Google Workspaceを非営利法人が無料で使う方法|対象と申請の手順

・会議・情報共有・会社のはじめかた編集部(監修:田中 祐介)

「非営利法人ならGoogle Workspaceが無料になると聞いたけれど、うちの法人は対象なのか」「申請はどこから始めるのか」。NPO法人や社会福祉法人の事務局でよく出る疑問です。この記事では、対象になる法人格の考え方、団体認証から申請・有効化までの流れ、申請前に必ず準備しておきたいもの、そして審査に通らなかった場合の考え方を、手順の順番どおりに整理します。

この記事の結論

  • Googleは非営利団体向けのプログラム(Google for Nonprofits)を用意しており、要件を満たす法人はGoogle Workspaceの非営利団体向け提供を申請できます。
  • 日本の法人が申請する場合は、テックスープ(TechSoup Japan)などGoogleが指定する認証パートナーで団体認証を受け、発行された確認用の情報をもとにGoogle側へ申請するのが一般的な流れです。
  • 申請には法人格を証明する書類と自法人のドメインが必要になるため、登記事項証明書・定款の準備とドメイン取得を先に済ませておくと手続きが進めやすくなります。

非営利法人はGoogle Workspaceを無料で使えるのか

Googleは、要件を満たす非営利団体向けに「Google for Nonprofits」というプログラムを提供しています。承認されると、Google Workspaceを非営利団体向けの条件で利用できるほか、団体向けの各種サービスの案内を受けられます。ただし、提供内容や対象サービス、利用できる機能の範囲は変更されることがあります。

「無料」という言葉だけが先に広まりがちですが、実際には利用人数や必要な機能によって、無償の範囲では足りずに有償の上位構成を検討することになる場合もあります。金額や提供条件については必ずGoogleの公式サイトで最新の情報を確認してください。

また、非営利法人であればすべて対象になるわけではありません。まずは「自法人の法人格が対象になりそうか」を確認し、その次に「申請に必要な書類とドメインが揃っているか」を見る、という順番で進めるのが効率的です。

対象になるのはどんな法人か(社会福祉法人・NPO法人の場合)

一般に、特定非営利活動法人(NPO法人)、公益社団法人・公益財団法人、社会福祉法人といった、日本で非営利性が法律上位置づけられている法人格は、非営利団体向けプログラムの検討対象になります。社会福祉法人についても、認証パートナーの団体登録の対象に含まれることがあります。ただし、最終的な可否はGoogle側の審査によります。

一方で、行政機関や自治体そのもの、学校・大学などの教育機関、医療機関、政治団体などは、対象外とされたり、別のプログラム(教育機関向けのサービスなど)の案内になったりすることがあります。宗教活動を主目的とする団体も、扱いに条件が付く場合があります。自法人がどれに当たるか迷うときは、申請前に認証パートナーの案内ページで対象区分を確認してください。

一般社団法人・一般財団法人については、非営利型かどうかなど、法人の性格によって判断が分かれることがあります。定款の目的規定や剰余金の分配に関する定めが判断材料になるため、定款を手元に用意したうえで問い合わせると話が早く進みます。

申請前に用意するもの:書類・ドメイン・管理者

申請でつまずく典型は「書類が揃っていない」「ドメインがない」の2つです。先に次の3点を揃えてください。1つ目は法人格を確認できる書類で、登記事項証明書(履歴事項全部証明書)や定款、所轄庁からの認証書類などが該当します。法務局や所轄庁で取得できるものは、発行から日が浅いものを用意しておくと安心です。

2つ目は自法人のドメインです。Google Workspaceは独自ドメインのメールアドレスを前提にした仕組みのため、`〇〇.or.jp`や`〇〇.org`などのドメインを取得し、DNSの設定を変更できる状態にしておく必要があります。すでにホームページ用のドメインがある場合は、その管理画面にログインできるか、誰が管理しているかを確認しておきましょう。

3つ目は管理者になる人です。管理コンソールを操作し、アカウント発行や退職時の停止を担う役割で、事務局長や総務担当など、法人として責任を持てる人を1人、予備でもう1人決めておくと引き継ぎで困りません。個人のフリーメールを窓口にせず、法人として連絡が取れるアドレスを使うのが望ましい形です。

申請の手順:団体認証からGoogle Workspaceの有効化まで

流れは大きく4段階です。第1段階は認証パートナーでの団体登録です。日本ではテックスープ(TechSoup Japan)が窓口になることが一般的で、法人情報の入力と、登記事項証明書や定款などの書類提出を行います。審査には日数がかかるため、導入したい時期から逆算して早めに着手してください。

