freee人事労務とマネーフォワード クラウド給与の違い|料金体系と選び方
給与計算のクラウドサービスを検討すると、まず名前が挙がるのがfreee人事労務とマネーフォワード クラウド給与です。どちらも従業員数に応じて費用が変わる仕組みですが、「何を基本料金に含め、どこから追加費用にするか」の設計が違います。この記事では、編集部が公式サイトで確認したプラン情報をもとに、料金体系の考え方と、どういう会社にどちらが向きやすいかを整理します。具体的な金額は下の表にまとめているので、あわせてご覧ください。
この記事の結論
- freee人事労務は、給与計算の複雑さ・年末調整・勤怠・人事情報といった機能の範囲でプランが段階的に分かれ、上位プランほど1名あたりの追加単価も上がる設計です。
- マネーフォワード クラウド給与は、基本プランに含まれる人数を超えた分の1名あたり追加単価がプラン間で共通に設定されており、人数が増えたときの費用の読みやすさが特徴です。
- 少人数のうちは基本料金と含まれる人数、人数が増える見込みがあるなら追加単価と必要な機能のプラン段階、という順で比べると判断しやすくなります。
この2つは何が根本的に違うのか
freee人事労務とマネーフォワード クラウド給与は、どちらも給与計算を中心としたクラウドサービスで、従業員数に応じて費用が変わる点は共通しています。ただし、プランの組み立て方を見ると、想定している使い方の違いがはっきり出ます。
freee人事労務は、機能の範囲でプランが段階的に積み上がる設計です。編集部が確認したプラン情報では、下位プランは固定制の給与計算やWEB給与明細、会計ソフト連携、マイナンバー管理などが対象で、その上に複雑な計算・従業員による年末調整・入退社手続き・社会保険の電子申請、さらに上の段階で勤怠打刻や有給の自動付与、人事情報の管理やセキュリティ強化、電話サポートが加わります。加えて、初期設定や給与計算そのものを代行するアウトソース型のプランも用意されています。つまり「労務まわりをどこまでこのサービスの中で完結させるか」でプランを選ぶ構造です。
一方のマネーフォワード クラウド給与は、ひとり法人向け・スモールビジネス・ビジネスという規模を軸にしたプラン構成で、一定人数までを含む基本料金に、それを超えた分の1名あたり単価が加算されます。この追加単価はプランをまたいで同じ水準に設定されており、freee側のように上位プランほど追加単価が上がる形とは考え方が異なります。51名以上の規模については問い合わせ対応となっています。
この違いは「費用がどう増えていくか」の見通しに直結します。機能を増やしたい会社と、人数が増えていく会社とで、効いてくるポイントが変わるということです。なお、給与明細のWeb閲覧や会計・経費などの他サービスとの連携範囲は、プランや提供内容によって扱いが異なる場合があるため、各社の公式サイトで最新の情報を確認してください。
料金の比べ方
料金の考え方が違うため、月額だけを見ても比べられません。使う人数と必要な機能を決めたうえで、基本料金に追加ユーザー分や従量課金を足した「月あたりの合計」で見ます。
| サービス | 無料で使えるか | いちばん安い有料プランの料金 | 使える人数 |
|---|---|---|---|
| freee人事労務 | なし | 年払い 2,000円/月(5名分)、月払い 2,600円/月 | 5名から。6名以降は1名400円/月(税抜) |
| マネーフォワード クラウド給与 | なし | 年払い 29,760円/年(2,480円/月)、月払い 3,980円/月(税抜) | 1名 |
どの順番で比べると決まるか
最初に見るのは利用人数です。両サービスとも基本料金に含まれる人数が決まっていて、それを超えると1名あたりの追加費用が発生します。現在の人数が含まれる範囲に収まるか、そして1年後・2年後に何人になりそうかを先に置いてください。1名だけの法人、数名の会社、数十名の会社では、同じサービスでも費用感の並び方が変わります。
次に、給与計算そのものの複雑さです。全員が月給の固定制で手当も単純なのか、時給・日給が混在し、変動手当や複数の勤務形態があるのか。freee人事労務は複雑な計算が上位プランの範囲とされているため、ここで必要なプラン段階が決まります。
