法人カードが届いた後の管理|暗証番号・有効期限・更新とWeb明細
法人カードは、届いてからが本番です。封を開けて財布に入れるだけで終わらせると、暗証番号が分からない、明細が誰も見ていない、有効期限が切れて引き落としが止まった、といったことが起きます。この記事では、カードが届いた当日にやること、最初の1か月でやること、そして年に一度は見直したいことを、順番に整理します。
この記事の結論
- 法人カードが届いたら、署名・カード情報の控え・会員サイトの登録・利用通知の設定を、この順で当日中に済ませておくと後が楽です。
- 暗証番号は申込時に自分で設定しているのが一般的で、忘れた場合は会員サイトや電話で照会・変更の手続きを取ります(推測での入力を繰り返すとロックされることがあります)。
- 有効期限が近づくと新しいカードが自動で送られてくる運用が一般的ですが、カード番号を登録している定期支払いは、更新後に自分で情報を差し替える必要が出る場合があります。
法人カードが届いた当日にやることは?
まず、カードの表面の名義と会社名、裏面の署名欄を確認します。署名欄が空のままだと、店頭での本人確認ができない、紛失時の取り扱いで不利になる、といった扱いになることがあります。カード券面に記載された名義と同じ表記で、油性のサインペンなどで署名しておきます。ICチップ付きでサインレス決済が多い今も、署名欄は埋めておくのが基本です。
次に、カード番号・有効期限・セキュリティコードを、社内のパスワード管理ツールなど鍵のかかる場所に控えます。紙のメモや共有スプレッドシートに平文で置くのは避けてください。ひとり社長でも、スマホを落としたとき、入院したときに誰が止めるのか、という視点で保管場所を決めておくと安心です。
最後に、同封されている書類(カード規約、会員サイトの案内、緊急連絡先)をまとめて保管します。特に紛失・盗難時の連絡先は、カードとは別の場所に控えておくのがおすすめです。財布ごとなくすと、番号も連絡先も一緒に消えます。
ビジネスカードの暗証番号はどこで確認する?忘れたときは
暗証番号は、多くの場合カード申込時に本人が数字を設定しています。届いたカードの封筒に書かれているわけではなく、後から券面を見ても分かりません。生年月日や電話番号など推測されやすい数字を設定してしまった心当たりがあるなら、この機会に変更を検討してください。
忘れてしまった場合は、カード会社の会員サイトから照会・変更の手続きを取るか、カード裏面の電話番号に連絡します。照会の方法はカード会社によって異なり、郵送での通知になることもあります。店頭で思いつく数字を続けて入力すると、一定回数でロックがかかり、解除に手続きが必要になることがあるので、分からないまま試すのは避けましょう。
従業員に追加カードを渡している場合、暗証番号は本人だけが知っている状態にします。経理担当が一覧で管理すると、不正利用が起きたときに誰の責任か切り分けられなくなります。「暗証番号は他人に教えない」「カードは本人以外が使わない」の2点は、社内ルールとして最初に決めておくとよい項目です。
会員サイト(VpassなどのWeb明細)の初期設定と使い方
カード会社はそれぞれ会員向けのWebサービスを用意しています。三井住友カードのVpassのように、カード会社ごとに名称が違うため、同封の案内かカード会社の公式サイトから、自分のカードに対応するサイトを探します。初回はカード番号と生年月日などで本人確認をして、IDとパスワードを設定する流れが一般的です。
登録が済んだら、次の3つを設定しておきます。ひとつ目は利用明細の受け取り方法(Web明細にするか紙にするか)。ふたつ目は利用のつどメールやアプリで通知が届く設定。三つ目は支払口座と締め日・支払日の確認です。特に利用通知は、身に覚えのない決済に早く気づくための仕組みなので、多少うるさくても最初はオンにしておくことをおすすめします。
明細は、会計ソフトに取り込むためのCSVやPDFとしてダウンロードできることが多いです。ただし、過去分の保存期間には上限がある場合があります。決算や税務調査で遡って必要になることを考えると、毎月ダウンロードして自社のクラウドストレージにも残しておくと安全です。電子データで受け取った明細の保存方法については、電子帳簿保存法の考え方が関わるため、具体的な保存要件は国税庁の資料を確認するか、顧問税理士にご確認ください。
会計ソフトとの連携と「有効化」でつまずいたら
マネーフォワードやfreeeなどの会計ソフトと法人カードを連携すると、明細が自動で取り込まれます。連携の際は、カード会社の会員サイトのIDとパスワードを使う方式や、カード会社側が提供する専用の連携を使う方式があります。どの方式に対応しているかはサービスの組み合わせによって違うので、各社の公式サイトのヘルプを確認してください。
カード自体が「有効化されていない」ために連携や決済ができないケースもあります。カードによっては、届いた後に会員サイトや電話で利用開始の手続き(アクティベーション)が必要なことがあります。オンライン決済が通らない、連携で明細が取得できない、というときは、まず有効化が済んでいるか、支払口座の登録が完了しているかを順に確認します。
連携がうまくいかないときの確認順は、①カードが有効化されているか、②会員サイトに自分でログインできるか、③会員サイト側でパスワード変更や追加認証の設定を変えていないか、④会計ソフト側で連携先のサービス名を取り違えていないか、の4つです。多くの場合は②か③が原因です。
有効期限と更新カード|期限が近づいたら何をする?
