ChatGPTで議事録をまとめるプロンプト|文字起こしから要約する手順

・会議・情報共有・会社のはじめかた編集部(監修:田中 祐介)

会議のあと、録音を聞き直しながら議事録を書く時間がもったいない。そう感じている方は多いと思います。文字起こしさえ手元にあれば、生成AIに渡して議事録の形に整えるところまでは、かなり短縮できます。この記事では、プロンプトの書き方の型、長い文字起こしの扱い方、そして「AIに任せてはいけない部分」を、実務の順番に沿って整理します。

この記事の結論

  • 生成AIで議事録をまとめるときは、出力の見出し(決定事項・宿題・保留・議論の要点)をプロンプトで先に指定すると、要約の質が安定しやすくなります。
  • 文字起こしが長い場合は、話題のまとまりごとに分割して要約し、最後に部分要約をまとめて統合する二段構えが扱いやすい方法です。
  • AIの出力はあくまで下書きで、決定事項の表現や数字、固有名詞、社外に出す文面は、会議に出席した人が必ず目視で確認する運用にします。

AI議事録の全体の流れ|文字起こしから完成までの4ステップ

やることは大きく4つです。まず会議を録音して文字起こしを作る、次に文字起こしを整える(不要部分の削除・機密情報の確認)、次に生成AIに議事録用のプロンプトと一緒に渡す、最後に出席者が事実確認をして確定する。この順番を崩すと、あとで手戻りが増えます。

文字起こしは、Web会議ツールに付いている自動文字起こし機能や、文字起こし専用のツールから出力できるものを使う方法が一般的です。対応状況や利用条件はツールごとに異なるため、各社の公式サイトで最新の仕様を確認してください。対面会議なら、スマートフォンの録音アプリで録った音声を文字起こしツールに通す形になります。

ポイントは、AIに渡す前に「この会議で何を決めたかったのか」を自分の頭の中で一言にしておくことです。目的が言葉になっていれば、プロンプトに書き込めますし、出てきた要約が的外れかどうかもすぐ判断できます。

議事録プロンプトの基本の型|役割・入力・出力形式・制約の4要素

うまくいくプロンプトは、だいたい同じ構造をしています。(1)役割(あなたは議事録作成の担当者です)、(2)入力の説明(以下は社内定例の文字起こしです)、(3)出力形式(この見出しで、この順に書いてください)、(4)制約(推測で補わない、発言にない内容を書かない)。この4つを書くだけで、出力のばらつきはかなり減ります。

なかでも効くのは(3)の出力形式です。「要約して」とだけ頼むと、文章がなめらかになるかわりに、決定事項とただの雑談が同じ重みで並んでしまうことがあります。先に見出しを指定して、そこに情報を振り分けさせるほうが、議事録としては使える形になります。

(4)の制約も忘れないでください。生成AIは、文脈からそれらしい内容を補ってしまうことがあります。「文字起こしに書かれていないことは書かない」「発言者が不明な場合は不明と書く」と明示しておくと、確認の手間が減ります。

そのまま使える議事録プロンプト例|基本・要約重視・タスク抽出の3パターン

まずは基本型です。「あなたは議事録作成の担当者です。以下は社内会議の文字起こしです。次の見出しで議事録をまとめてください。1.会議の目的、2.決定事項、3.次のアクション(担当者と期限が分かる場合は併記)、4.保留・持ち帰り事項、5.議論の要点(論点ごとに箇条書き)。文字起こしにない内容は補わず、不明な点は『記載なし』としてください。」──このあとに文字起こしを貼り付けます。

要約を短くしたいときは、分量の指定を足します。「議論の要点は、論点ごとに2行以内でまとめてください」「全体でA4一枚に収まる分量にしてください」。逆に、あとから経緯を追えるようにしたいときは、「反対意見や懸念が出た論点は、誰がどんな理由で述べたかが分かるように残してください」と書き足します。

タスクだけ抜き出したいときは、別プロンプトにしたほうが精度が上がります。「以下の文字起こしから、誰かがやると述べた作業をすべて抜き出し、『作業内容/担当者/期限/根拠となる発言』の4項目で表にしてください。担当者や期限が明示されていない場合は空欄にし、勝手に推測しないでください。」根拠となる発言を出させておくと、確認がとても楽になります。

長い文字起こしはどう渡す?|分割要約と統合の手順

1時間を超える会議の文字起こしは、一度に貼り付けると後半の内容が薄くなったり、途中で切れたりすることがあります。迷ったら、まず「話題のまとまりごとに分ける」を試してください。議題が3つある会議なら3分割、雑談から本題に入った箇所で区切る、という程度で構いません。

分割したら、それぞれに同じプロンプトを使って部分要約を作ります。このとき「この部分は会議全体の一部です。決定事項と宿題を漏らさず拾ってください」と添えておきます。すべての部分要約ができたら、それらをまとめて貼り付け、「以下は同じ会議の部分要約です。重複を整理し、1本の議事録に統合してください。決定事項が矛盾している箇所は、矛盾しているまま指摘してください」と指示します。

