ECカートごとの決済導入|Shopify・STORES・WordPressでの選び方

・法人カード・決済・会社のはじめかた編集部(監修:田中 祐介)

「決済代行を比べたいけれど、そもそも自分の使っているカートで使えるのか分からない」。ECの決済選びでいちばん多いつまずきが、ここです。決済代行会社を先に選んでしまうと、カート側が対応しておらず作り直し、ということが起こります。この記事では、Shopify・STORES・WordPress(WooCommerce)・Wix・MakeShop・futureshopといったカート別に、決済の選び方の順番と判断基準を整理します。

この記事の結論

  • EC決済は「決済代行会社を先に選ぶ」のではなく、「使っているカートが公式に対応している決済の一覧を見る」ところから始めるのが安全です。
  • Shopify・STORES・Wixのようなオールインワン型は標準決済が前提、WordPress(WooCommerce)やMakeShop・futureshopのようなカスタマイズ型は外部の決済代行を選べる余地が大きい、という違いがあります。
  • カート標準決済と外部決済で迷ったら、①公式対応の有無 ②必要な決済手段(コンビニ・後払い・ID決済など)③入金サイクル ④定期購入の要否、の順に確認すると絞り込めます。

なぜ「決済代行」より先に「カート」を見るのか

ECの決済は、決済代行会社とカートシステムが技術的につながって初めて動きます。どれだけ条件が良さそうな決済代行でも、使っているカートに接続機能(アプリ・プラグイン・標準連携)がなければ、そのままでは導入できません。まずカート側の「対応決済一覧」「連携アプリ」のページを開く。これが遠回りに見えて、いちばん早い順番です。

もうひとつの理由は、審査と設定の主体が変わることです。カート標準の決済は、カート会社の管理画面から申し込みが完結する設計になっていることが多く、開店までの工程が少なくて済みます。一方で外部の決済代行を使う場合は、決済代行会社への申し込み・審査と、カート側の設定作業が別々に走ります。

ひとり社長や少人数の会社では、この「工程の数」が実務の負担に直結します。売上規模がまだ小さいうちは、まずカート標準で開店し、取扱高が増えてから外部決済の比較に進む、という進め方も現実的です。

Shopify・STORES・BASE・Wix:オールインワン型カートの決済の考え方

Shopify、STORES、BASE、Wixのようなオールインワン型は、カート会社が用意する標準決済を中心に設計されています。開店までの流れは、ストア開設 → 事業者情報と本人確認書類の登録 → 決済の申し込み → 審査 → 有効化、という順になるのが一般的です。準備するものは、法人なら登記事項証明書や代表者の本人確認書類、銀行口座情報、そして販売する商品の内容が分かるページ。審査では商材の内容や特定商取引法に基づく表記が見られます。

この型で外部の決済代行を使いたい場合は、カート側が「外部決済(サードパーティ決済)」を許可しているかを先に確認します。許可されていても、標準決済を使わない場合に追加の条件が設定されていることがあるため、条件面は必ずカートの公式ヘルプで最新の内容を確認してください。料金体系も改定されることがあるので、各社の公式サイトで確認するのが確実です。

STORESやBASEのように、決済がサービスの中に組み込まれている度合いが高いカートでは、そもそも「決済代行を別に選ぶ」という発想があまり必要ありません。決済手段のラインアップ(クレジットカード、コンビニ払い、キャリア決済、各種ID決済など)が自社の客層に合うかどうかを見るほうが、実務的な比較になります。

WordPress(WooCommerce):自由度が高いぶん、選択の基準が要る

WordPressにWooCommerceを入れてECにする場合、決済はプラグインで追加します。国内外の決済代行各社が公式プラグインや連携モジュールを提供していることが多く、選択肢は最も広い部類です。その代わり、プラグインの保守・WooCommerce本体やWordPressのバージョン追従・サーバーのセキュリティ対策が自社側の責任になります。

選ぶときの順番は、①その決済代行がWooCommerce向けの公式連携を提供しているか ②連携が現行バージョンに対応し、更新が続いているか ③必要な決済手段が揃うか ④定期購入(サブスク)やカード情報の保存が必要か、の4つです。とくに定期課金は対応状況が分かれるところなので、要件があるなら最初の段階で確認してください。

カード情報の扱いにも注意が必要です。自社サイト内で入力させる方式(トークン方式)と、決済代行の画面に遷移する方式(リダイレクト方式)では、実装の手間もセキュリティ上の責任範囲も変わります。技術者が社内にいないなら、リダイレクト方式や、設定だけで完結する公式プラグインを前提に選ぶほうが、後々の運用が軽くなります。

MakeShop・futureshop・カラーミーなど国内ASP:対応一覧から逆引きする

MakeShop、futureshop、カラーミーショップといった国内のASPカートは、「対応決済サービス一覧」を公式サイトで公開しているのが通常です。ここに載っている決済代行の中から選ぶ、という逆引きが最短ルートになります。一覧に載っていない決済を使いたい場合は、個別開発が必要になるか、そもそも対応できないこともあります。