三つめは、給与計算の前工程である勤怠をどう扱うかです。すでに勤怠管理のツールを使っていて今後も使い続けるのか、給与計算とまとめてしまいたいのか。freee人事労務では勤怠打刻や有給の自動付与が特定のプラン以上の機能として整理されています。マネーフォワード クラウド給与側の勤怠の扱いや、外部の勤怠ツールとの連携可否については、公式サイトで確認してください。
四つめは、年末調整や入退社手続き、社会保険の手続きをどこまでサービス上で行いたいかです。従業員自身に年末調整の情報を入力してもらう運用にしたいのか、担当者が集約して処理するのか。この運用の違いが必要なプラン段階を左右します。なお、年末調整や社会保険の手続きは制度改正の影響を受けやすい領域とされていますので、実務の進め方は税理士や社会保険労務士といった専門家に確認しておくと安心です。
五つめは、すでに社内で使っている会計ソフトやその他のバックオフィスツールとの関係です。同じシリーズでそろえたほうが運用が楽になる場面はありますが、どのサービスとどこまでデータが連携できるかは提供内容によって異なります。自社が使っているツール名を挙げて、各社の公式サイトや問い合わせ窓口で具体的に確認するのが確実です。
最後に社内の体制です。給与計算を担当できる人がいるのか、経営者が片手間で回しているのか。担当者が不在に近い状態なら、代行を含むプランや、電話でのサポートが受けられる体制を検討する余地があります。ここまで整理したうえで、下の表で金額を突き合わせると判断しやすくなります。料金は改定されることがあるため、最終的には公式サイトで最新の料金を確認してください。
freee人事労務のプラン
freee人事労務の料金は次のとおりです。最新の内容は公式サイトでご確認ください。
| プラン | 料金 | 使える人数 | 備考 |
|---|---|---|---|
| ミニマム | 年払い 2,000円/月(5名分)、月払い 2,600円/月 | 5名から。6名以降は1名400円/月(税抜) | 固定制の給与計算、WEB給与明細、会計ソフト連携、マイナンバー管理、管理者年末調整 |
| スターター | 年払い 3,000円/月(5名分)、月払い 3,900円/月 | 6名以降は1名600円/月(税抜) | ミニマムの全機能+複雑な計算、従業員年末調整、入退社手続き、社保の電子申請 |
| スタンダード | 年払い 4,000円/月(5名分)、月払い 5,200円/月 | 6名以降は1名800円/月(税抜) | 勤怠打刻・勤怠ワークフロー・勤怠アラート・有給自動付与 |
| アドバンス | 年払い 5,500円/月(5名分)、月払い 7,150円/月 | 6名以降は1名1,100円/月(税抜) | 身上変更ワークフロー、人事情報の管理、セキュリティ強化、電話サポート |
| アウトソース | 95,000円/月(50ID分を含む) | 51名以降は1名1,900円/月(税抜) | 初期設定・給与計算・年末調整・入退社手続き・身上変更の代行 |
マネーフォワード クラウド給与のプラン
マネーフォワード クラウド給与の料金は次のとおりです。最新の内容は公式サイトでご確認ください。
| プラン | 料金 | 使える人数 | 備考 |
|---|---|---|---|
| ひとり法人 | 年払い 29,760円/年(2,480円/月)、月払い 3,980円/月(税抜) | 1名 | 従量課金なし |
| スモールビジネス | 年払い 53,760円/年(4,480円/月)、月払い 5,980円/月(税抜) | 3名(6名以上は1名300円/月) | — |
| ビジネス | 年払い 77,760円/年(6,480円/月)、月払い 7,980円/月(税抜) | 5名(6名以上は1名300円/月) | — |
| 中堅〜大企業(51名以上) | 記載なし(問い合わせ) | 記載なし | — |
freee人事労務が向いている会社
労務まわりの業務を段階的に増やしていきたい会社に向きます。まずは給与計算と給与明細だけを回し、人が増えてきたら年末調整や入退社手続き、さらに勤怠まで、と必要になったタイミングでプランを上げていける構造になっているためです。最初から全部そろえる必要がない分、立ち上げ期の会社でも始めやすい形です。