カード券面の有効期限は「月/年」で表記され、記載された月の末日まで使えるのが一般的です。期限が近づくと、カード会社から新しいカードが自動で送られてくる運用が多いですが、会社の住所を変更したまま届け出をしていないと、更新カードが届かず手元のカードが使えなくなります。登記上の本店移転や、バーチャルオフィスの契約変更があったときは、カード会社にも住所変更を届け出てください。
更新カードが届いたら、古いカードはハサミでICチップと磁気ストライプを分断してから処分します。そして重要なのが、カード番号を登録している定期支払いの洗い出しです。クラウドサービス、広告費、サーバー代、通信費など、毎月自動で引き落とされているものは、カード番号が同じでも有効期限が変わるため、更新後に新しい期限を登録し直す必要が出ることがあります。
更新月の前月に、会員サイトの明細から「毎月同じ金額で落ちているもの」を一覧にして、更新後にひとつずつ差し替えるのが確実です。ここを放置すると、決済失敗でサービスが止まり、広告が配信停止になる、といった実害が出ます。年に一度の作業なので、更新月をカレンダーに登録しておくとよいでしょう。
紛失・退職・不正利用|社内ルールとして決めておくこと
カードを紛失した、あるいは身に覚えのない利用がある場合は、まずカード会社に連絡して利用を止めます。連絡先はカード裏面と、別に控えた場所の両方から辿れるようにしておきます。状況によっては警察への届出を求められることもあります。補償の対象になるかどうかは契約内容と届出のタイミングによって変わるため、自己判断せず早めに連絡するのが基本です。
従業員に追加カードを渡している会社では、退職時のカード回収を退職手続きのチェックリストに入れておきます。物理カードを返してもらうだけでなく、カード会社への退会・解約の連絡と、各種サービスに登録されたカード情報の差し替えまでがワンセットです。ここが抜けると、退職後に使えてしまう状態が残ります。
あわせて、利用明細を誰がいつ確認するかを決めておきます。ひとり社長なら「月初に前月分をまとめて確認」、担当者がいるなら「担当者が突合し、社長が承認」といった形です。経費の私的利用や不正利用は、見ている人がいる、という状態そのものが抑止力になります。取引の証憑と明細の突合の仕方や、経費として処理できる範囲の判断については、顧問税理士にご確認ください。
よくある質問
ビジネスカードの署名欄は書かなくてもいいですか?
署名欄が空のままだと、店頭での本人確認や、紛失・盗難時の取り扱いで不利になることがあります。カード券面の名義と同じ表記で、届いたその日に署名しておくのが基本です。ICチップによるサインレス決済が増えた今も、署名欄を埋めておく運用が一般的です。
暗証番号を忘れました。どうすればいいですか?
カード会社の会員サイトから照会・変更の手続きを取るか、カード裏面の電話番号に連絡してください。方法はカード会社によって異なり、郵送での通知になることもあります。店頭で思いつく数字を試し続けるとロックがかかることがあるため、分からないまま入力を繰り返すのは避けましょう。
有効期限が切れたら自分で申し込み直す必要がありますか?
期限が近づくと新しいカードが自動で郵送される運用が一般的なので、通常は申し込み直しは不要です。ただし住所変更を届け出ていないと届かないことがあります。更新後は、カード情報を登録している定期支払いの有効期限を差し替える作業を忘れないでください。
Web明細は会計の証憑として使えますか?
カード明細は決済の記録であり、取引の内容を示す領収書や請求書とあわせて保存するのが基本的な考え方です。電子データで受け取った明細の保存方法は電子帳簿保存法の考え方が関わるため、具体的な要件は国税庁の資料を確認するか、顧問税理士にご確認ください。