法人カードの作り方|申し込みの手順と必要書類

・法人カード・決済・会社のはじめかた編集部(監修:田中 祐介)

会社をつくったら、経費の支払いをまとめるために法人カードを検討する場面が来ます。ただ、個人のクレジットカードと違って「登記簿謄本は要るのか」「印鑑証明書はどこで取るのか」「実質的支配者って何を書くのか」と、最初の一歩でつまずきがちです。この記事では、申し込み前に用意するもの、申し込みの流れ、審査で見られやすい点を、やる順番に沿って整理します。

この記事の結論

  • 法人カードの申し込みは、①会社の基本情報と本人確認書類をそろえる、②必要なら登記事項証明書・印鑑証明書を取得する、③引き落とし用の法人口座を決める、④オンラインまたは申込書で申し込む、という順で進めるとスムーズです。
  • 必要書類は発行会社によって異なりますが、代表者の本人確認書類はほぼ共通で求められ、登記事項証明書や印鑑証明書は「原本・発行から一定期間内」を条件とされることがあります。
  • 設立直後で決算書がない場合でも申し込めるカードはありますが、会社の状況や引き落とし口座の準備状況によって結果は変わるため、条件は各社の公式サイトで最新の内容を確認してください。

法人カードの作り方は、まず「4つの準備」から

法人カードの申し込みは、大きく分けて準備・申し込み・審査・受け取りの4段階です。つまずくのはほぼ準備の段階なので、ここを先に片づけると全体が早く終わります。準備するのは、会社の基本情報、代表者の本人確認書類、引き落とし用の口座、そして発行会社が求める場合の公的書類です。

会社の基本情報とは、商号、本店所在地、設立年月日、資本金、事業内容、従業員数、代表者の氏名・生年月日・自宅住所などです。これらは登記事項証明書(登記簿謄本)と定款を手元に置けばほぼ埋まります。入力の途中で調べに行くと中断しやすいので、先にPDFや紙で並べておくのがおすすめです。

引き落とし用の口座は、法人名義の口座を指定するのが基本です。法人口座の開設には時間がかかることがあるため、会社設立→法人口座開設→法人カード申し込み、という順で動くと詰まりにくくなります。口座がまだない段階で申し込むと、途中で手続きが止まってしまうことがあります。

法人カードの必要書類はこれ|共通で求められるもの

発行会社によって細かな違いはありますが、よく求められるのは次のものです。ひとつ目は代表者(申込者)の本人確認書類で、運転免許証、マイナンバーカード、パスポートなどが一般的です。オンライン申し込みではスマホで撮影してアップロードする方式や、eKYC(オンラインでの本人確認)に対応している場合があります。

ふたつ目は会社の実在性を確認する書類で、登記事項証明書(履歴事項全部証明書)や印鑑証明書が該当します。ただし、法人番号や登記情報を発行会社側で確認できる仕組みを使い、書類の提出を求めないケースもあります。「必ず要る」と決めつけず、申し込むカードの案内を先に読むのが近道です。

みっつ目は引き落とし口座の情報で、口座番号のほかに、口座振替の手続きでネットバンキングを使う方式と、口座振替依頼書に銀行届出印を押して郵送する方式があります。後者を選ぶと郵送の往復が発生するため、急ぐ場合はオンライン完結できるかを先に確認しておくと良いでしょう。

追加で、決算書(直近1期分など)や確定申告書の写しを求められることがあります。設立して間もない会社では、代わりに事業計画に関する情報を聞かれることもあります。

登記簿謄本と印鑑証明書は、いつ・どこで取る?

登記事項証明書(いわゆる登記簿謄本)と法人の印鑑証明書は、法務局で取得します。窓口のほか、オンラインで請求して郵送や窓口で受け取る方法もあります。印鑑証明書は、印鑑カードが必要になる点に注意してください。設立時に印鑑カードを作っていない場合は、先に交付申請が必要です。

提出を求められる場合、「発行から◯か月以内の原本」といった条件が付くことがよくあります。会社設立のときに取った古い謄本が手元にあっても、期間を過ぎていれば使えないことがあります。申し込み直前に取り直すつもりで動くと安全です。

取得の順番としては、法人口座の開設でも同じ書類を使うことが多いので、口座開設のときにまとめて複数通取っておくと二度手間が減ります。何通必要かは提出先ごとに違うため、余分を見込んで取るかどうかは費用と手間で判断してください。手数料は変更されることがあるので、法務局の案内で確認しましょう。

「実質的支配者」の申告でつまずかないために

法人カードの申し込みでは、犯罪収益移転防止法にもとづく確認として、取引の目的や事業内容、そして実質的支配者に関する申告を求められるのが一般的です。実質的支配者とは、ざっくり言えば「その法人を実質的に支配している個人」のことで、議決権の保有割合などをもとに判断される考え方です。

ひとり社長の会社で、株式をすべて代表者が持っている場合は、代表者本人が該当すると考えるのが素直です。複数の出資者がいる場合や、持株会社を挟んでいる場合は判断が分かれることがあるため、定款と株主名簿を見ながら整理してください。判断に迷うときは、司法書士や弁護士に確認すると安心です。

