会社設立freeeとマネーフォワード会社設立の違い|設立支援ソフトの比較

・会社設立・登記・会社のはじめかた編集部(監修:田中 祐介)

会社をつくろうと調べはじめると、ほぼ必ず名前が出てくるのが「会社設立freee」と「マネーフォワード クラウド会社設立」です。どちらも設立書類の作成そのものは費用をかけずに進められる、という点でよく似ています。では何が違い、どちらを選べばいいのか。この記事では、機能の一覧ではなく「どういう順番で見て決めるか」という判断の基準から整理します。

この記事の結論

  • 会社設立freeeとマネーフォワード会社設立は、どちらも質問に答える形で定款や登記書類を作成でき、書類作成自体は無料で利用できるサービスです。
  • どちらを選ぶかは、設立後に使う会計ソフトを先に決め、それと同じシリーズを選ぶ、という順番で考えると迷いにくくなります。
  • 印紙代がかかる紙の定款を避けたい場合は、各サービスが案内する電子定款の手続き(提携する専門家の利用を含む)に沿って進める方法があります。

会社設立freeeとマネーフォワード会社設立は、何が同じで何が違うのか

まず共通点から。どちらも、会社名・本店所在地・資本金・事業目的・役員といった項目を画面の案内に沿って入力していくと、定款や登記申請書などの設立書類が自動で組み上がるクラウドサービスです。法律用語を自分で調べながらWordで定款を書く必要がなく、書類の作成そのものについては費用をかけずに進められる点も共通しています。

違いが出やすいのは、入力画面の作りと案内の細かさ、印鑑や法人口座・クレジットカードなど周辺サービスの案内の仕方、そして「設立後に何へつながるか」の部分です。どちらも自社の会計サービスを持っているため、設立情報がそのまま会計側の初期設定に引き継がれる導線が用意されています。

つまり、両者は「設立書類をつくる道具」としては近い立ち位置にあり、差が出るのは使い勝手の好みと、設立後のバックオフィスをどのシリーズで揃えるか、という点だと考えると整理しやすくなります。

迷ったら、この順に見る|選ぶときの判断基準

最初に見るのは「設立後に使う会計ソフト」です。会社をつくると、決算・申告・給与計算・請求書発行といった実務が毎月続きます。設立支援ツールは数週間で役目を終えますが、会計ソフトは何年も使います。先に会計ソフトを決め、同じシリーズの設立ツールを使うのが、もっとも迷いの少ない順番です。

次に見るのが「顧問税理士が決まっているか」。すでに相談している税理士がいるなら、その事務所が普段どちらの会計ソフトを扱っているかを聞いてください。事務所側が使い慣れたソフトに合わせたほうが、月次のやりとりがスムーズになることが多いです。

三番目が「自分で入力を進めたいか、専門家に任せたいか」。どちらのサービスも、自分で進める方法と、提携する司法書士などに依頼する方法の両方の案内があります。定款の事業目的や役員構成に不安がある場合は、無理に自力で完結させず、途中から専門家に相談する前提で進めるほうが安全です。

「無料」と書かれている範囲はどこまでか

会社設立freeeもマネーフォワード会社設立も、「無料」という言葉が目立ちますが、これは主に書類作成機能の利用についてのものです。会社設立そのものにかかる費用、たとえば法務局に納める登録免許税や、定款認証にかかる費用(株式会社の場合)は、どのサービスを使っても別途かかります。

また、紙の定款には収入印紙が必要になりますが、電子定款であればその印紙が不要になる扱いがあります。電子定款には専用の環境が必要なため、各サービスは提携する専門家に依頼する形での電子定款作成を案内していることが一般的です。その場合、専門家への報酬が発生することがあります。

料金体系は変更されることがあるため、金額の話は必ず各社の公式サイトで最新の情報を確認してください。この記事では具体的な金額には触れません。「無料と書いてあるのは何の無料か」を公式ページで確認する、という一手間を省かないことが大切です。

設立手続きの流れと、ツールが担ってくれる範囲

流れはおおむね決まっています。①会社の基本事項(商号・本店・資本金・事業目的・役員・事業年度)を決める、②印鑑を用意する、③定款を作成する(株式会社は公証役場で認証を受ける)、④資本金を払い込む、⑤登記申請書類を法務局に提出する、⑥登記完了後に税務署・都道府県・市区町村、年金事務所などへ届け出る、という順です。

