マネーフォワード クラウド会計の使い方|法人の初期設定と仕訳の流れ

・会計・税務・会社のはじめかた編集部(監修:田中 祐介)

会社をつくって、クラウド会計に申し込んだところまでは進んだ。でも管理画面を開くとメニューが多くて、どこから触ればいいのか分からない——という声をよく聞きます。この記事では、マネーフォワード クラウド会計を法人で使い始めるときの手順を、初期設定から日々の仕訳、月次の締めまで「やる順番」で整理します。細かい画面操作は公式のヘルプが詳しいので、ここでは「何を、どの順に決めるか」に絞ってお伝えします。

この記事の結論

  • マネーフォワード クラウド会計を法人で使い始めるときは、①事業所(会社)情報と会計期間の設定 ②勘定科目と開始残高 ③銀行・カードの連携、の順に進めると迷いにくくなります。
  • 日々の作業は「連携で自動取得された明細を、勘定科目を確認して仕訳として登録する」の繰り返しで、手入力はレシートなど連携できないものに限定するのが基本です。
  • 月末には残高が通帳やカード明細と合っているかを照合し、合わない月を持ち越さないことが、決算時の手戻りを減らす一番の近道です。

マネーフォワード クラウド会計でできることと、法人で使うときの特徴

マネーフォワード クラウド会計は、銀行口座やクレジットカード、決済サービスなどの明細を取り込み、そこから仕訳をつくって帳簿・決算書まで作成できるクラウド型の会計ソフトです。ブラウザで使うため、税理士と同じデータを同時に見られる点が、法人で使ううえでの大きな特徴といえます。

法人で使う場合は、個人事業主向けとは申し込むプランの系統が分かれています。法人の決算書(貸借対照表・損益計算書など)や法人税申告に向けたデータづくりを想定しているのは法人向けの契約なので、申し込み時点で間違えないようにしてください。料金や含まれる機能は改定されることがあるため、各社の公式サイトで最新の内容を確認してください。

また、給与計算や請求書発行、経費精算、勤怠などが別サービスとして用意されており、同じシリーズで揃えるとデータが連係しやすい構成になっています。最初から全部入れる必要はありませんが、後から追加する前提で「まず会計から」と考えておくと導入がスムーズです。

最初にやる初期設定:会社情報・会計期間・消費税の扱い

最初に設定するのは、事業所(会社)の基本情報です。商号、住所、決算月を登録します。ここで決算月を間違えると、以降のすべての期間がずれるので、登記事項証明書や定款の「事業年度」の記載を手元に置いて入力してください。設立初年度は、設立日から最初の決算日までが第1期になります。

次に、消費税の扱いを選びます。設立したばかりの法人は、最初から課税事業者になる場合と、免税事業者として始める場合があります。インボイス発行事業者の登録をしたかどうかでも扱いが変わるため、自社がどちらなのか分からない場合は、設定を確定する前に税理士に確認してください。税区分の初期設定を後から一括で直すのは手間がかかります。

会計期間と税の扱いが決まったら、ユーザー(メンバー)の招待も済ませておきます。税理士と顧問契約を結んでいる場合は、この段階で閲覧・編集権限を付与しておくと、あとから「データを送ってください」というやり取りが不要になります。

マネーフォワード クラウド会計の料金プラン

マネーフォワード クラウド会計の料金は次のとおりです。改定されることがあるため、申し込み前に公式サイトで最新の内容をご確認ください。

プラン料金使える人数備考
ひとり法人年払い 2,480円/月(年額29,760円・税抜)、月払い 3,980円/月(税抜)1名新設法人1年目向け。仕訳500件/年度、部門2つ・1階層まで
スモールビジネス年払い 4,480円/月(年額53,760円・税抜)、月払い 5,980円/月(税抜)3名部門2つ・1階層まで、AI-OCR 60件/月
ビジネス年払い 6,480円/月(年額77,760円・税抜)、月払い 7,980円/月(税抜)4名以上は従量課金(1名300円/月)部門無制限・2階層、振込FBデータ、残高突合、消費税申告書、優良電子帳簿対応
出典:マネーフォワード クラウド会計 公式料金ページ(https://biz.moneyforward.com/accounting/price/)・2026-09-21確認

勘定科目と開始残高の決め方:ここを雑にすると後で効く

勘定科目は初期状態でひととおり用意されています。初心者のうちは、新しい科目をむやみに増やさず、まずは初期の科目でやってみるのがおすすめの進め方です。そのうえで、自社で金額が大きい支出や、毎月必ず出る支出があれば、補助科目や新しい科目を足していくと整理しやすくなります。

たとえば、SaaSの利用料が毎月いくつも出るなら「通信費」に押し込むより「支払手数料」や独自科目に補助科目を作ったほうが、あとで見返したときに使い道が分かります。逆に、年に数回しか出ない支出のために科目を増やすと、選択肢が多すぎて入力が止まります。迷ったら「この科目で分けたら、来年の自分は嬉しいか」で判断してください。

開始残高は、設立初年度なら資本金の払い込みから始まります。設立前に発起人が立て替えた費用(創立費・開業費として扱うもの)がある場合は、領収書を集めて一覧にしておきましょう。2期目以降に乗り換えた場合は、前期末の貸借対照表の数字をそのまま開始残高として登録します。ここが前期と合っていないと、以後ずっとずれ続けるので、前期の決算書を必ず手元で照合してください。

銀行・カードを連携する:法人口座と個人利用の線引き

初期設定が終わったら、法人口座、法人クレジットカード、決済サービスなどを「データ連携」から登録します。連携すると明細が自動で取り込まれ、入力の大半が「確認して確定する」作業に変わります。ここが、手入力中心の会計との一番大きな差です。

