freee会計と人事労務freeeの連携|給与仕訳と年末調整の流れ

・会計・税務・会社のはじめかた編集部(監修:田中 祐介)

給与計算はできたけれど、その金額をどうやって会計側に反映させればいいのか。freee会計と人事労務freeeを両方契約したものの、連携のスイッチをどこで入れるのか分からない。そんな状態で止まっている方は少なくありません。この記事では、連携する前に決めておくこと、毎月の給与仕訳の流れ、源泉徴収と納付、そして年末調整までを、実際に手を動かす順番で整理します。ひとり社長で役員報酬だけの場合にどこまで簡略化できるかにも触れます。

この記事の結論

  • freee会計と人事労務freeeを連携すると、人事労務側で確定した給与計算の結果を会計側の給与仕訳として取り込めるため、手入力の転記が不要になります。
  • 連携の前に、勘定科目(給料手当・法定福利費・預り金など)と手当・控除項目の対応づけを決めておくと、毎月の仕訳が安定します。
  • 年末調整は人事労務freee側で従業員から情報を集めて計算し、その結果が12月または1月の給与・賞与に反映され、会計側には給与仕訳として取り込む流れになります。

freee会計と人事労務freeeを連携すると何ができるのか

freee会計は日々の取引を記録して決算書をつくる会計ソフト、人事労務freeeは勤怠・給与計算・年末調整・労務手続きを扱うソフトです。この2つは同じアカウント体系でつながっており、人事労務freee側で給与計算を確定させると、その結果を会計側の仕訳として連携できるようになっています。

連携でいちばん効くのは、毎月の給与仕訳の転記作業がなくなることです。給与総額、社会保険料の本人負担分、源泉所得税、住民税、差引支給額といった数字を、給与明細を見ながら会計ソフトに手入力する作業は、金額の桁違いや科目間違いが起きやすいところでした。連携すれば、確定した給与計算の内容がそのまま仕訳のもとになります。

もうひとつは、従業員情報の一元化です。入社・退社、給与改定、扶養の変更といった情報を人事労務側で管理し、会計側は結果の数字だけを受け取る形にすると、どちらが正か分からなくなる状態を避けられます。提供される機能や画面はアップデートで変わることがあるため、最新の操作手順と対応範囲はfreeeの公式ヘルプで確認してください。

連携の前に決めておく3つのこと

いきなり連携ボタンを押す前に、決めておくと後戻りが減るものが3つあります。1つめは勘定科目です。給与そのものを「給料手当」、役員分を「役員報酬」、会社負担の社会保険料を「法定福利費」、源泉所得税や住民税、社会保険料の本人負担分を「預り金」で受けるのが一般的な形です。預り金は補助科目を分けて(源泉所得税/住民税/社会保険料)管理すると、納付時の残高チェックが一気に楽になります。

2つめは、支給項目・控除項目と勘定科目の対応づけです。通勤手当を非課税分と課税分で分けているか、旅費交通費として扱うか給料手当に含めるかは会社ごとに方針が違います。ここを最初に決めて人事労務側の項目設定に反映しておくと、毎月同じ仕訳が自動で組み上がります。

3つめは、締め日と支給日、そして仕訳の計上日です。末締め翌月払いのように締め日と支給日がずれる場合、発生した月に費用計上して支給日に払う形にするのか、支給日に一括で計上するのかで仕訳の作り方が変わります。どちらを採るかは会社の規模や決算のやり方で変わるため、迷ったら顧問税理士に確認してから設定してください。

freee会計の料金プラン

freee会計の料金は次のとおりです。改定されることがあるため、申し込み前に公式サイトで最新の内容をご確認ください。

プラン料金使える人数備考
スターター年払い 5,480円/月+従量課金3人(メンバー追加は年額払い月額300円/人)初年度法人向け。経費精算・出入金管理・電話サポート。税区分はページに明記なし
スタンダード年払い 8,980円/月+従量課金3人(追加300円/人)経営分析・月締め・給与連携。税区分はページに明記なし
アドバンス年払い 39,780円/月+従量課金5人(追加1,000円/人)カスタム権限・ワークフロー・CRM連携。税区分はページに明記なし
エンタープライズ記載なし(問い合わせ)記載なし固定資産管理・管理会計・セキュリティ強化
出典:freee会計 公式料金ページ(https://www.freee.co.jp/houjin/price/)・2026-09-21確認

毎月の給与仕訳の流れ|連携して会計に取り込むまで

毎月の流れは、①勤怠の締め、②人事労務freeeで給与計算、③内容確認と給与明細の確定、④会計への仕訳連携、⑤支給と納付、という順番になります。勤怠を締めずに給与計算に進むと後から数字が動くので、まず勤怠を確定させることが起点です。

給与計算が終わったら、支給額・控除額・差引支給額を一覧で確認します。前月と比べて大きく動いている人がいないか、社会保険料の等級が変わっていないか、入退社があった月は日割りが正しいか、この3点を見るだけでも取りこぼしが減ります。確認が済んだら明細を確定し、会計側への連携操作に進みます。

会計側に仕訳が取り込まれたら、そのまま放置せず必ず内容を開いて確認します。特に初回は、意図しない科目に振られていないか、消費税の区分が想定どおりかを見ておきます。ここで直した内容が次月以降の初期値になることが多いので、初月に丁寧に整えるほど後が楽になります。振込は連携とは別の作業なので、支給日までに銀行側の手続きを済ませてください。

源泉徴収と社会保険料の納付|預り金残高の見方

給与から天引きした源泉所得税は、原則として翌月10日までに納付します。給与の支給人員が常時少ない会社では、半期ごとにまとめて納付する特例の申請ができる制度もあります。どちらに該当するかは税務署への届出状況によるため、自社がどの扱いになっているか分からない場合は、届出書の控えを確認するか税理士に確認してください。

