マネーフォワード クラウド会計Plusとの違い|料金と選び方

・会計・税務・会社のはじめかた編集部(監修:田中 祐介)

「マネーフォワード クラウド会計」と「マネーフォワード クラウド会計Plus」。名前が似ているので同じ製品の上位プランだと思われがちですが、想定している会社の規模も、力を入れている機能の方向性も違います。この記事では、両者の違いをどこで見分けるか、自社はどちらを検討すべきか、料金はどう確認すればいいかを、判断の順番に沿って整理します。

この記事の結論

  • マネーフォワード クラウド会計は中小企業・ひとり社長を含む幅広い規模を想定した会計ソフト、クラウド会計Plusは内部統制や監査対応を重視する中堅企業・IPO準備企業向けの製品として位置づけられています。
  • どちらを選ぶかは「承認・権限・証跡の管理をシステム側で担保する必要があるか」で分かれ、必要がなければ通常のクラウド会計から始めるのが一般的です。
  • クラウド会計Plusの料金は個別見積もりの形が取られることが多く、公開されている料金表だけでは判断できないため、公式サイトから問い合わせて最新の条件を確認してください。

マネーフォワード クラウド会計とクラウド会計Plusの違いは、どこにあるか

いちばん大きな違いは、想定している会社の規模と、会計システムに求められる「統制」の強さです。マネーフォワード クラウド会計は、個人事業から中小企業まで幅広く使われることを前提に、日々の記帳・銀行やカードとの連携・決算書作成といった経理業務の流れを一通りカバーする設計になっています。ひとり社長や数人規模の会社でも、導入したその日から仕訳を入れ始められる軽さが特徴です。

一方のクラウド会計Plusは、経理担当者が複数いて、申請と承認が分かれ、外部の監査を受ける、あるいは将来受ける可能性がある会社を想定した製品です。誰がいつ何を登録し、誰が承認したかという記録(証跡)を残すこと、担当者ごとに操作できる範囲を細かく分けること、監査法人や会計士から求められる資料を出しやすくすることに重きが置かれています。

つまり「仕訳を早く正確に入れる」ことに主眼があるのが通常のクラウド会計、「入れた仕訳が正しい手続きを経ていることを説明できる」ことまで含めて設計されているのがクラウド会計Plus、とイメージすると違いがつかみやすくなります。

なお製品の仕様は改定されることがあります。ここで挙げた方向性は考え方の整理であり、個別の機能が自社の要件を満たすかどうかは、必ず公式サイトの最新情報と、可能であればデモで確認してください。

自社はどちらを検討すべきか、この順番で見る

判断は、次の順に見ていくと迷いにくくなります。第一に「経理に関わる人が何人いるか」。社長ひとり、または社長と担当者ひとりで完結しているなら、システムで承認フローを組む必要性は高くありません。この段階では通常のクラウド会計で十分に回ることが多いはずです。

第二に「承認の記録を残す必要があるか」。経費精算や仕訳の登録を担当者が行い、別の人が承認するという流れが社内ルールとして必要になってきたら、Plus側の検討範囲に入ります。特に、承認の記録を紙やメールで別管理していて、それが負担になっている場合は、システム側に寄せる価値が出てきます。

第三に「外部から会計処理の妥当性を問われる場面があるか」。監査法人の監査を受ける、金融機関や投資家に対して管理体制を説明する、上場を視野に入れている——こうした事情があるなら、クラウド会計Plusのような統制寄りの製品が候補になります。逆に、この三つのいずれにも当てはまらないなら、現時点で無理にPlusを選ぶ理由は乏しいと考えられます。

第四に「取引量と拠点の広がり」。仕訳の件数が増え、部門別・プロジェクト別の集計が欠かせなくなり、子会社や複数拠点の数字をまとめる必要が出てきたときも、検討のきっかけになります。

