ECサイトの決済代行を比較|Stripe・Square・PAY.JPなどの選び分け

・法人カード・決済・会社のはじめかた編集部(監修:田中 祐介)

ネットショップやオンラインサービスを始めるとき、どの決済代行サービスを使うかは、あとから変えるのが地味に面倒な決めごとです。カート一体型で始めるのか、APIを組み込む型を選ぶのか。この記事では、料金の細かい比較ではなく「自社の販売形態から選択肢を絞る順番」と「契約前に必ず見ておく項目」を整理します。なお料金体系は各社が随時見直すため、数字は必ず公式サイトでご確認ください。

この記事の結論

  • ECサイトの決済代行は、まず「自社がカートを持つか」「継続課金があるか」の2点で候補を絞ると、比較対象が数社まで減ります。
  • BASEやMakeShopのようにカートに決済が付帯するサービスは初期の手間が少なく、Stripe・PAY.JPのようなAPI型は独自サイトや継続課金・複雑な料金設計に向きます。
  • 比較するときは料率だけでなく、審査に通る商材か、入金サイクル、対応決済手段、解約時のデータ移行の4点を並べて見るのが実務的です。

ECサイトの決済代行は、何と何を比べればいいのか

決済代行サービスは「自社サイトに決済機能を組み込むための窓口」です。カード会社や各種決済事業者と個別に契約する代わりに、一社と契約すればカード・コンビニ払い・各種ウォレットなどをまとめて扱えるようにする仕組み、と考えると分かりやすいと思います。

比較する人の多くは最初に料率を見ますが、料率は各社とも近い水準に収れんしやすく、しかも改定されます。それよりも差が出るのは、扱う商材が審査を通るか、売上金がいつ入金されるか、自社の販売形態(都度課金か継続課金か)に合うか、といった条件です。

この記事では具体的な数字は書きません。料率・初期費用・月額費用は、必ず各社の公式サイトで最新の条件を確認してください。ここで整理するのは、その公式サイトを見に行く前に決めておくべき「絞り込みの順番」です。

まずこの順に見る:3つの質問で候補を絞る

最初の質問は「自社でECサイトを用意するか、既存のカートサービスに乗るか」です。BASEやSTORES、MakeShop、Shopifyのようなカートサービスを使うなら、そのサービスに付帯する決済をまず前提に考えます。カート側が用意した決済は設定だけで使えることが多く、開発なしで始められるのが最大の利点です。

2つ目の質問は「継続課金(サブスクリプション)があるか」です。月額サービス、オンライン講座、会員制サイトなど、毎月自動で引き落とす設計が必要なら、継続課金の機能を標準で備えたAPI型、つまりStripeやPAY.JPのようなサービスが候補になります。カート付帯型でも定期購入機能を持つものはありますが、料金プランの分岐や日割り、無料トライアルなど複雑な設計をしたい場合はAPI型のほうが素直です。

3つ目は「対面販売もあるか」です。実店舗やイベント出店があり、オンラインと売上を一元管理したいなら、対面決済端末とオンライン決済の両方を提供するSquareのようなサービスが検討対象に入ります。ここまでで、たいていは候補が2〜3社に絞れます。

Stripe・Square・PAY.JPの手数料比較

各社の公式ページで確認した内容です。料率は改定されることがあるため、申し込み前に公式サイトで最新の内容をご確認ください。

サービス決済手数料初期費用月額固定費入金サイクル
Stripeカード決済1回あたり3.6%0円0円指定日数ごと・毎週・毎月から設定可能
Square対面2.5%〜/オンライン(eコマースAPI)3.6%/請求書3.25%(手入力・定期請求書は3.75%)0円0円三井住友銀行・みずほ銀行は翌営業日、その他の金融機関は毎週金曜日
PAY.JPスタンダード3.3%/ビジネス2.78%/エンタープライズ2.59%(Visa・Mastercard以外は2.7%)0円スタンダード0円/ビジネス20,000円/エンタープライズ50,000円公式の料金ページに一覧あり(本記事では未掲載)
出典:Stripe:https://stripe.com/jp/pricing/Square:https://squareup.com/jp/ja/payments/our-fees/PAY.JP:https://pay.jp/plan・2026-09-21確認

