主要シェアオフィスを比較|WeWork・リージャス・ワークスタイリングなど
「シェアオフィス」とひとくちに言っても、個室を借りて本社登記まで済ませるタイプと、社員が出先で1時間だけ使うタイプでは、用途も契約のしかたもまったく違います。名前をよく聞くWeWork、リージャス、ワークスタイリング、H¹T、zxy、STATION WORKなどを、ひとり社長や小さな会社の視点で「どれがどんな使い方に向くか」という軸から整理しました。各社の料金や空室状況は変動するため、最終確認は公式サイトと内見で行う前提でお読みください。
この記事の結論
- シェアオフィスは大きく「個室・住所利用型(WeWork、リージャスなど)」と「多拠点の時間利用型(ワークスタイリング、H¹T、zxy、STATION WORKなど)」に分かれ、法人登記や郵便受取が必要なら前者から検討します。
- ひとり社長が最初に見るべきは、登記の可否・郵便物の扱い・来客対応の3点で、席の快適さや内装はその後に比較すると失敗が減ります。
- 社員が各地で働く会社は、拠点数と法人一括契約の可否が決め手になり、個室契約と時間利用型の併用が現実的な落としどころになることもあります。
シェアオフィスは2種類ある|まず「登記するか」で分ける
比較サイトを見ると各社の名前が横並びに出てきますが、実際には性格の異なる2つのグループが混ざっています。ひとつは個室や固定席を月単位で借り、住所を法人登記や名刺に使うことも想定した「拠点型」。もうひとつは、全国の拠点を必要なときだけ使う「多拠点・時間利用型」です。
この2つを混ぜて比較すると、いつまでも結論が出ません。最初に「この場所を会社の住所として使いたいか」を決めてください。使いたいなら拠点型、使わない(自宅や別の住所で登記する)なら時間利用型が候補になります。
なお、シェアオフィスの住所で登記できるかは施設とプランによって扱いが異なります。登記可否、郵便物の受取や転送の方法、銀行口座開設や許認可で住所がどう見られるかは、契約前に施設側へ確認し、判断に迷う点は司法書士や税理士に相談すると安心です。
WeWork・リージャスなど「拠点型」の特徴と選び分け
WeWorkは、共用ラウンジと専用個室(プライベートオフィス)を組み合わせたスタイルで知られています。内装やコミュニティイベントなど、人が集まる場としての雰囲気を重視する会社、採用面接や来訪者への印象を意識する会社に向きます。1人用の個室から数十人規模まで、同じビル内で部屋を移れる点も、増員が読みにくいスタートアップには使いやすい要素です。
リージャス(Regus)とスペーシズは、世界規模で拠点を展開するIWGグループのブランドです。サービスオフィスとしての歴史が長く、受付スタッフによる来客対応や電話・郵便まわりのサービス、地方都市や駅前のビルにも拠点がある点が特徴です。落ち着いた事務所らしさや、出張先でも同じブランドの拠点を使える点を重視するなら候補に入ります。
このほか、三井不動産、三菱地所、野村不動産、森ビルといったデベロッパー系や、地域密着型の運営会社もそれぞれ拠点型の施設を持っています。拠点型は結局「その建物とその部屋」を借りるので、ブランドで決めきらず、実際に使う1〜2拠点を内見して、机の広さ・音・回線・会議室の予約しやすさを確かめるのが確実です。
ワークスタイリング・H¹T・zxy・STATION WORKなど「多拠点型」の使い分け
ワークスタイリングは三井不動産が運営する法人向けのシェアオフィスで、都市部を中心に拠点が広がっています。法人単位で契約し、社員が各地の拠点を必要なときに使う形が基本で、総務が利用状況を把握しやすい設計になっているのが特徴です。営業や外勤が多い会社、複数拠点に人が散っている会社と相性がよいタイプです。
H¹T(エイチワンティー)は野村不動産、zxy(ジザイ)はザイマックスが手がけるサテライトオフィスで、いずれも駅近の個室ブースや会議室を短時間から使えるスタイルです。「打ち合わせの合間にオンライン会議をしたい」「自宅では集中しづらい」といった用途にはまり、テレワーク制度の受け皿として法人導入されることも多いサービスです。
JR東日本のSTATION WORKは、駅構内や駅前のブース・シェアオフィスを使えるのが持ち味で、移動が多い人ほど価値が出ます。三菱地所も複数のワークプレイス・ブランドを展開しており、こちらも拠点網と使い勝手で比較することになります。多拠点型は「行動範囲に拠点があるか」がほぼすべてなので、公式サイトの拠点マップで自分や社員の動線と重ねて確認してください。