設立直後は法人口座やカードの審査に時間がかかり、代表者個人の支払いで立て替えているケースも多いはずです。その場合は、個人のカードを連携するのではなく、立替分を一覧にして「役員借入金(または未払金)」として計上する形が扱いやすくなります。会社と個人のお金が同じ画面で混ざると、あとで切り分けるのが大変です。

連携は金融機関側の仕様変更で一時的に取得できなくなることがあります。その月だけ明細CSVを取り込む、という運用も用意しておくと止まりません。取り込み方法の詳細は、公式のヘルプやマニュアルに手順が載っているので、困ったときはそちらを見るのが早いです。

日々の仕訳の流れ:自動取得→確認→登録の3ステップ

日々の作業は、①連携で取得された明細を開く ②取引内容と勘定科目が合っているか見る ③問題なければ仕訳として登録する、の繰り返しです。同じ取引先からの支払いは、一度科目を決めると次回以降も同じ候補が出るようになるため、最初の1〜2か月を丁寧にやるほど後が楽になります。

ルールを登録するときは、「摘要に◯◯が含まれていたらこの科目」という形で条件を決めます。ただし、同じ取引先でも内容が変わる支払い(たとえば同じ通販サイトで消耗品も備品も買う)は、自動ルールにせず毎回目視で判断したほうが安全です。自動化しすぎると、間違った科目がそのまま積み上がります。

現金払いのレシートや、連携できない支払いは手入力になります。溜めると必ず苦しくなるので、週に一度、決まった曜日に片づける時間をつくるのが現実的です。スマホアプリでレシートを撮って残す運用にしておくと、紙の紛失も減ります。なお電子取引のデータ保存については電子帳簿保存法の考え方が関わるため、自社の保存方法が要件を満たすかは、国税庁の資料や税理士に確認してください。

月次の締めと決算までの流れ:合わない月を持ち越さない

月末(または翌月初)にやることは、残高の照合です。会計ソフト上の預金残高が、通帳やネットバンキングの月末残高と一致しているかを見ます。カードも同様に、明細の合計と未払金の残高が合うかを確認します。ここが合っていれば、その月の入力はおおむね正しいと判断できます。

合わないときは、①取り込み漏れ ②二重計上 ③連携前の期間の抜け、の順に疑うと見つかりやすいです。とくに二重計上は、口座連携の仕訳と手入力の仕訳が重なって起きやすいので、日付と金額で検索して確認してください。合わない月を「あとで」と放置すると、決算直前に数か月分をまとめて調べることになり、原因がさらに分かりにくくなります。

月次が締まっていれば、決算は「年度の数字を確定し、決算整理をして決算書を作る」段階に進めます。減価償却、未払費用や前払費用の計上、棚卸などの決算整理は判断が絡む部分が多く、法人税の申告書作成も含めて税理士と進めるのが一般的です。ソフトで帳簿を整えるところまでを自社でやり、判断の部分を専門家に任せる、という役割分担が、小さな会社では現実的だと思います。

迷ったときの判断の順番と、専門家への相談

設定で迷ったら、影響が大きい順に確認するのが効率的です。まず決算月と会計期間、次に消費税の扱い(課税か免税か、インボイス登録の有無)、その次に開始残高。この3つが正しければ、勘定科目の選び方は後から直せる範囲に収まることが多いです。逆に、この3つを間違えたまま数か月進むと、やり直しの負担が大きくなります。

操作そのもので詰まった場合は、公式のヘルプやマニュアル、サポート窓口を使ってください。機能や画面は更新されるため、ネット上の古い解説と実際の画面が違うことがあります。料金やプランに含まれる機能も変わりますので、公式サイトで最新の情報を確認してください。

そのうえで、消費税の課税事業者の判定、役員報酬の決め方、立替経費や創立費の扱い、電子帳簿保存法への対応などは、会社の状況によって結論が変わります。判断に迷う場面が出てきたら、早めに税理士に相談してください。社会保険や給与計算まわりで迷う場合は社会保険労務士、登記や定款の内容に関わる論点は司法書士に確認すると、手戻りが少なく進められます。

よくある質問

マネーフォワード クラウド会計は簿記の知識がなくても使えますか。

口座やカードを連携すれば、明細から仕訳の候補が作られるため、はじめは「科目を確認して確定する」作業が中心になります。ただし、決算整理や貸借対照表の見方には簿記の考え方が必要になる場面があるので、決算は税理士と一緒に進める前提で使う方が安心です。

個人事業から法人化した場合、データは引き継げますか。

個人と法人は別の人格として会計を分けるため、個人事業のデータをそのまま法人の帳簿として使うことはできません。法人としては設立日からの新しい会計期間で開始し、個人から法人へ引き継ぐ資産や負債の扱いは、税理士に確認しながら決めてください。

銀行口座の連携がうまくいかないときはどうすればいいですか。

金融機関側の仕様変更やメンテナンスで一時的に取得できないことがあります。まずは連携の再設定を試し、それでも取得できない場合は、その期間の明細をCSVで取り込む方法に切り替えると作業を止めずに済みます。手順は公式のヘルプで確認してください。

月の途中から使い始めても大丈夫ですか。

問題なく始められますが、期首(設立日または事業年度の開始日)から使い始めた日までの取引を、あとから入力または取り込む必要があります。連携で取得できる明細の期間には制限がある場合があるので、通帳やカード明細を手元に用意しておくと安心です。

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この記事は一般的な情報をまとめたものです。税務・法務・労務の個別の判断については、税理士・弁護士・社会保険労務士などの専門家にご相談ください。 料金や条件は変わることがあるため、お申し込み前に必ず各サービスの公式サイトで最新の内容をご確認ください。