クラウドの設立支援サービスが強いのは、主に①③⑤の書類づくりの部分です。入力した内容から定款案や登記申請書、払込証明書などの書式を出力し、「どの書類をどこに出すか」のチェックリストも表示されます。逆に、公証役場での認証予約や法務局への申請、銀行での払込といった実際の動きは、自分か依頼先が行います。

準備しておくとつまずきにくいのは、発起人・役員全員の印鑑証明書、個人の実印、資本金を振り込む個人名義の口座、そして会社の実印です。印鑑証明書は取得から一定期間内のものを求められることがあるため、書類作成と並行して取りに行く段取りにしておくと待ち時間が減ります。

タイプ別|こういう会社ならこちらが向きやすい

すでに会計ソフトを使ったことがなく、設立後は自分ひとりで記帳から申告まで進めたい場合は、設立ツールと同じシリーズの会計ソフトを無料期間のあるうちに触ってみて、画面の分かりやすさで決めるのが実務的です。用語の出し方や仕訳入力の考え方には各社の個性があり、これは説明を読むより触ったほうが早く分かります。

給与計算や勤怠、社会保険の手続きまで含めて同じシリーズで揃えたい、将来的に人を雇う予定がある、という場合は、設立ツール単体ではなく人事労務系サービスのラインナップまで見比べてください。バックオフィスは一社に寄せたほうが連携で楽になる場面が多い一方、必要のない機能まで契約してしまう可能性もあります。

合同会社を選ぶ場合は、定款認証が不要な分、手続きが株式会社より短くなります。どちらのサービスも合同会社の書類作成に対応していますが、対応範囲や注意書きは変わることがあるため、公式サイトで最新の対応状況を確認してください。両方とも入力の途中までは費用をかけずに試せることが多いので、実際に途中まで入力して画面を見比べるのは、比較しやすい方法のひとつです。

ツールで済む場面と、専門家に相談したほうがいい場面

ツールだけで進めやすいのは、発起人が一人、役員も本人だけ、資本金は現金のみ、事業目的もシンプル、というケースです。入力項目が少なく、選択肢に迷う場面もそれほど多くありません。

一方、共同創業で出資比率を決める、現物出資を入れる、許認可が必要な事業を行う、外国籍の方が役員に入る、といった事情があるときは、定款の書き方ひとつで後の手続きに影響が出ることがあります。事業目的の書き方が許認可の申請時に問題になる場合もあるため、登記に関することは司法書士に、税務の扱いは税理士に確認しておくと安心です。

また、設立直後には、給与の決め方、役員報酬の届け出の期限、消費税の課税事業者を選ぶかどうか、社会保険の加入手続きなど、期限のある判断がいくつも重なります。これらは会社の状況によって扱いが変わることがありますので、設立の前後で一度、税理士や社会保険労務士に相談し、自社のケースでの進め方を確認しておくことをおすすめします。登記書類そのものについては司法書士が専門です。

よくある質問

会社設立freeeとマネーフォワード会社設立、どちらが無料で使えますか

どちらも設立書類の作成機能については費用をかけずに利用できる形で案内されています。ただし登録免許税や定款認証の費用は別途かかり、電子定款を専門家に依頼する場合は報酬が発生することがあります。無料の範囲は変わることがあるため、各社の公式サイトで最新の内容を確認してください。

設立ツールを使えば、法務局に行かずに手続きが完了しますか

書類の作成まではオンラインで進められますが、公証役場での定款認証や法務局への申請は別の手続きになります。オンライン申請や郵送に対応できる場面もありますので、サービス内の案内と法務局の公式情報の両方を確認してください。

設立ツールと同じシリーズの会計ソフトを使わないといけませんか

必須ではありません。設立書類だけそのツールで作り、会計は別の製品を使うこともできます。ただし設立情報の引き継ぎや初期設定の手間を考えると、同じシリーズに揃えたほうが移行がスムーズになる場面が多いです。

合同会社でもクラウドの設立サービスは使えますか

いずれのサービスも合同会社の書類作成に対応した案内があります。合同会社は定款認証が不要なため手続きが比較的短くなりますが、対応範囲は変更されることがあるので、公式サイトで最新の対応状況をご確認ください。

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この記事は一般的な情報をまとめたものです。税務・法務・労務の個別の判断については、税理士・弁護士・社会保険労務士などの専門家にご相談ください。 料金や条件は変わることがあるため、お申し込み前に必ず各サービスの公式サイトで最新の内容をご確認ください。