信販系の法人カード|オリコ・セゾン・ライフ・エポスの選び分け
法人カードを調べはじめると、銀行系・国際ブランド直系・信販系と、いろいろな種類が出てきます。なかでもオリコ・セゾン・ライフ・エポスといった信販系は、設立して間もない会社やひとり社長が最初の1枚として検討しやすい領域です。この記事では、各社の細かいスペックを並べるのではなく、「自社の状況ならどこから見ればいいか」という判断の順番を整理します。
この記事の結論
- 信販系の法人カードは、クレジットカード会社が独自に発行するため、設立直後の法人やひとり社長でも申し込みの検討がしやすい選択肢とされています。
- 選ぶときは、①申込条件(決算書の要否)②引き落とし口座と締め日③追加カードの発行可否④会計ソフト連携、の順に見ると迷いにくくなります。
- 審査の基準は各社とも公開されていないため、通るかどうかを事前に断定することはできず、申込条件と必要書類を公式サイトで確認したうえで判断するのが現実的です。
そもそも「信販系の法人カード」とは何を指すのか
法人カードは、発行元によっておおまかに分けられます。銀行やそのグループが発行するもの、アメリカン・エキスプレスやダイナースクラブのように国際ブランド自身が発行に関わるもの、そしてオリコ・クレディセゾン・ライフカード・エポスカードのような信販会社(クレジットカード会社)が発行するものです。ここでいう「信販系」は3つめを指します。
信販系の特徴は、個人向けカードで積み上げてきた与信と運用のしくみを、法人・個人事業主向けにも広げている点にあります。そのため、商品ラインナップが「設立直後でも申し込める入口の1枚」から「決算実績のある法人向けの上位カード」まで幅があります。
一方で、空港ラウンジや旅行関連の付帯サービスを前面に出すカードは、国際ブランド直系の上位カードに寄る傾向があります。どちらが良い悪いではなく、経費決済の道具として使うのか、接待や出張の体験価値まで求めるのかで見るべき軸が変わります。
迷ったら、この4点をこの順番で見る
最初に見るのは申込条件です。具体的には「決算書の提出が求められるか」「設立1期目でも申し込めると案内されているか」「代表者個人の情報でどこまで判断されるか」。ここが合わなければ、他の条件がどれだけ良くても先に進みません。各社の公式サイトの申込ページに、必要書類の欄があります。
2番目は引き落とし口座です。法人口座からの引き落としに対応しているか、屋号付き口座や個人名義口座でも登録できるか、はカードによって扱いが異なります。法人口座の開設が終わっていない段階で申し込むなら、ここは先に確認しておきたいところです。
3番目が追加カード(従業員カード)の発行可否と枚数、4番目が明細データのダウンロード形式や会計ソフトへの連携です。ひとり社長なら3番は後回しでよく、人を雇う予定があるなら最初から見ておくと、後でカードを作り直す手間が減ります。
オリコ・セゾン・ライフ・エポス、それぞれどんな会社に向くか
オリコのビジネスカード(スタンダードなどの名称で展開されています)は、法人・個人事業主向けのラインが整理されており、追加カードを複数枚持ちたい会社が検討しやすい構成です。部署や担当者ごとにカードを分けて、明細で使い道を切り分けたい場合に検討対象になります。
セゾンの法人向けカードは、個人向けで知られる永久不滅ポイントの考え方や、Web明細の使い勝手を法人でも使いたい人が入りやすい領域です。上位のプラチナ系まで含めて幅があるため、まず入口のカードを作り、実績を積んでから上位を検討する、という段階的な持ち方もできます。
ライフカードのビジネスカードは、個人事業主や小規模法人向けの入口として案内されているラインがあります。エポスカードは個人向けの印象が強いものの、法人・ビジネス向けの取り扱いが用意されている場合があり、「エポス 法人カード」で検索する人が多いのはこのためです。いずれも年会費・付帯内容・申込条件は変更されることがあるため、最新情報は各社の公式サイトで確認してください。
「審査」について、公開されている範囲でわかること
