PayPay銀行 法人の海外送金と外貨の受け取り|可否と代替手段

・法人口座・会社のはじめかた編集部(監修:田中 祐介)

海外のクライアントから報酬を受け取る、海外のツールベンダーに支払う。ひとり法人でも、事業を始めてすぐにこうした場面はやってきます。ネット銀行のメイン口座で全部済ませたいところですが、海外送金や外貨の取り扱いは銀行ごとに対応が大きく分かれる領域です。この記事では、PayPay銀行の法人口座で海外送金・外貨受け取りができるかをどう確認すればよいか、そして対応していない場合にどう回すかを、判断の順番で整理します。

この記事の結論

  • ネット銀行の法人口座は海外送金や外貨の取り扱いに対応していない場合があり、最新の対応状況は各銀行の公式サイトと法人向け窓口で確認するのが確実な方法です。
  • 海外送金・外貨受け取りが必要な法人は、国内決済のメイン口座と、越境送金に対応した口座やサービスを役割分担させる構成が現実的です。
  • 海外からの入金を受ける前に、受取口座の英字名義・銀行コード・支店情報・中継銀行の扱いを確認し、送金元に正確に伝えておくと着金トラブルを減らせます。

PayPay銀行の法人口座で海外送金・外貨受け取りはできる?まず確認する順番

結論から言うと、ネット系の銀行では「円建ての国内送金・振込には強いが、海外送金や外貨預金は取り扱いの範囲が限られる」という設計になっていることがあります。サービス内容は改定されることがあるため、この記事で「できる・できない」と断定することはしません。確認の順番だけを押さえてください。

確認は3ステップです。第一に、PayPay銀行の公式サイトの法人向けページで「海外送金」「外国送金」「外貨」のキーワードを探します。サービス一覧に該当項目が見つからない場合、取り扱いがない可能性が高いと考えて次に進みます。第二に、よくある質問やヘルプページで「海外からの入金」「被仕向送金」の記載を確認します。第三に、それでも判断がつかなければ法人向けの問い合わせ窓口に、送金の方向(送るのか受け取るのか)、通貨、頻度を伝えて聞きます。

ここで大事なのは、「海外へ送る(仕向送金)」と「海外から受け取る(被仕向送金)」を分けて聞くことです。送金はできなくても受け取りだけは円貨で着金できる、あるいはその逆、という違いが銀行によってあります。自社に必要なのがどちらかを先に決めてから問い合わせると、話が早く済みます。

海外送金に対応していなかったら?代替手段の選び方

対応がないと分かったら、メイン口座を乗り換えるのではなく「用途別に足す」発想に切り替えます。国内の請求書払いや経費決済はいまの口座で続け、越境のやりとりだけ別の手段に寄せるほうが、口座振替やクレジットカードの紐付けをやり直す手間がかかりません。

選択肢は大きく3つです。①都市銀行・地方銀行・信用金庫などの外国送金に対応した法人口座を追加で開く。②海外送金を専門に扱う資金移動業者などのサービスを法人名義で利用する。③海外の顧客向けに、オンライン決済サービスやプラットフォーム経由で回収し、国内口座に引き出す。どれが向くかは、金額・頻度・相手の都合で決まります。

判断の順番はこうです。まず「送金額が大きく、契約書や請求書に基づく取引が中心」なら①の銀行を軸に考えます。銀行は取引内容の確認(マネーロンダリング対策や外国為替関連の手続き)に慣れており、金融機関発行の書類が必要になる場面でも対応しやすいです。次に「少額を月に何度もやりとりする」「相手が海外の個人や小規模事業者」なら②③の比重を上げます。ただし②③は、事業内容によって利用可否や取り扱える国・通貨に制限があることがあるため、申込前に利用規約と対応国を確認してください。手数料や為替の扱いは各社の公式サイトで最新の条件を確認しましょう。

PayPay銀行の手数料

PayPay銀行の手数料は次のとおりです。改定されることがあるため、申し込み前に公式サイトで最新の内容をご確認ください。

項目内容備考
同行宛の振込手数料0円インターネットバンキング利用時(2025年5月26日現在)
他行宛の振込手数料145円(税込)インターネットバンキング利用時。前月の預金平均残高(円普通・円定期)が3,000万円以上だと優遇あり
他行宛の無料特典口座開設月の翌々月末まで毎月5回無料—
電話など(インターネットバンキング以外)同行宛 3万円未満660円/3万円以上1,100円、他行宛 3万円未満1,320円/3万円以上1,760円(税込)事前にカスタマーセンターへ連絡が必要
口座維持手数料このページに記載なし—
出典:PayPay銀行 公式ページ(https://www.paypay-bank.co.jp/business/fee/transfer.html)・2026-09-21確認

海外から外貨で入金される予定があるときの手順

受け取りは「入金される前の準備」でほぼ決まります。着金してから直す作業はとても手間がかかるので、請求書を出す前に次の順で整えてください。

まず、受取口座が外国からの送金を受けられるかを確認します。次に、銀行から英字の口座情報一式(英語表記の銀行名・支店名・所在地・SWIFTコード/BICなど、その銀行が案内している項目)を入手します。法人名義の英字表記は、送金元が入力する項目と一致している必要があるため、自己流のローマ字ではなく銀行の案内どおりに揃えます。そのうえで、請求書に受取口座情報と通貨、支払期限を明記して送ります。