マネーフォワード クラウド会計の料金プラン

マネーフォワード クラウド会計の料金は次のとおりです。改定されることがあるため、申し込み前に公式サイトで最新の内容をご確認ください。

プラン料金使える人数備考
ひとり法人年払い 2,480円/月(年額29,760円・税抜)、月払い 3,980円/月(税抜)1名新設法人1年目向け。仕訳500件/年度、部門2つ・1階層まで
スモールビジネス年払い 4,480円/月(年額53,760円・税抜)、月払い 5,980円/月(税抜)3名部門2つ・1階層まで、AI-OCR 60件/月
ビジネス年払い 6,480円/月(年額77,760円・税抜)、月払い 7,980円/月(税抜)4名以上は従量課金(1名300円/月)部門無制限・2階層、振込FBデータ、残高突合、消費税申告書、優良電子帳簿対応
出典:マネーフォワード クラウド会計 公式料金ページ(https://biz.moneyforward.com/accounting/price/)・2026-09-21確認

クラウド会計Plusの料金はどう確認すればいいか

クラウド会計Plusは、会社の規模や利用人数、必要な機能の範囲によって条件が変わるため、料金が一律の表で公開されない形が取られることがあります。そのため「いくらか」を検索して出てきた数字をそのまま信じるのは危険です。古い情報や、条件の異なる他社事例が混ざっていることがあります。

確認の手順はシンプルです。まず、自社の状況を整理したメモを用意します。決算月、想定している利用人数と役割、年間の仕訳件数のおおよその規模、今使っている会計ソフトと給与・経費のシステム、いつから使い始めたいか。この五つがあれば、問い合わせのやり取りが一度で進みやすくなります。

次に、公式サイトの問い合わせフォームから見積もりを依頼します。その際、初期費用・導入支援の有無・契約期間の単位・利用人数が増えたときの扱いを、あわせて聞いておくと比較がしやすくなります。通常のクラウド会計側も料金体系が改定されることがあるので、両方を同じタイミングで確認してください。

料金を比べるときは、ソフトの費用だけで判断しないことをおすすめします。導入時の初期設定にかかる自社の手間、経理担当者が慣れるまでの時間、税理士や会計事務所との連携のしやすさまで含めて見ると、実際の負担感が見えてきます。

通常のクラウド会計からPlusに切り替えるタイミング

切り替えを考え始める典型的な合図はいくつかあります。経理の担当者が増えて、誰がどこまで触れるかを口頭ルールで運用するのが限界になってきたとき。月次決算を締める期限が固定され、締めたあとの修正を管理する必要が出てきたとき。監査法人との会話が始まり、内部統制について具体的な質問を受けるようになったとき。

切り替えは期首に合わせるのが動きやすいケースが多いです。期の途中で会計システムを変えると、同一期間のデータが二つのシステムに分かれ、決算時の突合に手間がかかります。どうしても期中に動かすなら、四半期や月次の区切りに合わせ、移行前後の残高が一致することを確認しながら進めます。

移行の準備としては、勘定科目や補助科目の体系を先に整理しておくと後が楽になります。使われていない科目、似た名前で用途が重なっている科目を棚卸しし、新しい体系を決めてから移すという順番です。これは会計事務所と相談しながら進めるのが現実的でしょう。

なお、移行にあたって過去データをどこまで持っていくか、電子で保存している証憑の扱いをどうするかは、電子帳簿保存法の考え方にも関わる部分です。要件の詳細は国税庁の資料を確認し、判断に迷う点は税理士にご相談ください。

Plusを選ばないほうがよい場合もある

統制が強い製品は、そのぶん運用のルールを社内で決めて守る必要があります。承認フローを設定したのに承認者が不在がちで止まる、権限を細かく分けたせいで誰も入力できない、といった状態になると、かえって経理が滞ります。組織の実態より先に仕組みだけ導入しても、うまく回らないことがあります。

