定款認証の手数料はいくらか|資本金別の金額と謄本代・勘定科目

・会社設立・登記・会社のはじめかた編集部(監修:田中 祐介)

株式会社をつくるとき、法務局に登記を出す前に通るのが「定款認証」です。公証役場で定款を認証してもらう手続きですが、費用の内訳がわかりにくく、「資本金によって変わるらしい」「謄本代は別なのか」「経費に落とせるのか」と迷う方が多いところです。この記事では、定款認証でかかるお金の中身を分解し、支払い後に会計でどう処理するかまで、実務の順番どおりに整理します。具体的な金額は改定されることがあるため、必ず公証役場や日本公証人連合会の公式情報で最新の額をご確認ください。

この記事の結論

  • 定款認証でかかるお金は「公証人の認証手数料」「謄本(同一情報の提供)の手数料」「紙の定款に貼る収入印紙」の3つが柱で、最新の金額は日本公証人連合会や公証役場の公式サイトで確認します。
  • 認証手数料は資本金の額に応じた区分で決まる仕組みが取られており、資本金を小さくすると区分が下がる場合があるため、定款案を固める前に区分を確認しておくと無駄がありません。
  • 定款認証の費用は会社設立前の支出のため、多くは「創立費」として処理し、設立後に償却する流れになります。消費税の扱いを含め、迷う場合は税理士にご確認ください。

定款認証の手数料は何にいくらかかる?費用の内訳を分解する

定款認証の窓口は公証役場です。ここで支払うお金は、大きく分けて「公証人による認証の手数料」と「認証済み定款の謄本(同一情報の提供)にかかる手数料」の2つです。前者は認証という行為そのものへの対価、後者は認証後の定款の写しを発行してもらうための費用で、枚数に応じて計算される仕組みが取られています。

これに加えて、定款を紙で作成した場合には収入印紙が必要になります。電子定款(PDFに電子署名をして認証を受ける方式)で作成した場合は、この印紙が不要とされています。つまり「紙か電子か」で総額が変わるのが、定款認証の費用のいちばん大きな分かれ目です。

それぞれの具体的な金額は改定されることがあり、記事で断定できません。手続きに入る前に、日本公証人連合会の公式サイト、または管轄予定の公証役場に直接確認してください。電話やメールで「資本金はいくらの予定で、謄本は何通ほしい」と伝えれば、合計の目安を教えてもらえることが一般的です。

設立にかかる法定費用

どちらの形態でもかかる、国が定めた費用です。設立代行サービスの手数料は、これとは別にかかります。

項目株式会社合同会社
登録免許税(設立登記)資本金の額の1,000分の7。15万円に満たないときは1件につき15万円資本金の額の1,000分の7。6万円に満たないときは1件につき6万円
定款の認証手数料資本金100万円未満 3万円/100万円以上300万円未満 4万円/300万円以上 5万円日本公証人連合会の手数料の案内に掲載なし
定款の謄本(同一の情報の提供)1枚につき250円日本公証人連合会の手数料の案内に掲載なし
収入印紙(紙の定款の場合)4万円日本公証人連合会の手数料の案内に掲載なし
出典:国税庁 No.7191 登録免許税の税額表(https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/inshi/7191.htm)/日本公証人連合会 定款の認証に要する費用(https://www.koshonin.gr.jp/notary/ow09_4/9_4_q03)/日本公証人連合会 会社の定款手数料の改定(https://www.koshonin.gr.jp/chg_teikanfee)・2026-09-21確認

資本金で手数料が変わるのはなぜ?区分の見方と決める順番

株式会社の定款認証手数料は、資本金の額(設立時に出資される財産の価額)に応じた区分で決まる考え方が採られています。資本金が小さいほど下の区分に入り、手数料の負担が軽くなる設計です。近年は起業しやすさの観点から区分や金額の見直しが行われてきた経緯があるため、古いブログ記事の金額をそのまま信じないことが大切です。

判断の順番はこうです。まず①事業に本当に必要な運転資金はいくらか、②許認可や取引先の与信で資本金の下限が求められないか、③金融機関や取引審査で見栄えの問題が出ないか、を先に検討します。そのうえで④手数料の区分、という順に見てください。手数料を下げるために必要な資本金を削るのは、本末転倒になりがちです。

なお、資本金の額は登記事項で、後から増資・減資をするには別途手続きと費用がかかります。「認証手数料の区分に収めたいから」という理由だけで金額を決めず、事業計画とセットで判断してください。許認可が絡む業種は、所管官庁の要件も先に確認しておくと安心です。

謄本(同一情報の提供)の手数料は何通取ればいい?

認証を受けた定款の原本は公証役場に保管され、会社が持ち帰るのは謄本にあたる「同一情報の提供」です。この発行には、枚数に応じた手数料がかかります。定款のページ数が多いほど費用も増えるため、不要に長い定款にしないことが節約につながります。

通数は、登記申請用に提出する分と、会社で保管する分、そして銀行口座の開設や許認可の申請で求められる分を見込んで決めます。まずは登記用と会社保管用を確保し、金融機関や役所に提出が必要かを事前に問い合わせてから追加分を決めると、無駄が出にくくなります。

足りなくなった場合、後日あらためて公証役場に請求することもできますが、そのつど手数料と手間がかかります。設立直後は口座開設・社会保険の届出・許認可申請が同時期に走るため、余裕を見ておくほうが結果的に楽です。

