアコンの風切り音や、机を叩く音は精度を大きく下げます。可能なら静かな部屋を選び、資料をめくる音がマイクに直接当たらない位置に置いてください。オンラインの場合は、参加者にできるだけマイク付きイヤホンを使ってもらうと聞き取りやすくなります。

3つめがテキスト化です。録音ファイルをサービスに読み込ませるか、その場の音声を拾わせるかして、全文のテキストを得ます。ここで出てくるのはあくまで下書きで、社名・人名・専門用語は誤変換されやすい部分です。

4つめが整形と保存です。誤変換を直し、決定事項・担当・期限の3点が分かる形に整えます。このとき、全文のテキストをそのまま議事録として配るのではなく、要点をまとめた議事録と、参照用の全文を分けて保存すると読み手が助かります。保存場所は、後から探せるようにフォルダ名と日付の付け方をルール化しておくと、担当者が変わっても運用が続きます。

精度を上げるコツと、使うときの注意点

精度は、ツールの性能よりも録音の質に左右される場面が多くあります。マイクを話者に近づける、複数人が同時に話さないように進行する、固有名詞は会議の冒頭で一度はっきり発音しておく。この3点だけでも、後の修正量がかなり変わります。

用語の登録機能があるサービスなら、自社の商品名や部署名を事前に登録しておくと、毎回同じ誤変換を直す手間が減ります。登録できない場合でも、テキストエディタの置換機能でまとめて直せるよう、誤変換のパターンをメモしておくと効率的です。

取り扱いの面では、会議の録音や文字起こしデータに個人情報や取引条件が含まれることを前提に考えてください。外部サービスを使う場合は、入力したデータがどう扱われるかを提供元の利用規約やプライバシーポリシーで確認し、社内での保存期間や閲覧権限も決めておくと安心です。契約書の内容や労務上の記録に関わる場面では、取り扱いの判断に迷うこともあるため、必要に応じて弁護士や社会保険労務士に確認することをおすすめします。

社内で運用として定着させるには

ツールを入れただけでは定着しません。最初に決めておきたいのは、どの会議を文字起こしの対象にするかです。全部やろうとすると確認作業が増えて続かないので、定例会議と、意思決定を伴う打ち合わせに絞るところから始めると無理がありません。

次に、議事録の型を1つ決めます。日時・出席者・議題・決定事項・保留事項・次回までの担当と期限。この並びで固定しておけば、誰が書いても読み手が同じ場所を見れば済みます。文字起こしの全文は、この型を埋めるための材料と位置づけると迷いません。

保存先も最初に決めてください。共有ドライブのどこに、どういう名前で置くか。会議の記録は後から「あのとき何を決めたか」を確認するために使うものなので、探せなければ意味がありません。なお、会議の記録のうち、取締役会の議事録など法令で作成・保存が求められる書類については扱いが別です。作成方法や保存の要件は所管官庁の資料を確認し、判断に迷う場合は司法書士や弁護士にご相談ください。

よくある質問

Windowsの標準機能だけで会議の文字起こしはできますか。

音声入力機能を使えば、話した内容をその場で文字にすることは可能です。ただし話者の区別や長時間の録音ファイルの読み込みには向かないため、複数人の会議録を残す目的では、録音ファイルに対応したサービスやソフトを併用する会社が多いです。

Macで文字起こしをする場合、Windowsと違いはありますか。

OS標準の音声入力という点では考え方は同じで、システム設定から有効にして入力欄に話す形で使います。ブラウザ型のサービスはどちらのOSでも使えることが多い一方、インストール型のソフトは対応OSが限られる場合があるため、導入前に対応環境を公式サイトで確認してください。

録音ファイルからの文字起こしと、会議中のリアルタイム文字起こしはどちらがよいですか。

オンライン会議が中心で、会議直後に内容を共有したいならリアルタイム型が向きます。対面や電話が多い、または音声の外部送信に慎重になりたい場合は、録音してから処理する方式のほうが運用を組みやすいです。

文字起こししたデータは、どのくらい保存しておくべきですか。

一律の正解はありませんが、後から参照する可能性と、個人情報を含むリスクの両方を踏まえて社内で期間を決めておくと運用しやすくなります。法令上の保存義務がある書類に該当するかどうかは判断が分かれる場面もあるため、弁護士や税理士に確認することをおすすめします。

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この記事は一般的な情報をまとめたものです。税務・法務・労務の個別の判断については、税理士・弁護士・社会保険労務士などの専門家にご相談ください。 料金や条件は変わることがあるため、お申し込み前に必ず各サービスの公式サイトで最新の内容をご確認ください。