合同会社の作り方|必要な費用・日数と一人で設立する手順
合同会社は、一人でも設立できる会社形態です。手順そのものは決まっていて、「決めること」「書類をつくること」「お金を入れること」「法務局に出すこと」の4つに分けて考えると、全体像がつかみやすくなります。この記事では、合同会社の作り方を最初から順番に整理し、費用として何が必要になるか、設立までどのくらいの日数を見ておけばよいか、一人で設立するときにつまずきやすいポイントまでまとめます。
この記事の結論
- 合同会社の作り方は、①基本事項を決める→②定款を作成する→③出資金を払い込む→④法務局に登記申請する、の4ステップで進みます。
- 費用は主に「登録免許税」「印鑑作成費」「登記事項証明書などの取得費」で構成され、公証役場での定款認証が不要な点が株式会社と異なります(最新の金額は法務局・国税庁の案内でご確認ください)。
- 社員(出資者)が自分一人でも設立でき、書類の準備が整っていれば、申請から登記完了までは数日〜2週間程度を目安に見ておくと安心です。
合同会社の作り方は4ステップ|まず全体像をつかむ
合同会社を作るには、大きく4つの工程を通ります。①会社の基本事項(商号・本店・事業目的・出資額・代表社員など)を決める、②定款を作成する、③出資金を自分の口座に払い込む、④本店所在地を管轄する法務局へ登記を申請する、という流れです。この4つ以外に必須の工程はなく、登記が完了した時点で会社が存在することになります。
順番を入れ替えると手戻りが起きます。たとえば印鑑を先に発注したあとで商号を変えると作り直しになりますし、定款を作る前に出資金を振り込むと、払込みの日付が定款の作成日より前になってしまうことがあります。「決める→書く→入金→申請」の順を崩さないのがコツです。
なお、会社の成立日は登記申請をした日(受付日)として扱われるのが一般的です。設立日にこだわりがある場合は、その日に申請書を提出できるよう、逆算して書類を準備しておきましょう。
設立にかかる法定費用
どちらの形態でもかかる、国が定めた費用です。設立代行サービスの手数料は、これとは別にかかります。
| 項目 | 株式会社 | 合同会社 |
|---|---|---|
| 登録免許税(設立登記) | 資本金の額の1,000分の7。15万円に満たないときは1件につき15万円 | 資本金の額の1,000分の7。6万円に満たないときは1件につき6万円 |
| 定款の認証手数料 | 資本金100万円未満 3万円/100万円以上300万円未満 4万円/300万円以上 5万円 | 日本公証人連合会の手数料の案内に掲載なし |
| 定款の謄本(同一の情報の提供) | 1枚につき250円 | 日本公証人連合会の手数料の案内に掲載なし |
| 収入印紙(紙の定款の場合) | 4万円 | 日本公証人連合会の手数料の案内に掲載なし |
合同会社はいくらで作れる?費用の内訳を先に押さえる
合同会社の設立でかかる費用は、大きく分けて「法務局に納める登録免許税」「会社実印などの印鑑作成費」「登記事項証明書・印鑑証明書の取得費」の3つです。登録免許税は資本金の額に応じて計算し、下限が定められています。具体的な金額は改正されることがあるため、法務局や国税庁の公式案内で最新の数字をご確認ください。
株式会社と比べたときの大きな違いは、合同会社では公証役場での定款認証が不要な点です。この分の費用と手間がかからないため、設立コストは株式会社より抑えられる傾向があります。また、定款を紙ではなく電子データで作成する場合は収入印紙の扱いが変わるため、どちらで作るかも費用に影響します。
このほか、司法書士や設立代行サービスに依頼する場合は別途報酬が発生します。報酬額は依頼先によって幅があるので、複数の事務所の公式サイトで料金と対応範囲(定款作成のみか、登記申請まで含むか)を確認してから決めるとよいでしょう。資本金は費用ではなく会社の財産として残るお金ですが、手元から一度出ていくため、当面の運転資金と合わせて資金計画を立てておきます。
合同会社は何日で作れる?スケジュールの目安
期間は「準備にかかる日数」と「法務局での処理日数」に分けて考えます。準備は、商号や事業目的を決め、定款を作り、印鑑を発注して、出資金を払い込むまで。ここは自分のペースで進められますが、印鑑の作成に数日かかることが多く、ここが実質的なボトルネックになりがちです。
法務局に申請してから登記が完了するまでは、管轄や混み具合によって変わります。各法務局は「登記完了予定日」を窓口やサイトで案内しているので、申請前に確認しておくと予定が立てやすくなります。一般的には申請から数日〜2週間程度を見ておくと安心です。書類に不備があると補正の連絡が入り、その分だけ完了が後ろにずれます。
急ぐ場合は、①事業目的と商号を早めに確定させる、②印鑑を先に発注できる状態にする(商号確定後すぐ)、③出資金の払込みに使う口座を準備しておく、の3点を並行して進めます。逆に、許認可が必要な事業(建設業、古物商、人材紹介など)は、登記完了後でないと申請できないものが多く、開業までのトータル期間は長くなります。許認可の要件は所管官庁の資料で早めに確認しておきましょう。
