本店移転登記申請書の書き方|別紙・添付書類と提出先の確認

・住所・オフィス・会社のはじめかた編集部(監修:田中 祐介)

本店を移すと決めたあと、いちばん手が止まりやすいのが登記申請書です。様式はどこにあるのか、別紙とは何なのか、議事録は総会と取締役会のどちらが要るのか、そして書類はどこの法務局に出すのか。この記事では、ひとり社長や小さな会社の担当者が自分で進めることを前提に、入手・作成・提出の順で整理します。

この記事の結論

  • 本店移転登記申請書の様式と記載例は、法務局の公式サイトの「商業・法人登記の申請書様式」から無償で入手できます。
  • 添付書類は、定款で本店所在地をどこまで定めているかと、移転先が同一管轄内か管轄外かによって変わります。
  • 同一管轄内なら申請先は1か所、管轄外へ移す場合は旧本店所在地を管轄する法務局にまとめて提出する経由申請の形をとります。

本店移転登記申請書の様式はどこでダウンロードできますか

様式と記載例は、法務局の公式サイトにある「商業・法人登記の申請書様式」のページにまとまっています。株式会社の本店移転については、管轄内で移転する場合と、他の管轄へ移転する場合とで別々のひな形が用意されているので、まず自社がどちらに当たるかを確かめてから該当する様式を開きます。WordとPDFの両方が置かれていることが多く、Wordを使えばそのまま打ち込めます。

「本店移転 雛形」で検索すると民間サイトのテンプレートも出てきますが、記載事項や添付書類の考え方は法務局の記載例が基準になります。まず公式の記載例を横に置き、自社の事情に合わせて調整するという順番にすると迷いが少なくなります。

なお、商号変更や役員変更を同じ時期に行う場合、まとめて1通の申請書に書ける場合と、別に申請する場合があります。判断に迷うときは、申請前に管轄法務局の登記相談を利用すると手戻りを防げます。

申請書に書く項目と「別紙」の意味

申請書の本体には、会社法人等番号、商号、本店(移転前の住所)、登記の事由(本店移転)、登記すべき事項、登録免許税額、添付書類、申請年月日、申請人である会社と代表取締役の氏名・押印、連絡先などを記載します。登記すべき事項には、移転後の本店の住所と、移転した年月日を書きます。

ここで出てくるのが「別紙」です。登記すべき事項は、申請書に直接書くほかに、別の用紙(OCR用紙や、CD-Rなどの電磁的記録)にまとめて提出する方法があり、この別紙方式を前提にした記載例も公開されています。書き間違いの修正のしやすさから別紙を使う会社もありますが、申請書に直接書く方法でも受け付けてもらえます。どちらを選ぶかは、法務局の記載例のうち自分が読み取りやすい方に合わせるのが実務的です。

登録免許税は収入印紙を貼って納めますが、金額は移転先が同一管轄か否かで扱いが変わり、改定されることもあります。最新の税額は法務局の公式サイトで確認してください。

添付書類は何を用意しますか

まず確認するのは自社の定款です。定款に「本店は東京都〇〇区に置く」と最小行政区画まで書いてあり、移転先がその区画の外であれば定款変更が必要になり、株主総会の決議と議事録が要ります。同じ区画の中での移動なら、定款変更は不要で、取締役会(取締役会を置かない会社では取締役の過半数の一致)で具体的な所在場所と移転日を決めた書面を添えるのが一般的です。

したがって添付書類は、株主総会議事録、取締役会議事録または取締役の決定書、株主リスト(株主総会の決議を要する場合)、代理人に依頼するときは委任状、というのが基本の組み合わせになります。賃貸借契約書や新住所の証明書類は、通常は添付しません。

議事録には、議案として移転先の住所と移転日を明記します。移転日は、実際に本店機能を移した日と整合するように決めておくと、あとで説明を求められたときに困りません。登記の申請は、移転の効力が生じた日から一定期間内に行うこととされているため、決議のあとは早めに動きます。