ひとり社長の会社や、経理を税理士事務所にほぼ任せている小さな会社であれば、通常のクラウド会計で日々の取引を記録し、必要に応じて機能を足していくほうが現実的です。会社が大きくなったときに乗り換える前提で、いまの規模に合ったものを選ぶという判断も十分にあり得ます。

逆に、上場準備のスケジュールがすでに動いていて、管理体制の整備が期限つきの課題になっている場合は、早めに統制寄りの製品を入れて運用を慣らしておくほうが、後の負担が小さくなる傾向があります。どちらが向くかは会社の段階しだいで、一般論で決められるものではありません。

迷ったら、いま困っていることを三つ書き出してみてください。それが「入力が追いつかない」ならソフトの乗り換えより業務フローの見直しが先かもしれませんし、「誰が承認したか分からない」なら統制機能の出番です。困りごとの種類が、選ぶべき方向を教えてくれます。

比較検討を進めるときの実務的な進め方

まずは無料で試せる範囲を活用して、通常のクラウド会計の使い勝手を確かめるところから始めるとよいでしょう。実際に自社の取引をいくつか入力し、銀行口座の連携や仕訳ルールの設定がイメージ通りに動くかを見ます。ここで不足を感じた点を書き留めておくと、Plusの検討時にそのまま質問リストになります。

次に、顧問税理士や会計事務所に相談します。事務所側が使い慣れているシステムかどうかで、月次のやり取りのスムーズさが変わります。特に会計事務所と同じ画面を見ながら確認できるかどうかは、小さな会社ほど効いてくるポイントです。

最後に、他社サービスとも並べて見ることをおすすめします。会計ソフトは給与計算や経費精算、請求書発行と連動させると効果が出やすいため、バックオフィス全体をどう組み立てるかという視点で選ぶと失敗が減ります。各サービスの料金・機能は改定されるので、比較時点の公式サイトの情報で確認してください。

会計システムの選定は、税務処理の方針や決算のスケジュール、場合によっては資金調達の準備とも結びつきます。自社にとってどちらが適しているか判断がつかないときは、顧問税理士に会社の状況を共有したうえで相談してみてください。上場準備を視野に入れている場合は、内部統制の要件に詳しい税理士や監査法人にも早い段階で相談しておくと、後戻りが少なくなります。

よくある質問

マネーフォワード クラウド会計Plusは、通常版の上位プランですか?

名前は似ていますが、同じ製品の単なる上位プランというよりは、想定する会社の規模と目的が異なる製品として位置づけられています。通常のクラウド会計は幅広い規模の経理業務を、Plusは内部統制や監査対応を重視する会社を主に想定しています。詳しい位置づけと最新の仕様は公式サイトでご確認ください。

クラウド会計Plusの料金はいくらですか?

会社の規模や利用人数、必要な機能の範囲によって条件が変わるため、個別に見積もりを取る形が案内されることがあります。検索で出てくる金額は古い情報の可能性があるので、公式サイトの問い合わせフォームから最新の料金と契約条件を確認してください。

ひとり社長ですが、最初からPlusを入れたほうがいいですか?

承認フローや権限の細分化が必要ない段階であれば、通常のクラウド会計から始めるほうが運用しやすいことが多いです。経理の人数が増えたり、監査を受ける予定が出てきたりした時点で切り替えを検討する、という順番でも遅くありません。

期の途中で会計ソフトを乗り換えても大丈夫ですか?

技術的には可能ですが、同じ期のデータが二つのシステムに分かれるため、決算時の突合に手間がかかります。可能なら期首に合わせ、難しい場合は月次や四半期の区切りで、残高が一致することを確認しながら進めてください。進め方は顧問税理士と相談しておくと安心です。

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この記事は一般的な情報をまとめたものです。税務・法務・労務の個別の判断については、税理士・弁護士・社会保険労務士などの専門家にご相談ください。 料金や条件は変わることがあるため、お申し込み前に必ず各サービスの公式サイトで最新の内容をご確認ください。