一人で合同会社を設立する手順|決めること・書類・提出先
合同会社は社員(出資者)が一人でも設立できます。この場合、その一人が出資者であり、業務執行社員であり、代表社員になります。最初に決めるのは次の項目です。商号(会社名)、本店所在地、事業目的、資本金の額、事業年度(決算期)、代表社員の氏名・住所。商号は同一住所での同一商号が使えないため、法務局の登記情報サービスなどで似た名称がないか確認しておくと安心です。
次に定款を作成します。合同会社の定款には、商号・目的・本店所在地・社員の氏名住所・出資の目的と価額・社員全員が有限責任である旨などを記載します。公証役場での認証は不要なので、作成したら自分で保管します。定款ができたら、資本金を自分の個人口座に振り込み、通帳の表紙・支店名のページ・入金が記帳されたページのコピーを取ります。これが払込証明の資料になります。
最後に登記申請です。設立登記申請書、定款、代表社員の就任承諾書(必要な場合)、本店所在地を決定した書面、払込みを証する書面、印鑑届書などをそろえ、本店所在地を管轄する法務局へ提出します。窓口持参のほか、郵送やオンラインでの申請も可能です。必要書類の様式と記載例は法務局のサイトに掲載されているので、最新版をダウンロードして使うのが確実です。
登記が終わったら|会社設立後にやること
登記が完了したら、登記事項証明書(登記簿謄本)と会社の印鑑証明書を取得します。これらは銀行口座の開設や各種届出でくり返し使うので、複数通まとめて取っておくと後が楽です。次に法人名義の銀行口座を開設し、設立時に個人口座へ払い込んだ資本金を法人口座へ移します。
届出は、税務署(法人設立届出書、給与支払事務所等の開設届出書、青色申告の承認申請書など)、都道府県税事務所・市区町村、年金事務所(社会保険)が基本の提出先です。それぞれ提出期限が定められており、特に青色申告の申請や社会保険の加入手続きは遅れると不利になることがあります。期限と必要書類は各窓口の案内で確認してください。
会計・経理の仕組みも、ここで決めておくと後から整理する手間が減ります。会計ソフトを入れるか、法人カードや請求書の管理をどうするか、帳簿や領収書の保存方法をどうするか。電子帳簿保存法やインボイス制度は取引の記録方法に関わるため、自社に何が当てはまるかを国税庁の資料で確認し、迷う部分は税理士に相談するのが安全です。
株式会社と迷ったら、この順に見る
まず「設立と維持の手間・コスト」を見ます。合同会社は定款認証が不要で、役員の任期による重任登記や決算公告の義務がないため、手続き面の負担は比較的軽くなります。一人で始めて当面は自分だけで回す、という形なら合同会社が合いやすい選択肢です。
次に「外部からの見え方と資金調達」を見ます。取引先が会社形態を気にする業界か、将来的に出資を受けて拡大する計画があるか。株式の発行による調達を考えているなら株式会社が向きます。合同会社から株式会社へ組織変更することもできますが、別途手続きと費用がかかります。
最後に「意思決定と利益配分のしかた」です。合同会社は定款の定めで柔軟に設計できる反面、社員が複数いる場合は運営ルールを定款でしっかり決めておかないと、後々もめる原因になります。一人で設立する場合はこの点の心配は小さいものの、将来メンバーを増やす可能性があるなら、その前提で定款を作っておくと安心です。判断に迷うときは、設立登記は司法書士、税務や決算期の決め方は税理士、社会保険や従業員を雇うときの手続きは社会保険労務士に、早い段階で相談しておくと手戻りを減らせます。
よくある質問
合同会社は一人でも作れますか?
社員(出資者)が一人でも設立できます。その場合、自分が出資者・業務執行社員・代表社員を兼ねる形になり、定款や登記申請書にもその内容を記載します。手続きの流れ自体は複数人のときと同じです。
合同会社の設立費用はいくらですか?
主に登録免許税、印鑑の作成費、登記事項証明書などの取得費がかかります。合同会社は公証役場での定款認証が不要なぶん、株式会社より設立時の負担が軽くなる傾向があります。金額は改正される可能性があるため、法務局や国税庁の公式案内で最新の情報をご確認ください。
設立までどのくらいの日数がかかりますか?
書類の準備が整っていれば、法務局への申請から登記完了まで数日〜2週間程度が一つの目安です。各法務局が登記完了予定日を案内しているので、事前に確認しておくと予定が立てやすくなります。印鑑の作成待ちで前倒しできないケースが多いため、商号が決まったら早めに発注しましょう。
資本金はいくらにすればよいですか?
法律上の下限は低く設定されていますが、当面の運転資金や取引先からの見え方も踏まえて決めるのが実務的です。金額によって登録免許税や税務上の取り扱いが変わることがあるため、決める前に税理士に相談しておくと安心です。