着金後は、入金額が請求額より少ないことがあります。中継銀行の手数料が差し引かれるケースや、為替の換算タイミングの違いが理由になることがあります。契約時に「手数料をどちらが負担するか」を決めておくと揉めません。また、一定の条件に当てはまる取引は外国為替関連の報告が必要になる場合があります。詳しい要件は所管官庁や取引銀行の資料で確認し、判断に迷う取引は税理士に相談してください。

口座の役割分担をどう設計するか

ひとり法人や少人数の会社なら、口座は「メイン1つ+越境用1つ」が管理しやすい構成です。メイン口座には売上の国内入金、経費の引き落とし、役員報酬や税金の支払いを集めます。越境用の口座やサービスには、海外からの入金と海外への支払いだけを通し、残高が増えたらメイン口座へ移します。

この構成の利点は、会計処理が追いやすくなることです。外貨のやりとりは為替差が出るため、国内取引と同じ口座で混ぜると、月末の突き合わせで時間を取られます。専用の窓口に寄せておけば、どの入金がどの請求に対応するかを追いやすくなります。

注意点は、使わない口座を放置しないことです。長く動きがない口座は取り扱いが変わることがありますし、銀行によっては定期的に事業内容の確認連絡が来ます。越境用の口座も、四半期に一度は残高と明細を確認する習慣をつけておくと安心です。

記録の残し方と、月末にやること

海外取引は、あとから「何の入金か分からない」状態になりやすいのが厄介なところです。入金があった日に、請求書番号・相手先・通貨・外貨金額・円換算額・差し引かれた手数料をメモに残す運用を決めてしまいましょう。会計ソフトの摘要欄に統一フォーマットで書くだけでも、期末の作業がだいぶ軽くなります。

保存する書類は、請求書、契約書、送金明細や入金明細の控えが基本です。電子データでやりとりしたものは、電子帳簿保存法の考え方に沿った保存が求められる場合があります。要件の詳細は改定されることがあるため、国税庁の資料と顧問税理士の指示を確認してください。

月末のチェックは、①請求書ごとの入金消込、②外貨明細と円換算額の確認、③未着金の催促、の3点で足ります。海外は祝日や決済の営業日が国内と違うため、「支払ったはずなのに着かない」という連絡は数日待ってから再確認するくらいの余裕を持っておくとよいでしょう。

よくつまずくポイントと、その回避策

一つ目は、口座開設時の申込内容と実際の取引が食い違うケースです。開設時に「国内取引のみ」と申告していたのに海外入金が続くと、銀行から取引内容の確認を受けることがあります。事業計画が変わったら、早めに銀行へ相談しておくと手続きがスムーズです。

二つ目は、消費税やインボイス制度の扱いです。海外の事業者との取引は、国内取引と課税の考え方が異なる場合があり、輸出免税や国外取引として扱われることがあります。判断を誤ると申告のやり直しになるため、最初の1件目の処理方法を税理士に確認してから運用を固めるのが安全です。

三つ目は、相手からの送金が止まるケースです。送金国の規制や、名義の不一致、取引目的の説明不足が原因になることがあります。相手に送る口座情報は、銀行が発行する案内をそのまま転記し、請求書にサービス内容を具体的に書いておくと、確認で止まるリスクを下げられます。

制度や各社のサービス内容は変わります。この記事は一般的な進め方の整理であり、個別の税務・法務の判断は税理士や、必要に応じて弁護士・司法書士にご確認ください。取引の規模が大きくなる前に、一度専門家と処理方法をすり合わせておくことをおすすめします。

よくある質問

PayPay銀行の法人口座は海外送金に対応していますか?

サービス内容は改定されることがあるため、対応の有無は公式サイトの法人向けページと法人向け問い合わせ窓口でご確認ください。確認するときは「海外へ送る」「海外から受け取る」を分けて質問すると、必要な回答が得られやすくなります。

海外からの入金だけなら、ネット銀行の法人口座でも受け取れますか?

受け取り(被仕向送金)の取り扱いは銀行ごとに異なり、外貨での受け取りに対応していない場合もあります。請求書を出す前に、受取口座が外国からの送金を受けられるか、英字の口座情報を案内してもらえるかを銀行に確認してください。

海外送金用に別の口座を開くべきですか?メイン口座を変えるべきですか?

すでに口座振替やカードを紐付けている場合は、メインを変えずに越境用の口座やサービスを追加するほうが手間が少なく済みます。国内決済はメイン、海外の入出金は専用窓口という役割分担にすると、月末の突き合わせも楽になります。

海外取引の消費税はどう処理すればいいですか?

海外の事業者との取引は、国外取引や輸出免税として扱われることがあり、国内取引とは考え方が異なる場合があります。最初の1件の処理方法を税理士に確認し、そのルールを社内に固めてから運用するのが安全です。

この記事で取り上げたサービス

あわせて読みたい

「法人口座」の記事をすべて見る →

次に決めること

記事をすべて見る(1087本)→

この記事は一般的な情報をまとめたものです。税務・法務・労務の個別の判断については、税理士・弁護士・社会保険労務士などの専門家にご相談ください。 料金や条件は変わることがあるため、お申し込み前に必ず各サービスの公式サイトで最新の内容をご確認ください。