この層のカートは、コンビニ決済・後払い・代金引換・請求書払いなど、国内向けの決済手段が揃いやすいのが特徴です。BtoB寄りの商材や、年齢層が高めの顧客が多い店舗では、カード以外の手段の充実度が売上に効いてくることがあります。自社の顧客がどの方法で払いたいかを、問い合わせ内容やアンケートから拾っておくと判断しやすくなります。

乗り換えを検討している場合は、既存の決済代行との契約を引き継げるかも確認しておきましょう。同じ決済代行でも、カートが変わると再申し込みや再審査になることがあります。切り替え時期は、繁忙期を外し、旧カートと新カートを並走させられる期間を確保しておくと安全です。

カート標準か外部の決済代行か:この順に見て決める

迷ったときは、次の順で見ていきます。第一に、カートの公式ドキュメントに載っている対応決済かどうか。第二に、自社の商材で扱いが難しいジャンルに該当しないか(定期購入、高額商品、無形サービス、予約販売などは審査で確認されやすい領域です)。第三に、入金サイクルが自社の資金繰りに合うか。第四に、返金・チャージバック時の運用が管理画面から自社で完結できるか。

次に、決済手段の広さです。クレジットカードだけでよいのか、コンビニ払い・キャリア決済・ID決済・後払い・銀行振込まで必要なのか。手段を増やすほど運用と経理の手間も増えるので、「あれば売れそう」ではなく「顧客が実際に求めている」ものから足すのが無難です。

最後に、費用の構造です。初期費用・月額・決済ごとの料率・振込にかかる費用など、どこにコストが乗るかは各社で設計が違います。具体的な金額や料率は改定されるため、必ず各社の公式サイトで最新の料金を確認し、想定する月商と平均単価を当てはめて比べてください。

なお、EC決済の入金明細は売上と入金がずれるため、会計処理では未収入金や手数料の扱いを整理しておく必要があります。インボイス制度や電子帳簿保存法に関わる書類の保存方法も含め、具体的な処理は顧問税理士にご確認ください。制度要件の詳細は、国税庁など所管官庁の資料もあわせて確認しておくと安心です。

導入の実務:いつ、何を用意して、どこに出すか

申し込みは、サイトが「ほぼ完成した状態」で行うのが基本です。審査では実際のページが見られるため、商品ページ、特定商取引法に基づく表記、プライバシーポリシー、返品・キャンセルの条件、問い合わせ先が揃っていることが前提になります。テスト商品だけの状態で申し込むと、確認に時間がかかることがあります。

用意するものは、法人の場合は登記事項証明書、代表者の本人確認書類、法人口座の情報、そしてサイトURL。商材によっては、許認可の写しや仕入先が分かる資料を求められることもあります。提出先は、カート標準決済ならカートの管理画面、外部決済なら決済代行会社の申込フォームです。

審査の期間は商材やタイミングで変わるため、オープン日から逆算して余裕を持って着手してください。開店直前に申し込んで間に合わない、というのがいちばん多い失敗です。決済が有効化されたら、必ず自分で少額のテスト購入と返金を一度通し、注文データ・入金明細・メール通知の流れを確認しておきましょう。

よくある質問

決済代行会社は複数を併用してもよいのでしょうか。

カートが許可していれば、クレジットカードはA社、コンビニ払いはB社、といった併用は可能なことがあります。ただし管理画面が分かれ、入金日や明細も別々になるため、経理の手間は増えます。少人数で運営しているなら、まずは1社に寄せて運用が回るか確かめるのが無難です。

WordPressで作ったサイトに決済を入れたいのですが、WooCommerceは必須ですか。

必須ではありません。単品販売や申し込みフォーム程度なら、決済代行が提供する購入リンクやフォーム機能で足りることもあります。商品数が増える、在庫や配送を管理する、定期課金を扱う、といった要件が出てきた段階でWooCommerceなどのカートを検討するとよいでしょう。

カートを乗り換えると、決済も申し込み直しになりますか。

同じ決済代行を使う場合でも、接続先のカートが変わるため、再設定や再申請が必要になることが一般的です。契約を引き継げるかは決済代行とカートの組み合わせによるので、乗り換えを決める前に両社に確認してください。切り替え期間中に決済が止まらないよう、スケジュールには余裕を持たせましょう。

入金サイクルは何を基準に見ればよいですか。

仕入れや外注費の支払いタイミングと比べて、資金が回るかどうかで見ます。仕入れが先行する物販では、締め日から入金までの期間が長いと運転資金が必要になります。具体的なサイクルは各社の公式サイトで最新の条件を確認し、資金繰り表に当てはめて判断してください。

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この記事は一般的な情報をまとめたものです。税務・法務・労務の個別の判断については、税理士・弁護士・社会保険労務士などの専門家にご相談ください。 料金や条件は変わることがあるため、お申し込み前に必ず各サービスの公式サイトで最新の内容をご確認ください。