第2段階は、認証が完了した後に発行される確認用の情報(団体を特定するための番号やトークン)を受け取り、Google for Nonprofitsの申請フォームでそれを使って申請することです。ここで法人名や所在地が書類と食い違っていると差し戻しになるため、表記は登記どおりに入力します。

第3段階は、Googleからの承認連絡です。承認後、管理コンソールから非営利団体向けの提供を有効化し、利用できる状態にします。第4段階が実際の運用開始で、ドメインの所有権確認、MXレコードの変更によるメールの切り替え、職員アカウントの発行、共有ドライブの整理という順に進めます。メールの切り替えは業務への影響が大きいので、既存メールの移行方法を決めてから作業日を設定してください。

承認されなかったとき・対象外だったときの選択肢

審査に通らなかった場合、まず確認したいのは「法人格が対象外だったのか」「書類の不備だったのか」です。書類の不備であれば、登記事項証明書を取り直す、定款の該当ページを追加するなどで再申請できることがあります。法人格そのものが対象外の場合は、同じ申請を繰り返しても状況は変わりません。

対象外だった場合は、通常の有料プランで導入するか、他のグループウェアを比較することになります。選ぶときの順番としては、①職員全員に個別のメールアドレスが必要か、②ファイルを法人の資産として共有ドライブで管理したいか、③退職者のアカウントを法人側で止められるか、の3点を先に見ます。この3つが必要なら、無料の個人向けサービスを寄せ集める運用からは早めに卒業したほうが、後々の情報管理が楽になります。

なお、利用者数が少なく、当面は代表者と数名だけという段階なら、まずは最小人数で有料導入し、体制が整ってから非営利団体向けの申請を出す、という順序でも構いません。料金や契約条件は各社の公式サイトで最新の情報を確認してください。

導入後に決めておきたい運用ルール

アカウントを配って終わりにすると、数年後に「誰のアカウントか分からない」「退職者のファイルが開けない」という問題が起きます。導入と同時に、アカウントの発行・停止の手順、共有ドライブのフォルダ構成、外部共有をどこまで認めるかの3点を、短くてよいので文書にしておきましょう。

非営利法人では、利用者情報や寄付者情報など、取り扱いに配慮が必要なデータを扱う場面があります。誰がどのフォルダにアクセスできるかを役割ごとに整理し、個人アカウントへの持ち出しを避ける運用にしておくと安全側に倒せます。個人情報の取り扱い方針については、所管官庁の資料や関係団体のガイドラインもあわせて確認してください。

また、会計書類や契約書をクラウドに保存する場合、電子帳簿保存法など保存に関する制度が関わることがあります。保存の要件は運用の仕方によって扱いが変わることがあるため、詳細は国税庁の資料を確認のうえ、顧問の税理士にご相談ください。法人格や定款の変更が必要になる場面では、司法書士に確認すると手続きの見通しが立てやすくなります。

よくある質問

社会福祉法人でもGoogle Workspaceの非営利団体向けプログラムに申請できますか

社会福祉法人は、認証パートナーの団体登録の対象に含まれることがあり、申請を検討できます。ただし可否はGoogle側の審査によって決まるため、まずは登記事項証明書と定款を用意して、認証パートナーの対象区分を確認してください。

申請から使えるようになるまで、どれくらいかかりますか

団体認証とGoogle側の審査の2段階があるため、一定の日数がかかります。書類の不備があると差し戻しでさらに時間が延びるので、導入したい時期の数か月前から準備を始めておくと安心です。

独自ドメインがなくても申請できますか

Google Workspaceは独自ドメインのメールアドレスを前提とした仕組みのため、申請と並行してドメインの取得とDNS設定ができる状態を整えておく必要があります。すでにホームページ用のドメインがある場合は、その管理権限が法人側にあるかを先に確認してください。

無償で使える範囲はどこまでですか

提供される機能や対象サービスの範囲は変更されることがあり、人数や必要な機能によっては有償の構成を検討することになります。最新の提供内容と料金は、Googleの公式サイトで確認してください。

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この記事は一般的な情報をまとめたものです。税務・法務・労務の個別の判断については、税理士・弁護士・社会保険労務士などの専門家にご相談ください。 料金や条件は変わることがあるため、お申し込み前に必ず各サービスの公式サイトで最新の内容をご確認ください。