電子定款と紙の定款、どちらを選ぶ?判断の基準

費用だけを見れば、収入印紙が不要とされる電子定款のほうが総額は抑えられます。ただし電子定款には、PDFへの電子署名、マイナンバーカードなどの電子証明書、対応ソフトや読み取り機器といった準備が必要です。自分で一式そろえる場合、初回は機材と設定の手間が発生します。

判断の目安はこうです。①今後も電子申請を使う予定がある、あるいは電子証明書をすでに持っているなら電子定款。②今回かぎりで、準備に時間をかけたくないなら、司法書士や行政書士など電子定款に対応した専門家に依頼する方法。③設立日を急いでいて、専門家にも頼まないなら紙、という順で考えると整理しやすくなります。

専門家に依頼する場合は報酬がかかりますが、印紙が不要になる分と相殺してどちらが得かを見積もりで比較できます。報酬額は事務所ごとに異なるため、複数の事務所に「電子定款での認証と登記まで」を伝えて見積もりを取り、内訳を確認してください。

定款認証の費用はどの勘定科目?創立費と開業費の分け方

定款認証の手数料や謄本代、収入印紙、登記の登録免許税などは、会社が成立する前に発生した設立のための支出です。これらは一般に「創立費」として処理し、設立後の会社の帳簿に計上する流れになります。創立費は繰延資産として計上して償却する方法と、支出時に費用として処理する方法があり、どちらを選ぶかで各期の損益の見え方が変わります。

似た科目に「開業費」があります。こちらは会社成立後、実際に営業を開始するまでにかかった支出(名刺や広告、打ち合わせの交通費など)を指す考え方で、定款認証のような設立手続きそのものの費用とは区別されます。設立日を境にどちらに入るかを分けると整理しやすくなります。

立替払いの記録も大切です。設立前は会社の口座がないため、発起人個人のお金で支払うのが通常です。領収書に日付と支払者を残し、設立後に会社から精算する仕訳を切ってください。処理方法の選択や償却の判断は決算にも影響しますので、最初の決算を迎える前に税理士にご確認ください。

消費税や領収書はどう扱う?支払い当日の持ち物と流れ

公証人の手数料のような公的な手数料は、消費税の課税対象外として扱われることがあります。一方、専門家に依頼した報酬部分は課税取引として扱われるのが一般的で、同じ「設立費用」でも性質が分かれます。インボイス(適格請求書)の要否も含め、区分の判断は取引の中身によりますので、税理士にご確認ください。

当日の流れは、①事前に公証役場へ定款案をメールなどで送って内容のチェックを受ける、②日程を予約する、③当日は発起人本人の本人確認書類と印鑑、実質的支配者となるべき者の申告書など指定された書類を持参する、④認証を受けて謄本を受け取り、その場で費用を支払う、という順序が一般的です。

支払い方法や受け取れる領収書の形式は役場によって異なることがあります。会社の経費として処理するため、宛名と但し書きを確認して領収書を保管してください。電子で受け取った書類は、電子帳簿保存法の考え方に沿った保存が求められる場合があるため、要件の詳細は国税庁の資料を確認するか、税理士に相談すると安心です。

手数料は値下げされた?情報の確かめ方と専門家への相談

定款認証をめぐる費用や運用は、起業の負担を軽くする方向で見直しが重ねられてきました。そのため、検索で上位に出てくる記事でも、書かれた時期によって金額が食い違うことがあります。金額を確認するときは、日本公証人連合会や法務省など一次情報にあたるのが確実な近道です。

あわせて、公証役場ごとに予約方法やオンライン面談の可否が異なる場合があります。管轄の役場に一度電話し、「定款認証を予定しており、費用の合計と当日の持ち物を知りたい」と伝えるのがいちばん早い確認方法です。

定款の条文づくりや資本金の設定、創立費の処理は、後の登記・税務・許認可に影響します。定款の内容や登記手続きは司法書士、会計処理や消費税の取り扱いは税理士、設立後の社会保険や雇用の手続きは社会保険労務士が相談先の目安です。判断に迷う点が出てきたら、早い段階でそれぞれの専門家にご相談ください。

よくある質問

定款認証の手数料は資本金がいくらだと安くなりますか。

株式会社の認証手数料は、資本金の額に応じた区分で決まる仕組みが取られており、資本金が小さいほど下の区分になります。ただし金額や区分は見直されることがあるため、日本公証人連合会や公証役場の公式情報で最新の内容をご確認ください。資本金は許認可や取引審査にも関わるので、手数料だけで決めないことをおすすめします。

定款認証の費用は経費になりますか。勘定科目は何ですか。

会社設立前の設立手続きにかかる支出として、一般に「創立費」で処理します。繰延資産として償却する方法と支出時に費用処理する方法があり、選択によって各期の損益が変わります。どちらが自社に合うかは税理士にご確認ください。

定款認証の手数料に消費税はかかりますか。

公証人に支払う手数料のような公的な手数料は、消費税の課税対象外として扱われることがあります。一方、司法書士や行政書士に支払う報酬は課税取引として扱われるのが一般的で、性質が分かれます。区分の判断や仕入税額控除の可否は、税理士にご確認ください。

合同会社をつくる場合も定款認証は必要ですか。

公証人による定款認証が求められるのは株式会社などで、合同会社の設立では認証が不要とされています。ただし定款の作成自体は必要で、紙で作る場合は収入印紙の扱いが生じます。自社の形態でどこまで必要かは、司法書士に確認すると確実です。

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この記事は一般的な情報をまとめたものです。税務・法務・労務の個別の判断については、税理士・弁護士・社会保険労務士などの専門家にご相談ください。 料金や条件は変わることがあるため、お申し込み前に必ず各サービスの公式サイトで最新の内容をご確認ください。