カート付帯型(BASE・MakeShopなど)が向くケース

BASEのようなサービスは、ショップ開設と決済がセットになっているのが特徴です。事業を始めたばかりで、まず売ってみたい、開発に時間もお金もかけたくない、という段階では有力な選択肢になります。決済手段の追加や設定も管理画面から行える設計になっていることが多く、技術的な準備がほとんど要りません。

MakeShopのような本格的なECカートは、商品数が多い、会員機能や販促機能を細かく使いたい、といった中規模以上の運営に向きます。決済も複数手段をまとめて導入できる構成になっているのが一般的です。自社で決済を組み込むより、カート側の仕様に合わせたほうが運用は安定します。

一方で、カート付帯型には「決済の選択肢がカート側の対応範囲に縛られる」という制約があります。独自の課金ロジックを組みたい、アプリやWebサービスに決済を埋め込みたい、という用途には向きません。将来そうした展開を考えているなら、次のAPI型も並行して検討しておくと安心です。

API型(Stripe・PAY.JPなど)が向くケース

StripeやPAY.JPは、自社のサイトやアプリに決済機能を組み込むためのAPIを提供するタイプです。決済フォームの見た目、課金のタイミング、プランの構成などを自分たちで設計できるのが利点で、オンラインサービスやSaaS、独自開発のECサイトと相性がよい形です。

選び分けの目安としては、海外の顧客や複数通貨を扱う可能性がある、あるいは提供中のサービスが多言語・多国展開を想定しているならStripeのようなグローバル対応の広いサービスが検討しやすいでしょう。日本国内向けのシンプルなカード決済を、日本語のドキュメントと日本の商習慣に沿って導入したいならPAY.JPのような国内事業者も候補になります。

ただしAPI型は、実装できる人が社内か外部にいることが前提です。ひとり社長で開発の当てがない場合、「APIなら何でもできる」という理由だけで選ぶと、結局サイトが立ち上がらないことがあります。誰が作るのかを決めてから選んでください。

対面とオンラインを両方やるなら

店舗販売とネット販売を並行する場合、決済の窓口を分けると売上集計が二重になり、経理の手間が増えます。Squareのように対面用の端末とオンライン決済を同じアカウントで扱えるサービスは、この点で運用がまとまりやすい形です。

もっとも、対面側にすでに使っている端末やレジがあるなら、無理に統一する必要はありません。会計ソフト側で両方のデータを取り込めるなら、実務上の負担はそれほど変わらないこともあります。「統一すること」自体を目的にしないのがコツです。

判断の順番としては、①いま対面決済で困っているか →②困っていないなら、オンライン側だけを自社の販売形態で選ぶ →③困っているなら、対面とオンラインを一本化できるサービスを軸に比較する、という流れが実務的です。

契約前に必ず見ておく4項目

1つ目は審査と取扱商材です。決済代行は申込後に審査があり、商材やビジネスモデルによっては取り扱えない場合があります。とくに、役務提供が先で納品が後になるもの、継続契約を伴うもの、健康・美容関連などは、事前に各社の禁止・制限商材の一覧を確認しておくと手戻りが減ります。開業直後で実績がない場合、事業内容の説明資料を求められることもあります。

2つ目は入金サイクルです。売上がいつ、どの頻度で入金されるかは資金繰りに直結します。仕入れが先行する物販では、入金までの期間が長いと運転資金が必要になります。サイクルは各社・各プランで異なるため、公式サイトで確認してください。

3つ目は対応する決済手段です。カードだけでよいのか、コンビニ払い、銀行振込、後払い、各種QR・ウォレットまで必要なのか。顧客層によって使われる手段は変わるので、売りたい相手を思い浮かべて決めます。4つ目は解約・乗り換え時の扱いです。とくに継続課金を行う場合、カード情報を別の決済代行に移せるかは事業継続に関わります。移行の可否と手順は、契約前に問い合わせて確認しておくことをおすすめします。