雇用形態が混在していて計算が単純でない会社も候補に入ります。時給と月給が混ざる、変動手当が多いといったケースは、複雑な計算に対応するプラン段階が用意されているかどうかが重要になります。
勤怠を給与計算と一体で扱いたい会社にも合います。打刻から有給の自動付与までが同じプランの範囲に含まれるため、勤怠ツールを別に契約して連携させる手間を省ける可能性があります。
給与計算を担当できる人が社内にいない、あるいは繁忙期に手が回らないという会社は、初期設定や給与計算、年末調整、入退社手続きなどの代行を含むプランが選択肢になります。人数規模が一定以上あり、社内の工数を外に出したい場合に検討する価値があります。
なお、freee人事労務のプラン情報には会計ソフト連携の記載がありますが、具体的にどのソフトとどこまで連携できるかは公式サイトで確認してください。
マネーフォワード クラウド給与が向いている会社
ひとり法人や役員だけの会社には、1名を対象とした専用プランが用意されている点が分かりやすいところです。従量課金が発生しない構成のため、人数が増えない前提なら費用が固定され、見通しが立てやすくなります。
これから人が増えていく見込みがある会社にも向きます。基本プランに含まれる人数を超えた分の1名あたり単価がプラン間で共通に設定されているため、「あと5人採用したらいくら増えるか」を計算しやすい構造です。freee側は上位プランほど追加単価が上がるため、人数の伸びが大きいほどこの差は効いてきます。
規模に応じてプランを選ぶ形になっているので、「機能の組み合わせを細かく検討するより、今の従業員数に合う枠を選びたい」という考え方の会社にもなじみます。51名以上の規模になる場合は個別の問い合わせとなるため、早めに相談しておくと計画が立てやすいでしょう。
会計や経費精算など他のバックオフィス業務との連携を重視する場合は、自社で使っている(あるいは使う予定の)サービス名を具体的に挙げて、公式サイトや問い合わせ窓口で連携範囲を確認してください。プラン情報だけでは判断できない部分です。
よくある質問
従業員が増えたときに費用が安く収まるのはどちらですか。
人数だけで一概には言えません。マネーフォワード クラウド給与は基本プランに含まれる人数を超えた分の1名あたり単価がプラン間で共通に設定されており、freee人事労務は選ぶプランの段階によって1名あたりの単価が変わります。使いたい機能の範囲と想定人数の両方を当てはめて、下の表の金額で試算してみてください。金額は改定されることがあるため、公式サイトで最新の料金を確認することをおすすめします。
年末調整までクラウドで完結させたいのですが、どちらでもできますか。
freee人事労務については、管理者による年末調整が下位のプランから、従業員自身が入力する年末調整が上位のプランの範囲として案内されています。マネーフォワード クラウド給与の年末調整の扱いについては、編集部が確認したプラン情報に記載がないため、公式サイトでご確認ください。なお、年末調整の実務は制度改正の影響を受けやすい領域とされていますので、処理の内容そのものについては税理士などの専門家に相談されることをおすすめします。
社会保険の電子申請はサービス上で行えますか。
freee人事労務では、社会保険の電子申請が上位プランの機能として案内されています。マネーフォワード クラウド給与についてはプラン情報に記載がないため、公式サイトで確認してください。また、一般に社会保険の手続きは提出期限や必要書類が定められているとされており、実際の申請内容や進め方については社会保険労務士などの専門家に確認しておくと安心です。
途中でプランを変えたり、別のサービスに乗り換えたりできますか。
多くのクラウドサービスでプラン変更は想定されていますが、変更のタイミングや年払い契約中の扱い、データの移行方法はサービスごとに異なります。特に給与データは過去分の保存や引き継ぎが実務上の論点になりやすいため、契約前に各社の公式サイトや問い合わせ窓口で条件を確認しておくことをおすすめします。