提出先の法務局は移転先で変わります

同じ法務局の管轄内で移転する場合は、その管轄の法務局(登記所)に申請書一式を提出すれば完了です。管轄はインターネットでも確認できるので、移転先の住所を管轄する登記所が現在と同じかどうかを先に調べます。

管轄が変わる場合は、旧本店所在地を管轄する法務局に、旧管轄分と新管轄分の申請書をまとめて提出します。旧管轄の法務局を経由して新管轄へ送られる仕組みで、申請人が新管轄へ直接出向く必要はありません。この場合は印鑑届書も新管轄向けに用意するのが通例です。

提出方法は、窓口持参、郵送、オンライン申請のいずれかです。郵送するときは書留など追跡できる方法を選び、控えを手元に残します。補正の連絡が来ることもあるため、申請書の連絡先には日中つながる電話番号を書いておきます。

登記のあとに続く届出をまとめて片づける

登記が完了したら、登記事項証明書を取得し、税務署・都道府県税事務所・市区町村への異動届出、年金事務所や労働基準監督署・ハローワークへの所在地変更の届出へ進みます。管轄が変わる届出先もあるため、登記と同じ考え方で「旧管轄か新管轄か」を一つずつ確認します。

あわせて、銀行口座、許認可、契約書の住所、ウェブサイトや名刺、請求書の記載も更新します。請求書の記載事項に関わる部分は取引先にも影響するため、移転日が決まった段階で早めに案内しておくと混乱が減ります。

一覧にして期限順に並べ、終わったものにチェックを入れていくと抜けにくくなります。登記より届出のほうが数は多いので、ここをどれだけ先に準備できるかで負担が変わります。

自分でやるか、専門家に頼むかの判断

同一管轄内の移転で、定款変更も不要、役員変更も重ならない、という条件がそろうなら、公式の記載例を見ながら自分で申請している会社も多くあります。逆に、管轄をまたぐ、定款変更を伴う、他の登記事項の変更と時期が重なる、株主構成が複雑といった事情が一つでもあるなら、書類の組み合わせが増えるぶん確認の手間も増えます。

登記申請書の作成や代理は司法書士の業務です。手続きを任せたい場合や、議事録の書きぶりに不安がある場合は、司法書士にご相談ください。移転に伴う税務上の取り扱いや届出については税理士、従業員の通勤手当や就業規則の勤務地の定めに関わる部分は社会保険労務士に確認すると、全体を抜けなく進められます。

よくある質問

本店移転登記申請書はどこでダウンロードできますか。

法務局の公式サイトの「商業・法人登記の申請書様式」ページで、株式会社の本店移転用の様式と記載例が公開されています。管轄内での移転用と管轄外への移転用で様式が分かれているため、自社の移転先の管轄を確認してから該当するものを使ってください。

株主総会議事録は必ず必要ですか。

定款に定めた本店所在地の範囲を超えて移転する場合は定款変更が必要になり、株主総会の決議と議事録、株主リストを添えるのが一般的です。同じ範囲内での移転であれば、取締役会議事録や取締役の決定書で足りることが多く、自社の定款の書き方によって変わります。

管轄外に移転するとき、新しい法務局にも行く必要がありますか。

旧本店所在地を管轄する法務局に、新旧両方の申請書をまとめて提出する形が一般的で、申請人が新管轄へ出向く必要は通常ありません。印鑑届書の要否など細かい扱いは、事前に管轄法務局で確認しておくと安心です。

登記が終わったら他にどんな届出が必要ですか。

税務署や自治体への異動届出、年金事務所、労働基準監督署、ハローワークへの所在地変更の届出などが続きます。届出先も管轄が変わることがあるため、登記完了後に登記事項証明書を取得し、期限順に一覧化して進めるのが確実です。

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この記事は一般的な情報をまとめたものです。税務・法務・労務の個別の判断については、税理士・弁護士・社会保険労務士などの専門家にご相談ください。 料金や条件は変わることがあるため、お申し込み前に必ず各サービスの公式サイトで最新の内容をご確認ください。