矛盾をそのまま指摘させるのがコツです。会議では前半の決定が後半でひっくり返ることがよくあります。AIがきれいに一本化してしまうと、その変更が見えなくなってしまいます。

AIに任せていい部分と、人が確認すべき部分

任せやすいのは、発言の重複整理、話し言葉から書き言葉への変換、論点ごとの並べ替え、長い議論の要約です。この作業はもともと機械的で、時間だけかかっていた部分なので、短縮の効果が出やすいところです。

逆に、人が必ず確認したいのは、金額・日付・数量などの数字、社名や人名などの固有名詞、そして「決定した/しなかった」の線引きです。文字起こしの段階で聞き取りが誤っていると、AIはその誤りを自然な文章に整えてしまいます。確定前に、会議に出席した人が一度目を通す運用にしてください。

もう一つ、公開範囲の判断も人の仕事です。人事の話、取引条件、まだ社外に出せない検討段階の情報などが含まれていないか、配布前に確認します。社内版と共有版を分けて作る会社もあります。

機密情報の扱いと、社内ルールの決め方

生成AIに会議の中身を渡す以上、入力した情報がどう扱われるかは、事前に確認しておきたいところです。サービスによって、入力データの学習利用に関する設定や、法人向けプランでの扱いが異なります。利用規約とプライバシーに関する説明は、各社の公式サイトで最新の内容を確認してください。

小さな会社でも、簡単なルールを一枚のメモにしておくと迷わなくなります。決めるのは3点で十分です。(1)どのツールを使ってよいか、(2)渡してはいけない情報は何か(個人情報、未公表の取引条件など)、(3)出力した議事録の保存場所と確認者。これを共有フォルダに置いておけば、担当者が変わっても運用が続きます。

なお、会議の録音を取る場合は、出席者に録音する旨を伝えておくのが無難です。社外の方が参加する会議では、事前に一言確認してから録音するようにしてください。取引先との契約に関わる会議の記録や、労務に関する面談記録の扱いに不安がある場合は、弁護士や社会保険労務士など、内容に応じた専門家に確認しておくと安心です。

議事録づくりを仕組みにする|テンプレート化と定例運用

プロンプトは毎回考えるものではなく、一度作って使い回すものです。うまくいったプロンプトは、メモアプリや共有ドキュメントに「議事録用プロンプト(定例会議)」「議事録用プロンプト(顧客打ち合わせ)」のように名前をつけて保存しておきます。会議の種類ごとに見出しを変えておくと、そのまま貼るだけで済みます。

次に、保存場所と命名規則を決めます。「YYYYMMDD_会議名_議事録」のような形にしておくと、あとから検索しやすくなります。取締役会や株主総会など、会社法上の記録として整えるべき議事録は、様式や記載事項の考え方が通常の社内議事録とは異なります。作り方に迷う場合は、司法書士に相談すると進めやすいでしょう。

最後に、確定までの流れを決めます。会議終了後に文字起こし、当日中にAIで下書き、翌営業日までに出席者が確認して確定、という程度のリズムを決めておけば、記憶が新しいうちに直せます。経費や契約の判断に関わる記録の残し方について不安がある場合は、顧問の税理士にも一度相談しておくと、あとの処理がスムーズになります。

よくある質問

文字起こしがなくても、ChatGPTで議事録は作れますか。

手書きのメモや箇条書きのラフメモからでも、文章の形に整えることはできます。ただし、メモに書かれていない部分をAIが推測で補ってしまうことがあるため、「メモにない内容は追加しないでください」と指示したうえで、出席者が内容を確認してください。

議事録の要約が浅くなってしまうときは、どうすればいいですか。

多くの場合、出力形式の指定が足りていません。「決定事項」「次のアクション」「保留事項」など見出しを先に指定し、さらに「各論点について、結論とその理由を分けて書いてください」と足すと、内容が具体的になりやすくなります。それでも浅い場合は、文字起こしを分割して部分ごとに要約する方法を試してください。

発言者名が入っていない文字起こしでも使えますか。

使えますが、「誰が言ったか」は再現できません。プロンプトに「発言者が特定できない場合は担当者欄を空欄にしてください」と書き、確定時に出席者が埋める運用にすると安全です。担当が重要な会議では、文字起こしの段階で話者分離に対応したツールを使えるか、各社の公式サイトで確認してみてください。

AIが作った議事録を、そのまま社外に送っても大丈夫でしょうか。

そのまま送るのは避け、必ず出席者が内容と公開範囲を確認してください。数字や固有名詞の誤り、社内限定の情報が混ざることがあります。契約条件に関わる記載が含まれる場合は、送付前に弁護士など適切な専門家に確認しておくと安心です。

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