導入までの実務の流れと、経理側の準備

流れとしては、①事業内容と販売形態を整理する →②候補を2〜3社に絞り、公式サイトで料金・審査条件・入金サイクルを確認する →③申込フォームから登録し、審査に必要な情報を提出する →④テスト環境で決済の流れを確認する →⑤本番公開、という順です。申込時には、法人の登記事項証明書や代表者の本人確認書類、事業内容が分かるサイトのURLなどを求められるのが一般的です。サイトを公開前に審査を受ける場合は、テスト公開の方法を各社に確認してください。

サイトには、特定商取引法に基づく表記、返品・キャンセルに関する記載、問い合わせ先など、販売事業者として必要な表示を整えておきます。決済代行の審査でもこれらの記載は確認されることが多く、先に用意しておくとスムーズです。

経理面では、決済代行を経由した売上は「売上の計上日」と「入金日」がずれます。手数料が差し引かれて入金される場合、総額での売上計上と手数料の費用計上をどう処理するか、会計ソフトの設定を最初に決めておくと月次が楽になります。また、電子取引の記録の保存については電子帳簿保存法の考え方が関わるため、国税庁の資料で要件を確認し、判断に迷う部分は税理士に相談してください。

迷ったときの最終的な決め方

ここまでの条件を並べても決まらない場合は、「いちばん先に止まりそうなところ」から逆算します。開発リソースがないならカート付帯型、資金繰りが薄いなら入金サイクルの短さ、商材の審査が不安ならその点を事前に相談できる窓口があるかどうか。ボトルネックになりそうな要素を優先して選ぶと、後悔が少なくなります。

また、決済代行は後から追加することもできます。最初はカート付帯型で小さく始め、売上が立ってから自社サイトとAPI型に移す、という進め方も現実的です。最初から完璧な構成を目指すより、乗り換えのコストを把握したうえで始めるほうが、動き出しは早くなります。

なお、手数料の会計処理、消費税やインボイス制度上の扱い、海外顧客への販売に関する税務は、事業の形態によって判断が分かれることがあります。売上の計上時期や仕入税額控除の扱いで迷う場合は税理士に、利用規約や返品・キャンセル条項、特定商取引法の表示内容で迷う場合は弁護士に、早めにご相談ください。

よくある質問

ECサイトの決済代行は、料率が安いところを選べばいいですか

料率は重要な要素のひとつですが、それだけで決めると後から困ることがあります。取扱商材が審査を通るか、入金サイクルが資金繰りに合うか、必要な決済手段が揃っているかを並べて比較してください。料率や費用は改定されるため、各社の公式サイトで最新の条件をご確認ください。

BASEなどのカートサービスと、StripeやPAY.JPは併用できますか

カートサービス側の仕様によります。付帯の決済を使う前提で設計されている場合、外部の決済代行を組み込めないことがあります。独自サイトとカートを併用して、それぞれ別の決済を使うという運用は可能なことが多いので、対応可否は各サービスの公式情報で確認してください。

開業したばかりで実績がなくても審査は通りますか

事業内容やサイトの整備状況によって判断が分かれるため、一概には言えません。特定商取引法に基づく表記や返品規定、問い合わせ先などを整え、何をいくらで売るのかが分かるサイトにしておくと、審査の確認事項が減りやすい傾向があります。不明点は申込前に各社へ問い合わせるのが確実です。

決済代行を途中で乗り換えることはできますか

可能ですが、継続課金を行っている場合はカード情報の移行が論点になります。移行できるかどうか、手順や条件は各社で異なるため、契約前に確認しておくと安心です。都度課金だけであれば、比較的切り替えやすいことが多いです。

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この記事は一般的な情報をまとめたものです。税務・法務・労務の個別の判断については、税理士・弁護士・社会保険労務士などの専門家にご相談ください。 料金や条件は変わることがあるため、お申し込み前に必ず各サービスの公式サイトで最新の内容をご確認ください。