オリコ・エポス・ダイナースなど、どの発行会社も審査基準を公開していません。したがって「設立1年目なら通る」「赤字だと通らない」といった断定はできません。できるのは、公式サイトに書かれている申込条件(法人か個人事業主か、代表者の年齢、必要書類)を満たしているかを自分で確認することだけです。
現実的な準備としては、(1)登記事項証明書(履歴事項全部証明書)を取得しておく、(2)法人口座を開設しておく、(3)代表者本人の本人確認書類を用意する、(4)固定電話や事業用の連絡先、事業内容を説明できる状態にしておく、の4点です。申込フォームで事業内容を書く欄があるため、何をして売上を立てる会社なのかを一文で言えるようにしておくと入力が早く済みます。
ダイナースクラブの法人カードのように、個人の与信を重く見るタイプのカードもあります。設立直後で会社としての実績がまだない段階では、代表者個人のクレジットカードやローンの利用履歴が見られる可能性があります。個人の支払い遅延を整理しておくことは、どの会社に申し込む場合でも意味があります。
申し込みから利用開始までの進め方
順番としては、①法人設立の登記完了 → ②法人口座の開設 → ③カード申込、が基本です。カードの引き落とし口座に法人口座を指定する場合、口座がないと申込を完了できないことがあるためです。口座開設に時間がかかる場合は、その間に必要書類をそろえておきます。
申込はWebで完結する会社が多く、登記事項証明書や本人確認書類をアップロードする形式が一般的です。審査結果の連絡、カードの郵送までにかかる日数は各社で異なるので、支払いの予定がある場合は余裕をもって申し込みます。
カードが届いたら、会計ソフトとの連携設定を先に済ませておくと後が楽です。明細が自動で取り込まれる状態にしておけば、経費の入力作業が減ります。なお、カードの利用明細だけでは証憑として不足する場面があり、領収書の保存方法(電子データで受け取ったものの扱いなど)は電子帳簿保存法の考え方に沿って整理する必要があります。詳細な要件は国税庁の資料を確認するか、顧問税理士にご相談ください。
1枚目が通らなかったとき、次に考えること
結果が出なかった場合、すぐに他社へ連続して申し込むのは避けたほうが無難です。短期間に複数社へ申し込むと、その履歴自体が審査で見られることがあると言われています。数か月空けて、決算を1期終えてから再度検討する、という進め方もあります。
代替手段としては、代表者個人のクレジットカードを事業専用にして経費と私費を分ける、デビットカードやプリペイド型のビジネスカードを使う、といった方法があります。ただし、個人カードで法人の経費を払うと、精算処理が発生して手間が増えます。会計処理の扱いは税理士に確認しておくと安心です。
いずれにしても、カードは「経費を1か所にまとめて、記帳をラクにする道具」です。ポイント還元や付帯サービスは、その次に比べる項目だと考えると、選択肢が絞りやすくなります。
よくある質問
設立したばかりでも法人カードは作れますか。
会社によっては、決算書の提出を求めない申込条件を案内している法人・個人事業主向けカードがあります。ただし審査基準は非公開で、通るかどうかを事前に断定することはできません。まずは各社の公式サイトで申込条件と必要書類を確認してください。
オリコとセゾン、どちらを先に検討すればいいですか。
追加カードを複数枚持って部署や担当ごとに分けたいならオリコ系のラインから、Web明細の使い勝手や将来の上位カードへの発展を重視するならセゾン系から見る、という順で絞ると比べやすくなります。年会費や付帯内容は変更されることがあるため、最終判断は公式サイトの最新情報で行ってください。
エポスやライフカードにも法人向けはありますか。
両社とも法人・個人事業主向けの取り扱いが案内されている場合があります。ただし商品構成は時期によって変わるため、「ビジネス」「法人」のページが現在も掲載されているかを公式サイトで直接確認するのが確実です。
ダイナースクラブの法人カードは審査が厳しいと聞きましたが本当ですか。
審査基準は公開されていないため、厳しい・緩いを断定することはできません。一般に、上位カードほど申込条件が細かく設定されている傾向はあります。設立直後であれば、まず申込条件を満たしやすいカードから検討し、実績を積んでから上位を考える進め方が現実的です。