申告の内容は、口座開設のときに提出したものと食い違わないようにしておくのが基本です。出資構成が変わった場合は、社内の記録も合わせて更新しておきましょう。判断基準の詳細は、所管官庁や業界団体の公表資料を確認してください。

申し込みの手順|オンラインと申込書、どちらを選ぶか

まず、オンライン完結で申し込めるかを確認します。オンライン方式は、フォームに会社情報と代表者情報を入力し、本人確認をアップロードまたはeKYCで済ませ、口座振替もネットバンキングで設定する流れです。郵送がない分、手続きが早く進みやすいのが利点です。

紙の申込書方式は、資料請求または公式サイトからのダウンロードで申込書を入手し、必要事項を記入・押印して、本人確認書類の写しや登記事項証明書とともに郵送します。追加カード(従業員用)を最初から複数枚申し込む場合や、法人の押印が求められる手続きでは、こちらになることがあります。

迷ったら、次の順で見てください。①急いで使い始めたい→オンライン完結に対応しているか、②従業員カードを同時に何枚も作りたい→追加カードの申し込み方法、③銀行届出印での口座振替依頼書が必要か。申し込み後は在籍確認や書類の追加提出を求められることがあるので、連絡が取れる電話番号とメールアドレスを登録しておきましょう。

設立直後でも申し込める?審査で見られやすいところ

設立したばかりで決算書がない会社でも申し込めるカードはあります。一方で、決算書の提出を前提にしているカードもあり、そこでは設立からの年数が実質的な条件になることがあります。どちらに当てはまるかは、各社の公式サイトの申し込み条件欄に書かれていることが多いので、申し込む前に読んでおきましょう。

審査の基準は公開されていませんが、一般に、会社の登記情報と申し込み内容が一致していること、連絡先が実在して連絡が取れること、引き落とし口座がきちんと指定されていることは、事務手続き上の前提になります。本店所在地や商号の表記ゆれ(丁目・番地の書き方など)は、登記どおりに書くのが無難です。

もし希望のカードで結果が出なかった場合は、短期間に何枚も申し込むより、法人口座の取引実績を積みながら、申し込み条件が自社に合うカードを探し直すほうが落ち着いて進められます。事業内容の説明を求められる場面もあるので、何にいくら使う予定かを言葉にしておくと役立ちます。

カードが届いたあとにやること

受け取ったら、まず署名欄の記入とカード情報の管理方法を決めます。誰がどのカードを持つのか、利用目的の範囲はどこまでか、上限をどう扱うかを、口頭ではなく簡単な社内ルールとして残しておくと、後の経理が楽になります。従業員カードを配る場合は、私的利用の扱いについても先に決めておきましょう。

次に、会計ソフトとの連携設定です。カードの利用明細を自動で取り込めるようにしておくと、仕訳の手間が減ります。あわせて、利用明細と領収書の保存方法も決めてください。電子で受け取った領収書やレシートの保存方法には法令上の考え方があるため、詳細は国税庁の資料を確認するか、税理士に相談すると安心です。

経費の処理や、代表者個人の支出と会社の支出の切り分けは、あとからまとめて直すと手間がかかります。使い始めの段階で、月に一度は明細を見る日を決めておくのがおすすめです。

よくある質問

法人カードの申し込みに登記簿謄本は必ず必要ですか。

発行会社によって異なり、提出を求められる場合と、登記情報を別の方法で確認するため不要な場合があります。求められるときは「発行から一定期間内の原本」といった条件が付くことが多いので、申し込み直前に法務局で取得するのが安全です。

法人口座がなくても法人カードは作れますか。

引き落とし口座に法人名義の口座を指定する運用が一般的なため、口座を先に開設しておくほうが手続きが進みやすくなります。口座の指定条件は各社で違うので、公式サイトの案内を確認してください。

実質的支配者には誰を書けばよいですか。

議決権の保有状況などをもとに判断される考え方で、株式をすべて代表者が持つひとり社長の会社では代表者本人が該当すると整理されることが多いです。出資者が複数いる場合や法人が株主の場合は判断が分かれることがあるため、司法書士や弁護士に確認すると安心です。

設立直後でも申し込めますか。

決算書がなくても申し込めるカードはありますが、決算書の提出を前提とするカードもあります。申し込み条件は各社の公式サイトで最新の内容を確認し、会社の状況に合うものを選んでください。

必要書類や条件の判断に迷ったときは。

書類の種類や実質的支配者の判断、経費処理の扱いは会社ごとに事情が異なります。登記まわりは司法書士、経費や帳簿の扱いは税理士に相談すると、手戻りが少なく進められます。

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この記事は一般的な情報をまとめたものです。税務・法務・労務の個別の判断については、税理士・弁護士・社会保険労務士などの専門家にご相談ください。 料金や条件は変わることがあるため、お申し込み前に必ず各サービスの公式サイトで最新の内容をご確認ください。