会計側では、納付したときに「預り金(源泉所得税)」を取り崩す仕訳を入れます。ここで、預り金の残高がきれいにゼロ(または未納分だけ)になっているかを毎月見るのが、ミスに気づく一番簡単な方法です。残高がおかしいときは、天引き額と納付額のどちらかがずれているサインです。

社会保険料も同じ考え方です。本人負担分は預り金、会社負担分は法定福利費として処理し、年金事務所からの納入告知額と突き合わせます。住民税は特別徴収なら各市区町村へ翌月10日までの納付が基本です。納付期限や特例の要件は所管官庁の案内で最新のものを確認してください。

年末調整の流れ|人事労務freeeで集めて会計に反映するまで

年末調整は、おおむね10月〜11月に従業員へアンケート形式で情報を依頼し、11月中に回収・確認、12月または翌1月の給与で精算する、という流れになります。人事労務freeeでは従業員本人がスマホやPCから扶養情報や保険料控除の内容を入力できるため、紙の申告書を集めて転記する作業を減らせます。

会社側の作業は、①対象者の確定(年末時点で在籍している人、年の途中で退職した人の扱いなど)、②従業員への依頼と回収、③生命保険料控除証明書や住宅ローン控除関係の証明書など、添付が必要な書類の確認、④計算結果のチェック、⑤過不足税額の精算、の順です。過不足の精算は通常、12月または1月の給与・賞与に上乗せまたは差し引きの形で反映されます。

精算の結果は給与計算に含まれるため、会計側には通常どおり給与仕訳として連携されます。還付が多い月は預り金(源泉所得税)がマイナス方向に動くので、残高の動きに驚かないよう、年末調整月であることを摘要に残しておくと後から見返しやすくなります。年末調整のあとは、源泉徴収票の交付、給与支払報告書の各市区町村への提出、法定調書合計表の税務署への提出が1月の期限で続きます。提出先と期限は毎年案内が出るので、国税庁および各市区町村の最新情報を確認してください。

賃金台帳・給与明細の保存と、ひとり社長の場合の運用

賃金台帳は労働基準法上、事業場ごとに調製して保存が求められる帳簿です。人事労務freeeで給与計算をしていれば、氏名・賃金計算期間・労働日数・労働時間・支給額・控除額といった項目が記録として残り、賃金台帳としてダウンロードできる形で出力されます。年度ごとにPDFで書き出して保管しておくと、調査や助成金申請のときに探し回らずに済みます。

電子で受け取った控除証明書や、電子交付した給与明細などのデータの保存については、電子帳簿保存法の考え方が関わる場面があります。要件は改正が続いている領域なので、自社の保存方法が想定どおりかは国税庁の資料を確認し、判断に迷う部分は税理士に相談してください。

ひとり社長で役員報酬だけの場合は、そもそも人事労務freeeが必要かという問いが出てきます。判断の順番としては、①毎月の役員報酬が定額で変動しない、②従業員を雇う予定が当面ない、③年末調整も自分ひとり分、という3つがすべて当てはまるなら、会計側で毎月同じ仕訳を登録する運用でも回ることが多いです。逆に、従業員を1人でも雇う、勤怠の管理が必要、社会保険の手続きが発生する、のいずれかに当てはまるなら、労務側を整えておくほうが後の負担が軽くなります。

最終的に、どのプランや機能が自社に必要かは、従業員数・雇用形態・給与体系によって変わります。料金や機能の範囲は改定されることがあるため、契約前にfreeeの公式サイトで最新の内容を確認してください。設定した仕訳のパターンや年末調整の処理が自社の状況に合っているかは、顧問税理士に、労務手続きや賃金台帳の整備については社会保険労務士に確認しておくと安心です。初期設定だけスポットで見てもらう形でも、後からの修正コストをかなり抑えられます。

よくある質問

freee会計だけで給与計算はできますか?

freee会計にも給与を仕訳として記録する機能はありますが、勤怠の集計や社会保険料・所得税の自動計算、年末調整といった給与計算そのものの機能は人事労務freee側が担当します。従業員がいる、または年末調整が必要な場合は、労務側を併用する前提で検討するとよいでしょう。詳しい機能範囲は公式サイトで確認してください。

連携した給与仕訳の勘定科目を変えたいときはどうしますか?

人事労務freee側の支給項目・控除項目と会計側の勘定科目の対応設定を見直すのが基本です。すでに取り込んだ仕訳は会計側で個別に修正できますが、対応設定を直さないと翌月も同じ科目で入ってきます。修正した内容が決算に影響する場合は、税理士に確認してから進めると安全です。

年末調整はいつから準備を始めればいいですか?

従業員への案内は10月から11月上旬に始め、11月中に回収・内容確認を終えると、12月の給与計算に余裕を持って反映できます。保険料控除証明書の再発行が必要な人が出ることもあるため、締切は余裕をもって設定しておくのがおすすめです。

賃金台帳はどのくらい保存しておく必要がありますか?

賃金台帳は労働基準法で保存が求められる帳簿で、保存期間についても法令で定めがあります。改正が入っている領域なので、現在の取り扱いは厚生労働省の案内を確認するか、社会保険労務士にご確認ください。実務上は年度ごとにデータで書き出し、まとめて保管しておく運用が扱いやすいです。

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この記事は一般的な情報をまとめたものです。税務・法務・労務の個別の判断については、税理士・弁護士・社会保険労務士などの専門家にご相談ください。 料金や条件は変わることがあるため、お申し込み前に必ず各サービスの公式サイトで最新の内容をご確認ください。