ひとり社長が比較するときの順番|5つのチェック項目
ひとり社長の場合は、次の順に見ると迷いが減ります。①法人登記と郵便物の受取ができるか、②来客・オンライン会議をどこでするか、③平日夜や土日に入れるか、④解約予告や最低契約期間はどうか、⑤通いやすさ。①〜③で候補を2〜3施設に絞り、④⑤で最終判断する流れです。
特に見落としがちなのが④の契約条件です。シェアオフィスは初期費用が抑えられる代わりに、最低利用期間や解約予告期間が定められていることがあります。人を採用して手狭になる、逆に完全リモートに切り替える、といった変化は起こりやすいので、出るときの条件を契約前に読んでおきましょう。
オンライン会議が多い人は、共用ラウンジだけのプランだと苦しくなることがあります。防音ブースの数、予約の取りやすさ、混雑する時間帯を、内見のときに実際に使う時間帯に合わせて見に行くと、契約後のギャップが小さくなります。
費用と手続きで押さえておきたいこと
料金体系は、個室の月額型、席数に応じた法人プラン、時間従量制など各社で大きく異なり、同じブランドでも拠点や時期で条件が変わります。この記事では金額には触れませんので、最新の料金・キャンペーン・空室は各社の公式サイトと問い合わせで確認してください。比較するときは、月額だけでなく、会議室の追加料金、来客対応、郵便転送、ドロップイン利用の扱いまで含めて並べると実態に近づきます。
経理面では、シェアオフィスの利用料をどの科目で処理するか(地代家賃、支払手数料、賃借料など)や、時間利用分の精算方法をあらかじめ決めておくと締めが楽になります。利用明細や請求書は電子で発行されることが多いため、保存方法は電子帳簿保存法の考え方に沿って社内ルールを決めておきましょう。要件の詳細は国税庁の資料を確認し、判断に迷う部分は税理士にご確認ください。
登記住所を変更する場合は、法務局への登記手続きのほか、税務署や都道府県・市区町村、年金事務所、取引先や銀行への届出が発生します。移転の時期が決まったら、契約開始日から逆算して手続きの段取りを組み、必要に応じて司法書士や社会保険労務士に相談すると漏れを防げます。
タイプ別の落としどころ|こういう会社ならこう選ぶ
自宅以外に会社の住所を置きたいひとり社長で、来客も想定するなら、まずは拠点型のサービスオフィス(WeWork、リージャスなどのプライベートオフィス)を2〜3件内見するところから。住所だけ必要で作業は自宅中心なら、住所利用・郵便対応が付いたプランや、バーチャルオフィスも含めて比較する手があります。
社員が数人〜十数人で各地に散っているなら、多拠点型(ワークスタイリング、H¹T、zxy、STATION WORKなど)を法人契約し、本社は小さめの個室に抑える組み合わせが現実的です。「全員分の席を常に確保する」前提を外せると、固定費の設計がぐっと楽になります。
チームで毎日集まって作業するなら、シェアオフィスより通常の賃貸オフィスのほうが合う場面もあります。1年後の人数が読めない時期はシェアオフィス、体制が固まったら賃貸へ、という段階的な移り方も一般的です。どの段階でも、契約条件と登記・税務の扱いで迷ったら、税理士や司法書士など専門家に確認してから決めてください。
よくある質問
シェアオフィスの住所で法人登記はできますか?
施設とプランによって扱いが異なり、登記利用を認めている施設もあれば、認めていない施設もあります。契約前に「登記利用可か」「郵便物の受取と転送はどうなるか」を必ず確認し、許認可が必要な業種の場合は要件を満たすかを所管官庁や司法書士にご確認ください。
WeWorkとリージャスは何が違いますか?
どちらも個室を借りられる拠点型ですが、WeWorkは共用ラウンジやコミュニティを含めた場の雰囲気を重視する傾向があり、リージャスは受付や電話・郵便まわりを含むサービスオフィスとしての運用と、国内外の拠点網が持ち味とされています。最終的には使う拠点ごとに条件が違うので、候補ビルを内見して比べるのが確実です。
ワークスタイリングやzxy、H¹Tは個人でも使えますか?
これらは法人契約を前提としたプランが中心で、個人利用の可否や条件はサービスごとに異なります。ひとり社長の会社でも法人として契約できる場合がありますので、契約形態と最新の申込条件は各社の公式サイトで確認してください。
シェアオフィスの利用料は経費にできますか?
事業のために使っている費用であれば経費として処理することが一般的ですが、科目の選び方やプライベート利用が混ざる場合の扱いは状況によって変わります。領収書・請求書の保存方法とあわせて、税理士にご確認ください。